「ブラックリスト」（原題：The Blacklist、シーズン１，全22話、2013年9月～2014年5月）を10月中旬から約10日間かけて見る（一気見というよりも1日平均2話見た計算）。本格的な犯罪サスペンスドラマで見ごたえがあった。
ドラマのキャッチコピーは「“悪が悪を裁く”2014年 最も“黒い”犯罪心理サスペンス・アクション」。
主演は「プリティ・イン・ピンク/恋人たちの街角」「セックスと嘘とビデオテープ」「クラッシュ」などのジェームズ・スペイダー。共演は「セックス・アンド・ザ・シティ2」「サバイバル・ソルジャー」のメーガン・ブーン。
全22話あるが、毎回“ブラックリスト”に載っている世界中の犯罪者をエリザベス・キーンらFBIの捜査官たちが追跡するという1話完結の形を取っている。
同時に、回を追って国際指名手配犯罪者レディントンがFBIに進んで協力している真の意図が次第に明らかにされていくという連続ドラマの性格も併せ持っている。
視聴者は「今度はどのような犯罪者がどのように捕えられるのか」と毎回、新鮮な期待を抱けると共にレディントンの計画が少しずつ形を成していくのを焦らされながらもワクワクして見守るという醍醐味が味わえる。
国際指名手配犯罪者レディントンを演じるジェームズ・スペイダーが実に味わいがある。優しく慈悲深い言葉を口にしたかと思えば、次の瞬間には冷酷きわまりない発言や行動が平気で出てくる。
レディントンは善玉なのか悪玉なのか、なかなかつかみきれないが魅力的なキャラである。例えていえば「マカロニ・ウエスタン」のリー・ヴァン・クリーフのようで、ダーク・ヒーロー、アンチ・ヒーローと言える。
知的で落ち着きがある”情報屋”でありあらゆる情報をお金を払って手駒を使ってリアルタイムに掌握しているのに驚く。
対するエリザベス（リズ）・キーンは、若き新米捜査官であるにもかかわらず、最重要指名手配犯だったレディントンを尋問するという大役をいきなり任せられる。「私が新人だから簡単に操れると思っているのでしょうが、彼は私をよく知らないですからね」と言い切る強さを見せる。
このリズ役のメーガン・ブーンという女優がタフで「羊たちの沈黙」のジョディ―・フォスターを彷彿とさせる。
＜あらすじ＞
国際的な凶悪犯罪に関わり指名手配されていたレッド（ジェームズ・スペイダー）が、突如FBIに出頭してきた。自分が関わった凶悪犯罪事件の犯人の「ブラックリスト」の情報に基づき、免責と引き換えに事件解決に協力すると申し出る。
自分との連絡担当にはその日配属されたばかりの新米捜査官、リズ（メーガン・ブーン）を指名する。レッドの情報提供に基づく事件解決のため、FBIの特別チームが結成される。
リズの出生の秘密にレッドが関わり、またリズの夫のトム（ライアン・エッゴールド）が身元を偽っていることが明らかになる。
レッドが出頭した理由とは、が徐々に明らかになっていく。
・・・
＜主な登場人物＞
■レイモンド・レディントン（通称レッド）：ジェームズ・スペイダー
将来を嘱望される優秀なアメリカ軍士官候補だったが、家族を残したまま失踪。間もなく国際犯罪の舞台で国家機密情報の売買を開始、犯罪者達の仲介を務めるブローカーとして暗躍。“犯罪コンシェルジュ”として20年の間、FBIの最重要指名手配犯の一人であったが、突然、FBIに出頭し、新米捜査官エリザベス・キーンとだけ話すという条件で、凶悪犯やテロリストの捜査に協力すると持ちかける。優れた才能の持ち主で、過去は謎に包まれている。
■エリザベス・キーン（通称リズ）：メーガン・ブーン
苦しい局面に遭遇しても冷静かつ勇敢に使命を果たす、強い意志と天性の勘を持ち合わせる優秀な捜査官。レディントンが自分を指名した本当の目的を探りつつ、“ブラックリスト”の犯罪者達の逮捕に尽力。その後、凶悪犯ベルリンに雇われ自分の監視役をしていた夫トムの正体を知り、衝撃を受ける。
■ドナルド・レスラー：ディエゴ・クラテンホフ
レディントンが関与していた事件を担当したFBIの捜査官。熱血かつ身体能力にも優れ、エリザベスを支える頼れる先輩でもある。捜査中に一緒にいた恋人オードリーが凶悪犯の攻撃を受け死亡。その後も、同僚マリクの殉職やクーパーの負傷などが続き、精神的にもかなりこたえている。エリザベスと少しずつ信頼関係を深めているが、オードリーを失った悲しみからまだ立ち直れてはいない。
■ハロルド・クーパー：ハリー・J・レニックス
テロリズム対策本部の本部長。凶悪犯であるレディントンの指示に従って行動することに抵抗を感じているがFBIですら把握できていない世界中の犯罪者の逮捕に協力するというレディントンの申し出は拒否することができず、不本意ながらレディントンの意思で捜査を進めることに。捜査チームの命を狙うベルリンの部下に襲撃されるが、一命は取り留めている。
■トム・キーン：ライアン・エッゴールド
リズの夫で教師。実はリズを見守らせるためにレッドに雇われ正体を隠して近づいた潜入員だったが、リズと親密な間柄になったためクビにされ、その後ベルリンに雇われレッドと敵対する。シーズン1終盤にリズに撃たれて以降、消息不明であったが…。
■アラム・モジタバイ：アミール・アリソン
クーパーの捜査チームのITスペシャリスト。米国防総省の諜報機関である、国家安全保障局で14年間務め上げた経験をクーパーに認められ、チームに選ばれた。その能力はレディントンも注目するほどで、チームメンバーからの信頼度も高い。エリザベスを心強くサポートする。
■ミーラ・マリク：パーミンダ・ナーグラ
家族と過ごすため職を離れるがクーパーによって呼び寄せられ復職したブラックリスト担当チーム捜査官。シーズン1の終盤、敵の罠にはまり現場で殺害される。
■デンベ：ヒシャム・ターフィク
常にレッドを守る側近で忠実なボディガード。幼いころに家族をモンバサ・カルテルによって殺害され、14歳の時にレッドと出会い、教育を受け、後に英文学の学位を取得する。4つの言語を流ちょうに操り、6つの言葉を理解できる。
■ミスター・キャプラン（キャスリン・ネメック（通称ケイト））：スーザン・ブロマート
レッドの右腕。主にレッドの殺害現場の掃除を行う。医学に精通しており、薬品の取り扱いをそつなくこなす。
・・・
（感想）シーズン（S)1～10まであり、シリーズ１は2013年9月23日から2023年7月13日までNBCで放送された。S1をマラソンのように完走したので、好物のステーキでも食べたような満腹、満足感がある。
ただ、あと9回マラソンに参加するかとなると、考えてしまう。ほかのドラマ、映画を見ながら一日1話と決めれば可能かもしれない。
Netflixの見たいドラマ、映画がもうなくなったといった時に、このシリーズのシーズン2以下、シーズン10まで計400話以上！を見ることになりそう。
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