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<span itemprop="headline">映画「金融腐蝕列島[呪縛]」(1999)再見。</span>



ビジネス・パニック映画として公開された映画「金融腐蝕列島呪縛]」(1999)を再見した。高杉良経済小説が原作で、監督は原田眞人。この監督の作品は、ドキュメンター的な色彩が強いようだ。

日本の銀行証券会社など金融業界の内情、とくにバブル景気崩壊後の1990年代後半から2000年代にかけての総会屋事件などを描いている。

公開時に劇場鑑賞しているが、Gyaoで配信していたので再見。
仲代達矢が、銀行相談役としてワンマンぶりを見せるほか、仲代主宰の無名塾出身俳優である役所広司若村麻由美などが主役で出演。


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1997年、東京・日比谷。丸野証券の利益供与事件による総会屋・小田島の逮捕により、300億円という不正融資疑惑が持ち上がった朝日中央銀行(ACB)本店に東京地検特捜部の強制捜索が入った。


ところが、ACBの上層部は責任を回避しようとするばかり。そんな上層部の姿勢に腹を立てた”ミドル4人組”と呼ばれる企画本部副部長の北野(役所広司)、同部MOF担の片山(椎名桔平)、同部副部長の石井(矢島健一)、広報部副部長の松原(中村育二)らが立ち上がる。

彼らはボード(役員)を総辞任させ、”ブルームバーグ・テレビジョン”のアンカーウーマン・和田(若村麻由美)の力を借りて新頭取に中山常務(根津甚八)を推すと、真相調査委員会を結成。

ACBを闇社会や古い慣習などの”呪縛”から解き放ち、再生させようと東奔西走する。しかしそんな事態に至ってもなお、佐々木相談役(仲代達矢)だけは最高顧問としてACBに居座ろうとしていた。

佐々木の娘婿でもある北野は、身内と対決しなければないないことに苦悩しながらも、小田島と佐々木の癒着が記された自殺した久山幹部の遺書を武器に彼を辞職、逮捕へと追い込む。

それから数日後、 ACBの株主総会が行われた。中山新頭取を中心に、北野たちは闇社会との繋がりや行内の膿を放出することを株主に確約してこれを乗り切ることに成功。こうして、ACBは再生への一歩を歩き始めるのであった(Movie Walker)。

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出演:役所広司(北野浩)、仲代達矢(佐々木英明)、椎名桔平(片山昭雄)、風吹ジュン(北野今日子)、若村麻由美(和田美豊)、佐藤慶(久山隆)、根津甚八(中山公平)、矢島健一(石井卓也)、中村育二松原秀樹)、石橋蓮司(中澤専務)、遠藤憲一(大野木検事)、もたいまさこ(一条弁護士)、本田博太郎(陣内新副頭取)、黒木瞳(佐藤弘子)、丹波哲郎(川上多治郎)、多岐川裕美(青木伸枝)、田口トモロヲほか。

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企業(銀行)の特殊株主(=総会屋)への利益供与(名目は融資)などの不正を正すべく、行内の北野などの若手4人が立ち上がるのだが・・・。銀行の悪しき呪縛(じゅばく)を解くことが出来るのか・・・。

バブルのはじけた後とは言え時代を感じさせる言葉が登場する。
こんな腐った銀行はやめてしまいたいと、若手行員たちの飲み会での会話だが、
「植木屋をやりたい」「実家に帰って坊主を次ぐ」といったもののなかに、「ノーパンしゃぶしゃぶ」の店でもやるというのもいた(笑)。

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銀行の会長、頭取が総入れ替えとなり、副頭取の陣内が佐々木相談役(仲代達矢)の調査委員会のヒアリングに同席。佐々木にしてみれば、新任の副頭取など「お前は誰だっけ」といった小僧扱いだが、皆のいる前で「この陣内という男はね、フランスのトイレで、間違って女性用に入ったんだ。そこにブリジット・バルドーがいて、なんて言ったと思う。メルシー(ありがとう)って言ったんだ。これがバルドーに大受けでね」などと話の本題からそれた事を言うのだ。弁護士のもたいまさこが、「時間は有効に使わないと」とたしなめていた。

この映画の当時は遠藤憲一は知らなかったが、東京地検特捜部の責任者で、銀行の強制捜査を指揮していた。外資マスコミのブルーンバーグのアンカー・ウーマンの若村真由美と組んでいたが、遠藤が「振り上げた拳は、どこかに下ろさないとケリがつかない」というと、若村は「どこかって、どこですか」。「お前の一番の敵役はどこだ」。この若村アンカーは、いつも冷蔵庫からペットボトルを取り出して飲んでいるが、途中まで飲んで、そのまま、次のボトルを開けてしまうクセがある。

映画の題材になったのは、実際の銀行の不祥事のモデルがあり、その後、銀行の大型合併などが相次いだ。総会屋というのは、銀行が正常化に向かうための儀式として存在し、司祭の役だったというのが、最後に語られていた。

以前の記事:椎名桔平と「金融腐蝕列島 呪縛」

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