「マディのおしごと ~恋の手ほどき始めます~」(原題:No Hard Feelings, 2023、日本では劇場未公開)は、アカデミー賞女優ジェニファー・ローレンスが主役というので見た(Netflix)。
原題は「別に気にしてないから、とか、悪気はないからね」の意味。邦題が薄っぺらで、いかにもつまらなくしている。
ジェニファー・ローレンスがニューヨークでUberのドライバーとして働く女性マディを演じる。破産の危機に直面したマディが、恋愛に興味を示さない内向的な息子パーシーのことを心配する両親に雇われ、パーシーをデートに誘うというミッションに挑む。
内容は過干渉の両親が19歳の息子がもうすぐ大学生になるが家にこもりがちで殻を破ってほしいとデートに誘ってくれる20代の女性を募集するという話。
この募集に飛びついたのが、Uberの運転手で家賃の滞納で家を追い出される危機にある32歳の女性マディ(ジェニファー・ローレンス)。配達員に欠かせない車も滞納で没収される寸前。
募集の文言の中に、お礼として自動車のビュイック・リーガルも提供するというのがマディには好都合でなんとかこの仕事をゲットしたいとローラースケートで、豪華な家に住む依頼主のもとへ駆けつけるのだが…。
・・・
ジェニファー・ローレンスともあろう人気女優が脚本が面白いと出演した映画だが、たしかに体当たりシーンなど張り切っているが、内容はイマイチ。
1980年代に英語圏で普及し出した用語らしい「ヘリコプターペアレント」と呼ばれる過保護な親たちを揶揄した言葉があるようだ。この言葉は、ヘリが真上で止まったまま旋回して下を監視し続けることからきている。
親たちが子どもが大学に行くような年齢になっても干渉をやめず、大学などにまで口出しをするようになるという日本で言う「モンスターペアレント」に匹敵する。
本作では「自分のもうすぐ大学生になる息子とデートをしてほしい」と求人をだし、それに飛びついたひとりの女性を主人公にしている。
マーディがローラースケートで依頼主の家を訪ねると、両親が迎えてくれ、面接。セックスワーカーに思われているようなので「私は違います」とセックスワーカーに配慮しつつ丁寧に答えるマディ。年齢をしつこく聞かれて一瞬誤魔化そうとするが結局は32歳だと打ち明け、なんとか説得。
「友達も全然いないし、飲んだりもしない」というその息子パーシー(アンドリュー・バース・フェルドマン)がこのまま大学に行くことに気を揉んでいる様子のこの親たち。
交際経験のない息子とデートして、初恋人、さらには初の性的経験を与えてほしいというものだった。もちろん息子には内緒にしてのことだが、両親の計画が息子のバレてしまい…というかなり干渉も度を越えている。
ジェニファー・ローレンスは、最近では「ドント・ルック・アップ」といったコメディにも出演しているが、このところ自身がセックス・シンボル的に扱われがちだったことから、イメージを壊したかったのではと思えるほど、暴れまわっている。夜のビーチでは全裸(ボカシが入る)で暴れるほど勇ましい。
そして、うぶで内向きの若者を演じるのは「ハイスクール・ミュージカル:ザ・ミュージカル」にもゲスト出演していたアンドリュー・バース・フェルドマン。
プロム(大学最後のパーティ)にマディがバーシーを探しに行くと、生徒たちは、好奇の目でマディを見る。「誰かの叔母さん?」とあちこちで言われむかつくマディだが。
バーシーもマディに徐々に好意を抱くようになり、盛装してディナーに行き、ピアノがあったので、マディは、バーシーに何か曲を弾いてと頼む。
躊躇していたバーシーがピアノを弾き始めると客たちの関心を集めて、最後に拍手が巻き起こる。バーシーには隠れた才能があったのだった。
最後は、バーシーが独り立ちして家を出るところで終わるが、マディがプレゼントを用意していた。そのプレゼントは、バーシーがアルバイトをしていたペットショップにいたお気に入りのワンコだった。
劇場で観るほどの映画ではなく、ビデオスルーになった「名女優」ジェニファー・ローレンスが主演、製作した映画だったが不発だったようだ。
ジェニファー・ローレンスのボリューム感のある肢体とタフさは、21世紀のソフィア・ローレンのよう(笑)。
■「にほんブログ村」にポチッと!お願い申し上げます。