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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「ノストラダムスの大予言」(1974)を再見。”封印映画”DVDで。

ノストラダムスの大予言」(1974)はいまではDVD化もされずに一般的にはほとんど見ることができない。劇場公開時に見ているが、その後は埋もれた幻の作品(「封印映画」)となっている。

そんなわけで、もう見ることはない思っていた作品だが「画質に問題はあるが(映画&ドラマ「HERO」の田中要次のセリフではないが)”あるよ”」と知らせてきたのが、四丁目のギドラさんだった!

   

誕生日祝いにリクエストしたところ、さっそく送ってもらい、数十年ぶりに見ることができた。

この映画は、SFのジャンルに分類されるが、日本の近年の地震・災害、政治家の傲慢さと愚かさ、公害など地球環境破壊などに直面する人類に警告を与えている。

映画の最後に「これは虚構の世界である。しかし単なる想像の世界ではない。こうあってはならないと願うものである」という字幕がでる。

出演は、時代ごとに1人3役を演じる丹波哲郎、その娘に由美かおる。そのほか、黒沢年男司葉子山村聰ほか。「同棲時代-今日子と次郎-」「しなの川」などで当時人気絶頂だった由美かおるが抜群のプロポーションと愛らしい風貌を見せている。

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<ストーリー>
東京の街中にある西山環境研究所。所長の西山良玄(丹波哲郎)は今日も若い所員たちを指揮して、大気汚染の分析にとりくんでいる。

現在のまま自然破壊や大気汚染が進めば、異常気象の原因ともなり、早魃や冷害、洪水を招き人口増加に伴う深刻な食糧危機となる。

そして地球破滅、人類滅亡の日はノストラダムスの予言通り、確実に近い将来現実のものとなる。良玄は学者の立場から精力的にそのことを訴え続けるが、公害摘発の態度に対する企業からの報復、妨害も行なわれた。

そんな時、西山良玄の元へ夢の島での異変が伝えられた。
現場ではゴミの中に巨大なナメクジが大量発生していたのだ。同行したカメラマンの中川明(黒沢年男)は西山の一人娘まり子(由美かおる)と恋仲だったが、不安定な世情のせいか結婚をためらっていた。

 

だが中川の故郷で赤潮が発生、絶望した網元の父が入水自殺した哀しさを隠すために中川とまり子は初めて結ばれた。

消息を絶った調査隊を追ってニューギニア奥地を訪れた西山たちは、突然変異を起こしたコウモリや蛭、人食い人種との戦いの末に隊員たちと出会うが、彼らは既に放射能によって変わり果てた姿となっていた。

世界各地では異常気象や異常事態がなおも続く。エジプトには雪が降り、南洋は氷河と化し、銀座では奇怪な植物が発生。

航空機爆破によってオゾン層は破壊され、降り注ぐ紫外線が人を森を焼き尽くす。若者は自殺への道をひた走り、逃げ場の無い人々には容赦ない自然の猛威とそれに伴う人災が降り掛かっていく。

混乱と暴動の続く中、西山と中川が見上げた空には、破滅の都市・東京を不気味に映し出した蜃気楼が浮かび上がっていたのだ…。また、若者の中には、厭世主義からか、バイクで海に飛び込む者たちも現れた。

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映画のラストで、環境研究所所長・西山(丹波哲郎)が、国会の会議で環境問題への対応を力説し、総理大臣(山村聰)が答弁する形で終わる。

西山:「総理。政治とは何でしょう。人間を人間として生存させる責任です。いまや人間の生存が壊滅に向かって転がり落ちているのです。」

総理大臣:「政府はこう言い続けてきました。われわれを信頼して支持してください。必ずよりよい生活をお約束します。これまで高度成長を築き上げてきましたが、政治家の傲慢さと愚かさにより精神の荒廃、地球資源の破壊をもたらしてはならない。人類は文明の中でかつて滅亡した動物と同じ運命をたどってはならない。

必要なのは勇気。物質文明に終止符を打つ。さもなければ、物質文明が人間を滅亡させる。人間賛歌の歌声をあげ、真の勇気をもってこれまでの価値観を覆し、心の問題として戦い続けたい。」

総理の発言に同意した表情で西山の目に光るものがあった。
国会議事堂を背景に西山、中川、まり子が歩く。

丹波哲郎は、1974年の同じ年に「砂の器」に出演しており、合同捜査会議で、事件の経緯を説明するシーンでの”名”演説があるが「ノストラダムスの大予言」の国会での会議のスピーチも、丹波が炸裂していた。

・・・

物語は、江戸時代・嘉永五年(1853年)の長崎の蘭学者・西山玄哲、第二次大戦中の玄学、戦後の良玄の三代に渡る視点で描かれているが、ドラマ性よりもパノラマ的な見世物を主軸とした構成となっている。

  

次から次へと描き出される地獄絵図は見る者を恐怖に陥れだけでなく、当時の世相に漂っていた終末思想をなお後押しするような苦いものであった。

【映画化の背景】
五島勉祥伝社の伊賀弘三良に「10人の預言者を扱った企画」を持ち込んだところ、伊賀がノストラダムス1本に決定。

これを受け、五島は1973年(昭和48年)に「ノストラダムスの大予言」(祥伝社)を執筆。この本は、オイルショックや公害問題の顕在化による社会不安を背景に250万部の大ベストセラーとなり、映画化されたのだった。

1999年、7の月、空から恐怖の大王が降ってくる…」は、史上最も読まれたといわれる予言書「百詩篇集」の中の有名な一説。

5月4日は「ノストラダムスの日」。1555年のこの日に、フランスの占星術師であるノストラダムスの予言集「百詩篇集」の初版が世に出た日とされている。その中には、世紀末の日本を震撼させた人類滅亡の予言も含まれていたというのが驚きだ。

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