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<span itemprop="headline">映画「果し合い」(2015):仲代達矢主演。</span>





藤沢周平原作、仲代達矢主演、「最後の忠臣蔵」の杉田成道監督による時代劇「果し合い」(2015)を、東京・東銀座の「東劇」で見た。松竹120周年企画の一環として今日7日から1週間の限定上映だった。

実は、この映画は、テレビ用に製作され、スカパー!時代劇専門チャンネルで放送される藤沢周平・新ドラマシリーズの第一弾で、スカパー!では10月31日に放送された。第2弾は「遅いしあわせ」(主演:檀れい、11月23日)、第3弾「冬の日」(主演:中村梅雀、12月6日)それぞれスカパー!で放送される。


オール指定席で、時代劇ファンで座席はシニア層を中心に完売するほどの盛況ぶり。舞台挨拶では、三菱地所のCMでなじみのある清純派若手女優の桜庭ななみ杉田成道監督が登壇した。

女性司会者が、監督に「桜庭さんにはどんな女優になってもらいたいですか」と質問すると「小百合ちゃん(吉永小百合)のように清楚な女優になって欲しい」と語っていた。「和服姿が、まるでお姫様のようだ、とは思わなかったが」と笑わせると桜庭は「思わないんですか」と返していた。映画を見るとわかるが、確かに吉永小百合の若い頃を彷彿とさせるような桜庭ななみだった。

日本映画を見て、充実した気分になったのは久しぶりのことだった。
テレビ用に作られたとはいえ、劇場で見ると見応えがあった。今年の日本映画では、今のところNo.1に押したい作品だ。

映画の冒頭で、「部屋住みとは」という解説がある。
一家の中で、長男は嫁を貰い、家督を継ぐが、次男以下で家督を相続できない者であり、それがまだ分家・独立せず親や兄の家に留まっている状態の者のことである。「果し合い」の主人公の老武士・佐之助は、老いるまでまさに部屋住みであった。ただ過去に、忘れえぬ女性たちがいたことが語られていく。



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厄介者の部屋住みとして生涯の大半を過ごしてきた老武士・佐之助(仲代達矢)は、ある日、甥の娘・美也(桜庭ななみ)が慕う相手に果し合いが申し込まれたことを知り、身を捨てる覚悟で刀を手にするのだが・・・。



脚本を「春との旅」の小林政広、音楽を「蜩ノ記」の加古隆が担当。
共演は「最後の忠臣蔵」の桜庭ななみ、「痕跡や」の柳下大、「脇役物語」の益岡徹、「愛を乞うひと」の原田美枝子仲代達矢原田美枝子黒澤明監督の「乱」以来30年ぶりの共演。

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脚本がまずすばらしい。
時代を超えた切ないラブストーリーと言ってしまうと平凡だが、魂を揺さぶるようなドラマも盛り込まれている。仲代達矢は、試写を見て涙したといい、83歳の現在「このような作品にめぐりあえたことは幸せだ」といった意味のことを語っていたようだ。
仲代達矢の円熟味は言うことなしだが、原田美枝子や若手の桜庭ななみが良かった。

仲代達矢文化勲章を先日受賞したこともあり、客足も伸びたようだ。
スカパー!時代劇専門チャンネルで、今晩7時から再放送中だが、もう遅いか。


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