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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「女系家族」(1963) 若尾文子、京マチ子主演。

 
 女系家族」(1963)を見た。
山崎豊子原作で、これまでに7回もテレビドラマ化されており、米倉涼子主演の2005年版は見ているのでストーリーはわかっているが、何度見ても面白い。ドラマでは、3姉妹のプライベートなども詳しく描かれていたが、映画では、深掘りはなく、それでも当時の大映が誇る大女優の共演が見ものだった。
 
 
若尾文子をはじめ、京マチ子浪花千栄子北林谷栄高田美和といったトップ女優をはじめ、中村鴈治郎田宮二郎などが出演している豪華版である。
 
タイトルの「女系」は原作・ドラマ・映画では「にょけい」と読ませる。女系天皇のように「じょけい」というのが一般的なのか、パソコンでは「にょけい」ではでてこない。
 
女系家族」は、老舗の商家に起る凄絶な遺産争いなど人間の欲望とそのはかなさを描いている。最後の大逆転劇は痛快だ。
 
物語:
大阪・船場の老舗木綿問屋「矢島商店」は、代々家付き娘が婿養子をとる女系の家である。社長・矢島嘉蔵が死去し、遺言によってその存在が発覚した身重の愛人・浜田文乃と嘉蔵の娘である三姉妹(矢島藤代・千寿・雛子)、更に彼女たちの叔母芳子や矢島商店の大番頭宇市、藤代の踊りの師匠である芳三郎らの思惑も絡まりあい、彼らの間で繰り広げられる莫大な遺産の相続を巡る凄絶な権謀術数のさまが描かれる。しかし、最後に笑うのは彼らが予想もしなかった人物であったWikiより)
 
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京マチ子が圧倒する存在感だが、若尾文子の美貌が群を抜く。
 
三姉妹の勝ち気で、わがまま育ちの強欲の性格に対して、日蔭の愛人を演じる若尾文子の健気で、無欲さが好対照を成す。3代続く女系だが、3姉妹の父親が亡くなり、遺産を巡る争いで、それぞれの分配に不満が噴出する。
 
資産などを管理する大番頭・宇市(中村鴈治郎が、私欲を肥やし、銀行通帳を数種類以上隠し持ち、財産目録も価値ある掛け軸などが見つからないと、少な目に記す。大番頭が一番の悪党。14歳で丁稚奉公し、60年間仕事をしてきたことをいいことに、帳簿をごまかしてきたのだった。大番頭・宇市は、妾を持ち、その妾には「矢島家に生まれたというだけで遺産が1億ももらえる。(自分も相当手に入る)段取りはしてある」とうそぶくのだが、「勘定合って銭足らず」で、最後には、鉄槌が下される。
 
 
主な出演者:
 
 浜田文乃 - 若尾文子
 
 矢島雛子 - 高田美和
 
 矢島千寿 - 鳳八千代
 
 矢島藤代 - 京マチ子
 
 矢島嘉蔵 - 深見泰三
 
 矢島為之助 - 浅尾奥山
 
 大野宇市 - 中村鴈治郎
 
 梅村芳三郎 - 田宮二郎
 
 芳子 - 浪花千栄子
 
 君枝 - 北林谷栄
 
 お政 - 近江輝子
 
 畑中良吉 - 高桐真
 
 小森常次 - 遠藤辰雄
 
 坂上(医師) - 浅野進治郎
 
 戸塚太郎吉 - 山路義人
 
 佐平 - 嵐三右衛門
 
 米治郎 - 天野一郎
 
 祖父方の者 - 石原須磨男
 
 会葬者 - 玉置一恵
 
 曽祖父の者 - 葛木香一
 
 植木屋の女房 - 林加奈
 
 京雅堂 - 芝田総二
 
 米治郎の実家の者 - 桜井勇
 
 良吉の実家の者 - 菊野昌代士
 
 京雅堂の番頭 - 木村玄
 
 看護婦 - 松岡信江
 
 お清 - 谷口和子
 
 お久 - 高森チヅ子
 
 初代の妻の実家の者 - 高山峰子
 
 為之助の妻 - 小松みどり
 
遺言書が大きなテーマとなっている。複数の遺言状があった場合には、当然のことながら日付の新しいものが優先される。
 
亡くなった当主は自分の娘の三姉妹からも小ばかにされていたが「生きている間は、大したことはなかったが、すべてを見通していて、死んでから、仕返しをして墓の中で高笑いしていることだろう」といった言葉が三姉妹の中から聞こえてきた。
 
 
相続は兄弟姉妹の間で骨肉の争いになることが多いといわれるが、この映画がまさにそう。醜い争いが繰り広げられる。
 
 
懐かしい「大映」のマーク。現「角川映画」が引き継いでいる。
 
 
 
 
 
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