邦画 1940-2000年代
「Love Letter」(1995)は岩井俊二監督の長編映画監督第1作。美しい雪景色の小樽を舞台に、手紙のやり取りを通して故人への一途な想いを深めてゆくラブストーリー。 主演は中山美穂、豊川悦司。共演は加賀まりこ、名わき役として注目される前の光石研、范文…
「エロティックな関係」(1992)を見る。レイモン・マルローの小説「春の自殺者」を基にした1978年の日活ロマンポルノ「エロチックな関係」をリメイクした映画。脚本は前作の監督である長谷部安春と内田裕也の共同、監督は「水のないプール」「寝盗られ宗介…
「はい、泳げません」(2022)を見る。監督・脚本は渡辺謙作、主演は長谷川博己と綾瀬はるか。息子を水難事故で失った大学教員の男が、水泳コーチの指導により立ち直ってゆくという水泳教室を舞台に、泳げない男と泳ぐことしかできない女の希望と再生の物語…
「切腹」(1962)。小林正樹(監督)×橋本忍(脚本)×仲代達矢(主演)。 橋本忍の綿密なシナリオをもとに「人間の條件」でセンセーションを巻き起こした小林正樹監督が「静と動」、ダイナミックな殺陣シーンを演出。 1963年のカンヌ映画祭では「HARAKIRI」…
「父と暮せば」(2004)を見逃していたがようやく見た。 監督は「美しい夏 キリシマ」の黒木和雄。 原爆投下から3年後の広島を舞台に生き残ったことへの負い目に苦しみながら生きている娘と、そんな彼女の前に亡霊となって現れた父との心の交流を描いた人間…
樹木希林が亡くなり、憔悴しきった内田裕也が車椅子でテレビに映っていた。近年では、すっかり”仙人”のようなイメージだが、内田裕也自身が、破天荒なイメージが強い。 内田裕也が脚本を書き主演した映画「コミック雑誌なんかいらない!」は、ワイドショーの…
「黒い家」(1999)を見た。サイコスリラー、サイコパス映画だった。 大竹しのぶが、喋りはゆっくりだが、不気味で凶暴なサイコパス(反社会性人格障害者=ぶっ壊れた人間)を演じて恐ろしい悪女ぶりを見せている。近年の「後妻業の女」もそうだが、その怪演…
「クローズZERO」(2007)を見た。高橋ヒロシの漫画が原作。監督が三池崇史で主演が小栗旬。不良たちが集まる男子高校を舞台に男たちが闘い、熱く生きる姿がリアルに映し出されている。その後2009年に「クローズZEROⅡ」2014年に「クローズEXPLODE」が公開さ…
「陸軍中野学校」(1966)を見た。舞台は実在した日本初のスパイ学校。主演は大映のスターだった市川雷蔵。有名作品でありながら見逃していた作品で、今見ても面白い!後にシリーズ化され4本の続編が作られた。とくに増村保造監督の一作目は、”スパイ学校”そ…
大林宣彦監督の「ふたり」(1991)を見た。 原作は赤川次郎の小説。大林監督の出身地である尾道が舞台。 タイトルは単純にみえるが、才色兼備の姉とドジな妹の姉妹のふたりのことで、姉はある事故で亡くなり、残された妹が、姉の記憶をとどめるために小説を書…
「野菊の如き君なりき」(1955)を見た。初見。 伊藤左千夫の純愛小説「野菊の墓」の映画化。「~ですもの」という口調の老人(笠智衆)が久々に故郷を訪れ、60年前の遠き少年の日々を回想して行く。その悲恋の想い出が涙を誘う。 笠智衆演じる老人が詠む俳…
「春琴物語」(1954)を、池袋・新文芸坐の「大映女優祭」(京マチ子特集)でみた。 16ミリフイルム上映。 原作は谷崎潤一郎による中編小説「春琴抄」。 盲目の三味線奏者・春琴に丁稚の佐助が献身的に仕えていく物語。 監督は「番町皿屋敷 お菊と播磨」の伊…
2005年12月からブログを始めたこともあって、2006年ごろから映画鑑賞を再開した。2000年代はいろいろ激動の時期(2003年12月、会社の肩たたきでリストラ・失業など)でもあり、映画はあまり見ていなかったが。 というわけで、2010年代に続いて、2000年代…
「月曜日のユカ」(1964年、日活)を見た。 加賀まりこが20歳の時の映画で、和製ブリジット・バルドーといわれた。この映画もフランス映画かイタリア映画のような雰囲気がある。 刹那的な青春ドラマ。加賀まりこは当時、自由奔放な発言などで知られ、映画で…
「麻雀放浪記」(1984)を見た。モノクロ。 敗戦直後の東京の片隅でひたすら麻雀を打ち続け、様々な勝負師との出会いでもう一つの人生を学んでいく若者を描く。 阿佐田哲也の同名小説の映画化で、イラストレーターの和田誠が初の脚本を執筆、監督としてデビ…
「日本列島」(1965)を見た。 当時新進気鋭の熊井啓監督のデビュー作「帝銀事件 死刑囚」に続く作品。 戦後日本の暗部をドキュメンタリータッチで鋭くえぐり出している。 原作は、吉原公一郎の「小説日本列島」。音楽は「ゴジラ」の伊福部昭。 戦後の日本で…
「旗本退屈男」(第1回、サイレント、1930)を弁士付き(活動弁士:澤登翠:さわと・みどり)で見た。新宿・紀伊国屋ホールにて(29日18:00)。直参旗本・早乙女主水之介(さおとめ もんどのすけ)を主人公とする痛快時代小説。昭和4年(1929年)4月の「文…
今朝の「サワコの朝」のゲストは小柳ルミ子だった。歌手と女優としての話が興味深かった。この話を聞いて、これまで見逃していた小柳ルミ子主演の「白蛇抄」(はくじゃしょう、1983)を見た。東映の文芸エロティシズム路線の1本。この映画で小柳ルミ子は、日…
「赤い天使」(1966)を見た。監督は増村保造、主演は若尾文子。野戦病院を舞台に、若尾文子演じる従軍看護婦が傷ついた兵士や軍医に深い愛を注ぐ。凄まじいほどのリアリズムを基調とし、過激描写も厭わない徹底した増村保造の演出が、戦争の暗部を抉(えぐ…
「バルトの楽園」(2006、東映)を見た。ベートーベンの「第九」を日本で初めて演奏したドイツ人捕虜の実話を壮大なスケールで映画化。真の正義感にあふれた人情派の収容所所長を「暴れん坊将軍」の松平健が熱演。共演は、高島礼子、阿部寛、國村隼、大杉漣…
「ウォーターボーイズ」(2001)を見た。矢口史靖(やぐち・しのぶ)監督の劇場映画の4作品目の映画。矢口監督の作品は「スウィングガールズ」(2004)がお気に入りだったので、気になっていたが、昨日BSフジで見ることができた。もともとのモデルは埼玉県…
「卍(まんじ)」(1964)を見た。原作は1928年に発表された谷崎潤一郎の同名小説。新藤兼人が脚色、増村保造が監督した文芸もの。撮影もコンビの小林節雄。若尾文子、岸田今日子主演。女同士の危険な関係-谷崎文学の耽美を体現した傑作といわれる。 人妻・…
「女系家族」(1963)を見た。 山崎豊子原作で、これまでに7回もテレビドラマ化されており、米倉涼子主演の2005年版は見ているのでストーリーはわかっているが、何度見ても面白い。ドラマでは、3姉妹のプライベートなども詳しく描かれていたが、映画では、深…
「TRICK トリック - 劇場版 -」(2002)を見た。テレビ朝日系列で放送されたテレビドラマ「トリック」の映画版。公開1週間での映画興行成績、初登場ランク1位獲得。4年後に、2作目の映画版となる「トリック劇場版2」が制作された。・・・舞台は300年に一度、…
「g@me.」(2003)を見た。今を時めく東野圭吾の「ゲームの名は誘拐」が原作。「ドラゴンヘッド」の藤木直人と「TRICK トリック―劇場版―」の仲間由紀恵が主演。狂言誘拐を仕組んだ男女の恋の行方を描いた2転3転のミステリー&サスペンス映画。マイケル・ダグ…
新藤兼人監督&実力派大竹しのぶ主演「ふくろう」(2004)を見た。ある母娘と奇怪な連続殺人事件を巡る関係を、ブラック・ユーモアを交えて描く異色のサスペンス。 ものすごい映画です!(笑) ・・・ この物語の背景は1980年頃ですという文字が出る。 画面…
「ダイアモンドは傷つかない」(1982)を見た。監督は「八月の濡れた砂」「赤ちょうちん」「スローなブギにしてくれ」などの藤田敏八。当時21歳の田中美佐子が新人としてデビューし、いきなり日本アカデミー賞(第6回)新人賞を受賞している。 山田太一脚本…
「サバイバルファミリー」(2017)を公開初日のきょう、見た。MOVIXさいたま。監督は「ウォーターボーイズ」(2001)「スウィングガールズ」(2004)「ロボジー」(2012)などの矢口史靖(やぐち・しのぶ)。現代は当たり前のように電気、水道、電話、スマホ…
テレビの深夜放送で見た「黒い十人の女」のもともとのオリジナルの映画「黒い十人の女」(1961)を見た。監督は市川崑。出演陣が超豪華。初代ミス日本に輝いた山本富士子をはじめ、岸恵子、中村玉緒、宮城まり子、岸田今日子、歌手の森山加代子、男優陣は、…
「北の蛍」(1984)を見た。歌手・森進一の1984年のシングル曲「北の蛍」は、この東映映画の主題曲としてつくられた。劇中、森の「北の蛍」が流れるシーンがある。曲の作詞家・阿久悠がスーパーバイザーとして企画の段階から総合的アドバイスをしている。 監…