「ラストツアー」(原題:The Last Laugh、2019)」を見た。Netflixオリジナル映画で、久しぶりにリチャード・ドレイファスが主演。W主演のチェビー・チェイス(「ラスト・アクション・ヒーロー」)主演のロードムービー&コメディ映画。
原題の「Laugh」は「笑い」ということで、元コメディアンのバディ・グリーン(リチャード・ドレイファス)と、その元マネージャーのアル・ハート(チェビー・チェイス)が老人ホームで50年ぶりに再会して、もういちどアメリカ各地を回って舞台に復帰しようと奮闘するストーリー。
”人生100年時代”といわれる昨今、80歳になり、すっかり年老いてしまった2人がもう一度若い頃のように夢を追いかけるありがちなストーリーで、マネージャーのアルは、生涯現役で行こうと、元コメディアンのバディをけしかけて車で”スタンダップコメディ”興行の旅にでる。アルには、途中で彼女ができて、旅はいつしか3人になる。
2人旅が3人旅に。
リチャード・ドレイファスは「アメリカン・グラフィティ」「ジョーズ」「未知との遭遇」「スタンド・バイ・ミー」など1970年代から1980年代にかけての名作に数多く出演。今回は十数年ぶりの久々の主演。
チェビー・チェイスは知らなかったが、NBCで放映中の公開コメディバラエティ番組「サタデー・ナイト・ライブ」に1年間だけ出演したという。映画では1992年の「靴をなくした天使」や1993年の「ラスト・アクション・ヒーロー」などにも出演。
劇中では「エド・サリヴァン・ショー」という言葉が出てくるが、これは1948から1971年にかけてCBSで放送されたバラエティ番組。ゲストとのトークと彼らによる芸の披露を中心とした絶大な人気を誇った番組。出演したゲストは、コメディアン、バレエダンサー、曲芸師、クラシック演奏家、オペラ、ポピュラー音楽のシンガー、後にはロックミュージシャンなど、ジャンルや人種を超えて多肢に亘った番組として知られる。ビートルズ、エルヴィス・プレスリー、ローリング・ストーンズ、ボブ・ディランなどがゲスト出演していた。
現在、ニューヨークにはエド・サリバンの功績をたたえて「エド・サリバン・シアター」があり、バディが「エド・サリバン・シアター」でショーを披露する。
同じ80歳の老人2人だが性格が全く違うところも面白い。
アルは、孫娘から「素晴らしい楽園の生活が待っている」という「老人ホーム」のビデオを見せられる。アルはビデオを見たあと、DVDをへし折ってしまう。「何が老人ホームだ。オレは生涯現役で働くんだ!」。
孫娘がやってきて、DVDを見てくれたかと聞くので見たとは言うが、実際にホームを見てから決めて欲しいと無理やり、ホームを見学に行かされる。そこで、出会ったのが50年前にコンビを組んでいたバディだったのだ。
バディは、老人ホームの生活を楽しんでした。もう働く気はサラサラなかった。そこで、アルは「お前には才能がある」と説得し、アメリカを旅しようというのだった。孫娘を演じるケイト・マイカッチという女優が、エマ・ストーンをひとまわり小さくしたようで、雰囲気がそっくり。
傑作は途中の宿泊ホテル。
アルは旅の途中でっ知り合ったドリス(アンディ・マクダウェル)と意気投合していた。
ホテルの部屋は2部屋。バディは通路を挟んで左の部屋に。ドリスは右の部屋に。
どちらの部屋に入るか行きそびれ取り残されたアル。バディが部屋から出てきて、何をぐずぐずしている。そちら(ドリス)の部屋に行かないなら、オレが行くぞ…。アルは、嫌われたらどうしよう…果たしてアルは・・・笑。
アルとバディが出ていくというので見送る老人ホームの人たち(中指を突き立てて。笑)
主な出演者:
バディ・グリーン:リチャード・ドレイファス
アル・ハート:チェビー・チェイス
ドリス :アンディ・マクダウェル
マックス:ルイス・ブラック
チャーリー(バディの息子):クリス・パーネル
「ラスト・ベガス」は70歳前後の昔の仲間たちのシニアのラスベガスの旅だったが、「ラストツアー」は80歳の”バディ”旅。80歳でも引きこもってじっとしてはいられない…という元気を与える映画ではある。