2024年新語・流行語大賞のノミネート30が発表された。一覧は以下の通り(50音順)。
■「アサイーボウル」
果物のアサイーのスムージーを、シリアルなどとともにボウルに盛りつけるもの。ブラジル発祥でハワイで人気が拡大。日本では2000年代中期に流行し、現在再流行中。
■「アザラシ幼稚園」
オランダ・フローニンゲン州にある負傷・衰弱したアザラシを一時保護する施設で、プールで過ごすアザラシの赤ちゃんを常時確認できるライブ配信を2019年から実施。当初は小規模な配信だったが、今年の8月、X(旧ツイッター)ユーザーによる投稿で突如流行し話題になった。
■「インバウン丼」
訪日外国人観光客(インバウンド客)向けと思われる高級海鮮丼(数千円~1万円超)の俗称。ネットで「外国人向けのぼったくり」に近いニュアンスで広まった語だが、実際は日本人客の利用が多い、など実態との乖離もある。
■「裏金問題」
自民党の各派閥が毎年政治資金パーティーを開催し、20万円を超える対価の支払いを受けたにもかかわらず、その収入明細を各政治資金収支報告書に記載していなかった。議員側も寄付金を自身の政治団体の収支報告書に記載せず裏金にするなど、規正法違反が横行し、しかもいまだに解明されていない。
■「界隈」
従来は「その辺り」などの地理的な範囲をあらわしていたが、近年では「共通の人びと」を指すようになった。仲間、近い存在などの、そのあたりの人たちという意味合いで使われる。
■「カスハラ」
カスタマー・ハラスメントの略。消費者・顧客による理不尽なクレームや悪質な嫌がらせ、暴言などのこと。
■「コンビニ富士山」
2024年の訪日観光客数は3月から5カ月連続で300万人を超えたが、背景に富士山がそびえるコンビニ(ローソン)の写真を撮れると人気の撮影スポットになり観光客によるマナー違反や危険行為が多発し、町が目隠し用の幕や柵を設置せざるを得なくなるなど、議論をよんだ。
■「侍タイムスリッパー」
単館上映から全国上映へのヒットを果たした、低予算の自主制作の時代劇「侍タイムスリッパー」が話題に。
■「初老ジャパン」
パリオリンピック総合馬術団体で92年ぶりに銅メダル獲得。チーム4人の平均年齢は41.5歳で、スポーツの世界では「シニア」の部類。そこで自らでよび名をつけたのが話題に。
■「新紙幣」
2024年7月から20年ぶりの新紙幣への切り替えが行われた。目的としては、公式には偽造防止とユニバーサルデザインの採用となっている。キャッシュレス時代に、新札がどこまで受け入れられるのか。
■「新NISA」
2024年1月から個人投資の税制優遇制度NISAの仕組みが変わり、年間投資枠や非課税保有限度枠の拡大などが導入された。「貯蓄から投資」へと不安をあおられた多くの人が新NISAに踊らされた。
■「ソフト老害」
元放送作家の鈴木おさむが著書で自戒として発信した言葉。「年上と年下の間に立ち、年下の意見を汲み取ったつもりが、実はその行動が老害にみえている」状態をいう。
■「トクリュウ」
匿名・流動型犯罪グループの略称「トクリュウ」は、犯行グループによって匿名性の高いアプリやSNSなどを通じて犯罪の実行役が集められ、互いの素性も知らずに闇バイトとして集まり指示されたとおりに動く集団。2023年に警察庁が命名した組織犯罪の類型。
■「南海トラフ地震臨時情報」
2024年8月8日に日向灘でM7.1の地震が発生した際に気象庁により発表された巨大地震注意の臨時情報のこと。地震への備えの再確認をよびかけるもの。
■「猫ミーム」
ミームとは、ネットで流行する画像・動画などのこと。猫などの動画素材を組み合わせて体験談などを紹介する動画が流行。TikTokに投稿された「飛び跳ねる猫」の動画に「マイ・ハッピー・ソング」という曲を組み合わせた作品が流行のきっかけ。
■「はいよろこんで」
マルチクリエイターこっちのけんとが配信した楽曲。社会の生きづらさを歌う内容だが、サビの歌詞「ギリギリダンス」を用いたダンス動画が流行。
■「8番出口」
個人開発のゲーム。ゲームの舞台は、架空の地下鉄駅構内。プレーヤーは無限に周回する地下通路を歩き続け、そこから脱出するために「通路に現れる変化」に気づいて戻る必要がある。ユーチューバーやブイチューバーが実況動画を公開することで作品の流行に火がついた。
■「はて?」
NHK連続テレビ小説「虎に翼」(とらつば)が注目された。日本初の女性法曹のひとりである三淵嘉子をモデルに伊藤沙莉が演じた。主人公・寅子が納得できない場面で発するのが「はて?」。圧倒的な男性社会、権威主義がはびこる時代に疑問をまっすぐにぶつけていく。
■「BeReal」
フランスの写真共有SNSアプリが若者世代に普及。正式にはビリール。毎日ランダムな時刻に写真を「2分以内」に投稿するよう促され、インカメラの自撮りとアウトカメラの背景写真を同時撮影した無加工の写真が投稿される。
■「被団協」
2024年ノーベル平和賞を受賞した原爆被害者団体「日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)」のこと。受賞理由は「核兵器のない世界を実現するための努力と、核兵器が二度と使われてはならないことを証言により示した功績」。
■「50-50(フィフティ・フィフティ)」
ロサンゼルス・ドジャース大谷翔平が新記録達成。同じシーズンにホームラン40本、40盗塁を達成することを「40-40(フォーティ・フォーティ)」とよび、大きく称賛される対象だったのだが、それを超えて、ホームラン54本、59盗塁の「50-50」を達成した。
■「ふてほど」
TBS系「金曜ドラマ」枠で放送された「不適切にもほどがある!」が話題に。脚本・宮藤官九郎、主人公を阿部サダヲ、娘役を河合優実が演じた。1986年と2024年をタイムスリップしながら、コンプライアンス社会をストレートに批判するのではなく、時代や世代、個人間にギャップがあるのは当たり前で、どんな時代でも差異を否定しあうのではなく、差異の存在を前提に話し合いを重ね共通解を探るというテーマだった。
■「Bling-Bang-Bang-Born」
ヒップホップユニットCreepy Nutsの楽曲でアニメ『マッシュル』の主題曲。サビのフレーズがダンス動画で話題になり、「BBBBダンス」として子どもたちからも人気に。
■「ブレイキン」
パリオリンピックで採用された新競技。ブレイクダンスのこと。男女各16人が出場、予選ステージを勝ち抜いた8人が決勝トーナメントに進出し、メダルを争う。
■「ホワイト案件」
SNSを通じて募集される仕事やバイト情報において「ブラック」な仕事ではないとアピールする際に使われ始めた言葉。「闇バイト」だと思わずに応募して犯行に加担することになる者が後を絶たない。ホワイトという名のもとに行われる隠された犯罪が増えている。
■「マイナ保険証一本化」
12月2日から紙の健康保険証の新規発行が停止される。マイナ保険証への一本化を強制的に実施されるが、資格確認書も発行されるので厳密には一本化ではない。
■「名言が残せなかった」
パリオリンピック陸上競技女子やり投げで金メダルに輝いた北口榛花(はるか)が残した発言。
■「もうええでしょう」
Netflixで7月から動画配信されたドラマ「地面師たち」で地面師・後藤を演じたピエール瀧のせりふが話題になった。
■「やばい、かっこよすぎる俺」
パリパラリンピック車いすテニスで金メダルに輝いた小田凱人(ときと)が発した言葉。
■「令和の米騒動」
2024年夏、全国でにわかにコメの品薄が広がり、スーパーからコメが消え「令和の米騒動」とよばれた。
・・・
大谷翔平関連で「デコピン」などが入っていないのが残念。
「新語・流行語大賞」は12月2日に年間大賞やトップテンが発表される予定。
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