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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「ドント・ムーブ」(原題:Don't Move、2024)サム・ライミ製作の恐怖スリラー。

「ドント・ムーブ」(原題:Don't Move、2024)は「死霊のはらわた」「スパイダーマン」シリーズのサム・ライミ製作。92分と短くサクッとみられる。

Netflix初登場1位を記録した恐怖サイコスリラー。登場人物が少なく、大掛かりな仕掛けもなく、低予算映画のようだが、引き込まれる。

幼い息子を失って自暴自棄になった母親が崖から飛び降りようとしたときに、変態男が現れ、死に追いやられる恐怖の中で生きる意志を取り戻すといった物語。

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事故でマテオという小さな息子を亡くしたアイリス(ケルシー・チャウ)は、生きる気力も失い悲嘆に暮れていた。

ある朝、アイリスは車で州立公園に向かった。そこは、息子が少し目を離した隙に、崖から落ちて死んだ場所であり、マテオの写真が額に入り置かれていた。マテオの写真を手でなぞり、アイリスは崖のふちに立った。

息子のところへ行くつもりだったのだ。
すると後ろから見知らぬ男が声をかけてきた。「今日はいい日だ」と。
男はリチャード(フィン・ウィットロック)と名乗り、自殺をやめるようにといい、自分も恋人のクロエを亡くしたので、気持ちは分かるというのだ。

その言葉に心を動かされ、アイリスは飛び降りるのをやめ、リチャードの歩くあとについていく。

車についたところで、男は豹変する。男はアイリスに筋弛緩(しかん)剤の注射を打った。一定の時間が過ぎると手も足も動かなくなるという。

隙を見てアイリスは森の中に逃げ込む。弛緩剤の効き目が表れてきて、森の中の大木の下に身をひそめるが、リチャードに発見されてしまう。

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前半のスリリングな展開、怖さはハラハラさせられる。
動けなくなったアイリスは瞬きだけはできるが、言葉を話すことができず、手も足も動かせない状態で、ひげもじゃの老人に発見される。その老人は自分の山小屋にアイリスを連れて行く。

しばらくすると、ドアを叩く音がする。アイリスは目を左右に動かして老人に合図する。それは「No」の知らせだった。アイリスが恐怖から逃れていることを察知した老人はドアを叩いた男に対して、外で話を聞くと慎重に用心深く接するが、男は強引に家の中に入ってきた。

その男リチャードは、名前をきかれ「アンドリュー」と応え、精神的に病んでいる妻を探しているなどと演技をして、老人にどこにいるかを問い詰めてくる。

リチャードは、本性を現し、老人と激しく格闘するが、ナイフで老人を殺してしまう。灯油がまかれ、家は焼かれる。ソファーの下に横たわっていたアイリスは見つかってしまい、老人のトラックにアイリスは載せられる。

途中ガソリンが無くなり、給油所に止まる。セルフの機械が壊れていて、支払いは中のレジ払いでということでしばらくリチャードが戻ってこない空白の時間があった。

近くに人がいるのだが、声が出ず、助けを呼べないアイリス。

全身が麻痺してしまったアイリスの絶望感が凄まじい。伝えたくても伝えられないもどかしさ。

リチャードという男は、妻も子供もいて、気分転換に山小屋に旅行に来ていることが、その家族との電話で明らかになる。普通の人間に見えるが、殺人鬼の顔を持つところが恐ろしい。

給油所で、アイリスの車の中の表情を見た人が警察に通報して、警官がリチャードが車の修理をしているところにやってきて会話を交わすが、このあたりもハラハラとさせられ、警官も残虐な方法で殺されてしまう。2人目の殺人だ。

完全に狂ってしまったリチャードだが、プランを変更するといってボートで川を移動することにする。

アイリスは手と足を縛られたままボートに。ボートの乗ってからのアイリスとリチャードの格闘、結末への展開はスリリングで、まさかまさかの結果が待っていた。

「絶望の中にも希望はある」「ありがとう」という言葉が、キーワードとして使われる、皮肉たっぷりのラストの逆転劇だった。

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動けないので文字通り「アリ」地獄。

 

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