狂言誘拐を仕組んだ男女の恋の行方を描いた2転3転のミステリー&サスペンス映画。マイケル・ダグラス主演の映画「ゲーム」(原題:Game, 1997)と紛らわしいが、日本映画は、ネット時代を反映して「g@me.」と「a→@」最後に「.」(ピリオド)がある。
クライアントである“ミカドビール”のやり手副社長・葛城勝俊(石橋凌)に自分のプロジェクトを覆され、人生最大の屈辱を味わった佐久間は、偶然知り合った葛城の愛人の娘で不遇の生活を強いられていた樹理(仲間由紀恵)と、彼女の狂言誘拐を企てる。
綿密な計画の下、ふたりは葛城から身代金3億円の奪取に成功し、二度と会わない約束をするが、たったひとつだけ誤算が生じた。それは、ふたりが恋に落ちてしまったこと・・・。
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2転3転する、まるでオセロ”ゲーム”のような展開が面白い。主演の藤木直人はファッション雑誌のモデル応募で最終審査で落選したものの、芸能事務所の目に留まったことから、映画「花より男子」(東映版)ので俳優デビュー。”イケメン”の藤木と20代前半の正統派美女(仲間由紀恵)の濃厚ラブシーンもあるが、”狂言”でだましたつもりが実は騙されていたという騙しの”コンゲーム”に目が離せない。
・・・(以下、ネタバレ)・・・
身代金も手にした2人だったが、数日後、ニュースを見ていた佐久間(藤木直人)は樹理(仲間由紀恵)が偽物で、本物の樹理は何者かに殺害されていたことを知り愕然となる。そんな彼の前に、再び偽者の樹理=腹違いの妹・千春が現れた。
実は、千春は薬物中毒の樹理と争ううち、過って彼女を殺してしまったことから、葛城が咄嗟に仕組んだ“ゲーム”に佐久間を巻き込み、隠蔽を謀ったのだ。
またしても、葛城に屈辱を味わわされた佐久間。しかし、このままでは彼のもとに警察が来るのは時間の問題だ。そこで、佐久間は葛城にリベンジすべく、再び千春の狂言誘拐を画策。千春をも欺く作戦で、樹理を薬物中毒にした純平( IZAM)を犯人に仕立てることに成功。
こうして、最終的に葛城とのゲームに勝った佐久間は、千春との愛も成就させる。 だが、千春は樹理を殺した事実は消せないと、彼の前から立ち去ってしまうのだった・・・。 恋のゲームは「ゲームオーバー」というわけだ。
小塚茂 - 宇崎竜童
葛城の部下 - 生瀬勝久
2003年に公開された映画が対象となる第27回日本アカデミー賞(2004)では、「壬生義士伝」(作品賞)「阿修羅のごとく」(監督賞)などが話題になった年。この年に俳優新人賞を受賞したのは、藤木直人(「g@me.」)、オダギリジョー(「あずみ」)、上戸彩(「あずみ」)、長澤まさみ(「ロボコン」)、市原隼人(「偶然にも最悪な少年」)の6人で、現在第一線で活躍の俳優・女優たちであることに今更ながら驚く。
誘拐の場合、身代金受け渡しの方法がポイントとなるが、この映画は、先を読んで、足が付かないように手が込んでいる。そのあたりも見ごたえがある。
まったく予備知識なく見れば、おもしろい。
気楽に見られるサスペンスだった。
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