「金融腐蝕列島 再生」(2002)を見た。
銀行が統合・合併など銀行がサバイバルを余儀なくされている現代の世相を背景に、不良債権の隠蔽や「闇社会」との癒着など、銀行の腐敗を裁ち切り、経営健全化のために命を賭けて立ち上がった銀行員たちの姿を描く。
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一方、頭取(細川俊之)は、地方銀行とグループを形成し、地銀連合で、リテール(小口)の充実で自力での再生を目指す。専務(小野武彦)が全面的に頭取を支える。専務の推薦で、竹中(村上弘明)が頭取室に呼ばれ、会長の不正を見つけ、内部改革の切り札を見つける「頭取特命専従班」を作ることになった。
こうして、竹中は40代半ばで、銀行内の改革を目指すプロジェクト推進部の責任者・竹中は、銀行再生の”捨て石”になる覚悟で、過去の役員たちの行内の私物化、暴力団との関係、政治献金の不正などの膿(うみ)を出し尽くそうと奔走する。
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前作の「金融腐食列島(呪縛)」は、不正融資疑惑が持ち上がった大手銀行を舞台に、危機感のない上層部と改革・再生を目指すグループの対決を描いて見応えがあったが、「再生」も、取締役会の「会長」「頭取」それぞれの思惑による”解任動議”の番狂わせ・逆転劇などハラハラさせられた。
役員の数は39人。うち5人は海外出張中。1人は、名古屋で列車事故で遅れ、会議に間に合わない事態に。しかし、遅れた1人は、遠隔ビデオ会議で参加できることに。34票の票読みは・・・。二転三転する経緯も面白い。「白い巨塔」の教授選の票読みなどを彷彿とさせる。
銀行の本来の姿である「顧客とのパートナー」関係という姿を目指す中堅銀行マンの心意気を描き、戦う姿が見所だった。
渡辺文雄は、晩年、料理番組などでもおなじみだったが、このドラマが遺作となった。細川俊之は、2011年1月12日、自宅で転倒し意識不明の状態で病院に搬送されたが、同月14日、急性硬膜下血腫により死去。70歳だった。
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監督:佐藤純彌
プロデューサー: 中川好久、鈴木孝之
音楽 : 川崎真弘
出演:
村上弘明・・・竹中(プロジェクト推進部リーダー)
益岡徹・・・杉本(企画部長、佐藤常務の部下)
伊武雅刀・・・佐藤常務(鈴木会長の腹心)
渡辺文雄・・・鈴木会長(大手銀行との合併を目指す)
小野武彦・・・専務(頭取の側近)
中川安奈ほか。
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