山崎豊子原作で、これまでに7回もテレビドラマ化されており、米倉涼子主演の2005年版は見ているのでストーリーはわかっているが、何度見ても面白い。ドラマでは、3姉妹のプライベートなども詳しく描かれていたが、映画では、深掘りはなく、それでも当時の大映が誇る大女優の共演が見ものだった。
タイトルの「女系」は原作・ドラマ・映画では「にょけい」と読ませる。女系天皇のように「じょけい」というのが一般的なのか、パソコンでは「にょけい」ではでてこない。
「女系家族」は、老舗の商家に起る凄絶な遺産争いなど人間の欲望とそのはかなさを描いている。最後の大逆転劇は痛快だ。
物語:
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三姉妹の勝ち気で、わがまま育ちの強欲の性格に対して、日蔭の愛人を演じる若尾文子の健気で、無欲さが好対照を成す。3代続く女系だが、3姉妹の父親が亡くなり、遺産を巡る争いで、それぞれの分配に不満が噴出する。
資産などを管理する大番頭・宇市(中村鴈治郎)が、私欲を肥やし、銀行通帳を数種類以上隠し持ち、財産目録も価値ある掛け軸などが見つからないと、少な目に記す。大番頭が一番の悪党。14歳で丁稚奉公し、60年間仕事をしてきたことをいいことに、帳簿をごまかしてきたのだった。大番頭・宇市は、妾を持ち、その妾には「矢島家に生まれたというだけで遺産が1億ももらえる。(自分も相当手に入る)段取りはしてある」とうそぶくのだが、「勘定合って銭足らず」で、最後には、鉄槌が下される。
矢島雛子 - 高田美和
矢島嘉蔵 - 深見泰三
矢島為之助 - 浅尾奥山
お政 - 近江輝子
畑中良吉 - 高桐真
戸塚太郎吉 - 山路義人
佐平 - 嵐三右衛門
米治郎 - 天野一郎
祖父方の者 - 石原須磨男
会葬者 - 玉置一恵
曽祖父の者 - 葛木香一
京雅堂 - 芝田総二
良吉の実家の者 - 菊野昌代士
京雅堂の番頭 - 木村玄
看護婦 - 松岡信江
お清 - 谷口和子
お久 - 高森チヅ子
初代の妻の実家の者 - 高山峰子
遺言書が大きなテーマとなっている。複数の遺言状があった場合には、当然のことながら日付の新しいものが優先される。
亡くなった当主は自分の娘の三姉妹からも小ばかにされていたが「生きている間は、大したことはなかったが、すべてを見通していて、死んでから、仕返しをして墓の中で高笑いしていることだろう」といった言葉が三姉妹の中から聞こえてきた。
相続は兄弟姉妹の間で骨肉の争いになることが多いといわれるが、この映画がまさにそう。醜い争いが繰り広げられる。
TV版「女系家族」(2005)記事:https://blogs.yahoo.co.jp/fpdxw092/58586669.html
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