映画「視線」(原題:Watcher、2022、日本では劇場未公開)を見る。夫の仕事の関係で夫の母の出身地ルーマニアに引っ越した女性が、自分はストーカーに狙われているのではと不安と疑念に悩ませられる猟奇サスペンス。衝撃のラストが待っていた。
出演は「とらわれて夏」「ザ・ゲスト」のマイカ・モンロー、「ノクターナル・アニマルズ」などのカール・グルスマンほか。
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母親がルーマニア人の夫フランシス(カール・グルスマン)の転勤が決まり、夫とともにルーマニアのブカレストへ移住してきたアメリカ人女性ジュリア(マイカ・モンロー)。
不安に悩まされる妻ジュリアを心配する夫フランシス。
フランシスは仕事が忙しそうで、ジュリアはルーマニア語の言葉の壁に当たり、ストレスはたまるばかり。
そんな中、近所では物騒な殺人事件が起きるなど不安にもなる。ある日、向かいの建物からジュリアたちの部屋をのぞき見する男を発見。気になって仕方がないジュリア。
ジュリアは1人で街へ出た際に、何者かに後をつけられる。スーパーで買い物をしても、その男の影がちらほら。
やがて警察にも相談し、ストーカー男と向いの建物の男が同一人物なのかが確かめられることになったのだが…。
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ルーマニアで、ルーマニア語で話がされているときは字幕が出ない。視聴者も主人公ジュリアと同じ立場ということになる。
向かいの建物からある男の視線を常に感じていた人妻ジュリアが、警察と夫が向かいの男の部屋に行き、男の正体を確認に行くのだが…。
この男は、後日、警官とともにジュリアのもとに訪ねてくる。
その男によると、自分が不在中の家にいた年老いた父親に対してドアを強くたたき、ドア越しに「向かいの女性を見ていただろう。止めるように」と叫んでいたというので、警察とともにやってきたというのだ。
自分は老後の父の面倒を見ており、気晴らしに窓から眺めていただけだといい、悪気はないと言いに来たのだという。そして、互いに握手を交わして忘れることにしようと決着したかに見えたのだが…。
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ジュリアが観客が数人とまばらな映画館でオードリー・ヘプバーン主演の「シャレード」を見ていると、座席のすぐ後ろに男が席を移動してきたり、地下鉄の車両にその男がいた。
何なんだ、こいつはと思うが、列車が急停車し、しばらく止まっていると、男は動物が線路に飛び出してストップしたと、事情を説明したりする。
そして、ジュリアは自分の思い過ごしたったと思い始めるのだが、ジュリアの住むアパートの隣人で知り合いになった女性の部屋を訪ねると、部屋は空いており、トンでもない光景を目の当たりにする。
そして、魔の手がジュリアに迫ってきた。このラストはこれまでに見たことがないような、まさかの恐ろしい光景で仰天させられる。
ルーマニアが舞台という映画はめずらしい。東ヨーロッパ、バルカン半島東部に位置する国で、首都はブカレスト。アパートの向かいの部屋を覗き見というのは「裏窓」にも通じる。言葉が通じない異国の地でのトラブルというのでは「フランティック」も。
ルーマニアの風俗店(ストリップショー)もあり、同じアパートの知人女性もそこで働いていた。その知人女性の最後がすさまじかった。ホラー、スプラッターが苦手の人は見ないほうが良いかも。
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