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映画「切腹」(1962)。小林正樹(監督)× 橋本忍(脚本)× 仲代達矢(主演)。

 

 

切腹」(1962)小林正樹(監督)×橋本忍(脚本)×仲代達矢(主演)。

橋本忍の綿密なシナリオをもとに「人間の條件」でセンセーションを巻き起こした小林正樹監督が「静と動」、ダイナミックな殺陣シーンを演出。

1963年のカンヌ映画祭では「HARAKIRI」のタイトルで上映され激賞された衝撃作で、カンヌ国際映画祭審査員特別賞を受賞。 仲代達矢の声と迫力。丹波哲郎のかっこよさ。若き日の岩下志麻の可憐さ。

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浪人の半四郎(仲代達矢)がなぜ井伊家で切腹を試みたのかの理由が、半四郎本人から語られ明かされていく終盤のサスペンスが絶妙。武士道社会における面目を飾る虚飾や残酷さにより人間性を抑圧する隠ぺい工作や取り繕いなどの実態が暴かれていく。

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窮迫した浪人者が切腹すると称してなにがしかの金品を得て帰る近年の流行を苦々しく思っていた井伊家・家老斎藤勘解由(三國連太郎)と浪人・半四郎(仲代達矢)の言葉の駆け引きがスリリングで面白い。

半四郎は切腹介錯人として、井伊家の剣客の一人、矢崎隼人を指名すると病気だという。次に川辺右馬之介の名を告げると、やはり病気で不在の由。最後に神道無念一流の達人・彦九郎(丹波哲郎)に介錯を願いたいと詰め寄る。

 

勘解由がやや狼狽していると、半四郎は、懐から、矢崎隼人、川辺右馬之介ら三人の髷(まげ)を取り出すのだった! 武士が髷を切られるというのは、これ以上の生き恥はないと見られているのだ。

 半四郎

半四郎は、彦九郎にはてこずったといい、いきさつを語りつづけるのだった。このあたりのストーリー展開には、身を乗り出すしかないほど興奮させられる。

 勘解由

勘解由は、ことの顛末を知った以上は、何が何でも半四郎を始末しなければならない。家来の者たちに命じて、一同が半四郎に襲い掛かるが…。

  鎧兜


井伊家上屋敷の奥に飾られている、武士の鎧兜(よろいかぶと)の不気味さ。その鎧兜を盾に、井伊家の侍数十人との鬼気迫る殺陣は見ごたえがある。

結局、半四郎も力尽きて切腹するが、勘解由は、自刃した彦九郎や斬殺された者はいづれも病死という処置がとられ、井伊家の武勇は以前にもまして江戸中に響き老中よりも賞讃の言葉があるほどだった…という結末。

 

リメイク版「一命」も見たが、オリジナルに軍配。

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