実は、この映画は、テレビ用に製作され、スカパー!時代劇専門チャンネルで放送される藤沢周平・新ドラマシリーズの第一弾で、スカパー!では10月31日に放送された。第2弾は「遅いしあわせ」(主演:檀れい、11月23日)、第3弾「冬の日」(主演:中村梅雀、12月6日)それぞれスカパー!で放送される。
女性司会者が、監督に「桜庭さんにはどんな女優になってもらいたいですか」と質問すると「小百合ちゃん(吉永小百合)のように清楚な女優になって欲しい」と語っていた。「和服姿が、まるでお姫様のようだ、とは思わなかったが」と笑わせると桜庭は「思わないんですか」と返していた。映画を見るとわかるが、確かに吉永小百合の若い頃を彷彿とさせるような桜庭ななみだった。
日本映画を見て、充実した気分になったのは久しぶりのことだった。
テレビ用に作られたとはいえ、劇場で見ると見応えがあった。今年の日本映画では、今のところNo.1に押したい作品だ。
映画の冒頭で、「部屋住みとは」という解説がある。
一家の中で、長男は嫁を貰い、家督を継ぐが、次男以下で家督を相続できない者であり、それがまだ分家・独立せず親や兄の家に留まっている状態の者のことである。「果し合い」の主人公の老武士・佐之助は、老いるまでまさに部屋住みであった。ただ過去に、忘れえぬ女性たちがいたことが語られていく。
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脚本がまずすばらしい。
時代を超えた切ないラブストーリーと言ってしまうと平凡だが、魂を揺さぶるようなドラマも盛り込まれている。仲代達矢は、試写を見て涙したといい、83歳の現在「このような作品にめぐりあえたことは幸せだ」といった意味のことを語っていたようだ。
スカパー!時代劇専門チャンネルで、今晩7時から再放送中だが、もう遅いか。
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