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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「エロティックな関係」(1992)を見る。宮沢りえ主演。

       

エロティックな関係」(1992)を見る。レイモン・マルローの小説「春の自殺者」を基にした1978年の日活ロマンポルノ「エロチックな関係」をリメイクした映画。
脚本は前作の監督である長谷部安春内田裕也の共同、監督は「水のないプール」「寝盗られ宗介」の若松孝二

出演は宮沢りえビートたけし内田裕也、ジェニファー・ガラン、宇崎竜童、佐藤慶荒戸源次郎斉藤洋介ジョー山中、丘ナオミ、藤田めいる、長谷部香苗、林みつこほか。

舞台はフランス・パリだけだが、映画の冒頭で、フランスの女性キャスターが、この映画について”ディする”ところから始まる。

女性キャスターいわく…。
「こんばんは、観客の皆さん。この映画はフランスが誇る作家レイモン・マルローの”春の自殺者”からの盗作です。ジャパンマネーで作った日本人のための映画で、アリのように働く日本人がパリで撮っているだけです。オール・パリ・ロケの言葉にだまされないでください。皆さん、すぐ席を立たれることをお勧めします。当然、カンヌ映画祭は無視するでしょう。ミッテラン(大統領)は泣いています。EC(欧州共同体)の敵 日本。フランスに栄光あれ」

アリのように働く日本人”などは、外国から見た日本人のイメージを自虐を込めてフランスのキャスターに言わせているが、劇中、探偵が車の違法駐車のはり紙をポイ捨てすると、通りを歩いていたマダムが「日本人はマナーが悪い」と言い捨てるシーンもある。

今では日本は、環境などに対してクリーンなイメージがあるが、数十年前の日本人観光客などは、”旅の恥はかき捨て”という傾向があったからかもしれない。

登場人物がビートたけし内田裕也などであることから「コミック雑誌なんかいらない!」(1986)の空気感に似ている。探偵事務所の名前が、有名写真家の篠山紀信」事務所というのもお遊び感覚。

篠山紀信といえば、当時トップアイドルだった宮沢りえのヌード写真集「Santa Fe」(1991)を出したことでも有名だが、その宮沢りえが、探偵事務所の秘書役で当時19歳で出演。ディスコで踊ったり、柔道で巨漢のフランス人を投げ倒したり、射的で鍛えた銃の扱いで銃撃戦も、キュートな中でもはつらつと演じている。

・・・

KISHIN(内田裕也)はパリの路地裏で私立探偵「篠山紀信事務所」を開いているが、ほとんど客は来ない。秘書のRIE(宮沢りえ)は報酬を得るため「観光案内引き受けます」という張り紙を出した。

RIEは電話で依頼を受け、日本からの観光ツアーのガイドを務める。そんな中、珍しく探偵稼業の依頼が飛び込んで来た。

依頼人は奥山(ビートたけし)という男で、愛人であるロレーヌを寝取られたので不貞の事実を突き止めてほしいのだと彼は説明した。

10万フランの費用を提示され、KISHINとRIEは調査を引き受けた。その夜、RIEはKISHINを連れてディスコに出掛け、楽しく踊った。

次の日、KISHINはカメラを持って仕事に出掛け、ロレーヌの行動を監視する。ロレーヌの美しさに心を奪われたKISHINは、彼女がNEMOTOという年寄りと浮気している現場を目撃して困惑した。

KISHINが2人を尾行すると、パリ社交界の連中が利用している秘密の場所へ入っていった。マダムに話を聞いたKISHINは、2人が最近になって来るようになったことを知った。彼はRIEに電話を掛け、忘れた盗聴器を現場まで持って来てもらった。

KISHINとRIEは秘密の館へ入り、ロレーヌたちの隣の部屋に入る。ロレーヌはSMプレーでNEMOTOに鞭打たれ、激しい喘ぎ声を発していた。

その声は盗聴器を使うまでも無く、部屋の外に漏れていた。KISHINとRIEは、ドアの隙間から情事の様子を盗み見た。

KISHINに気付いたロレーヌは笑顔でウインクした。館を去った後、KISHINは「俺は降りる」と言い出した。「あの女は俺に気付いていたんだ」と彼は話すが、RIEは「降りちゃダメよ。せっかく来た仕事ですからね。謎は私が解くわ」と告げる。

RIEはKISHINに「尾行しているのが旦那に雇われた探偵だと気付き、誘惑して浮気の証拠品を取り戻そうとした」という推理を語った。

その上で彼女は「問題は条件ね。良い値段を付け方に売るのよ」と述べた。「俺はどうすればいいんだ」とKISHINが尋ねると、RIEは「とにかく尾行を続けて、相手の出方を待つのよ」と指示した。

翌日以降も、KISHINはロレーヌの尾行を続行した。するとロレーヌは、彼をホテルの部屋に連れ込んだ。

・・・
凱旋門に向かうシャンゼリゼ通りをエンストしたフランス製のポンコツ車を探偵と秘書が押して歩くが「(車は)日本製にすればよかった」というのが笑わせる。

ストーリーは、奥山(ビートたけし)の愛人が、自分と関係し、利用してきた数人の男たちを復讐のため殺していくといったもの。

1990年代初めのパリの街並みなどを観光気分で見るにはいいかもしれない。

主な登場人物:
■KISHIN:内田裕也
■奥山:ビートたけし
■RIE:宮沢りえ
■NEGISHI:宇崎竜童
■SHIGA:斉藤洋介
■ボディーガード:ジョー山中
■ロレーヌ:ジェニファー・ガラン
■長谷部香苗
■HANADA:荒戸源次郎
■NEMOTO:佐藤慶

※「U-NEXT」で鑑賞。

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