

「最後の乗客」(2023)という低予算自主製作のヒューマンミステリー映画が世界の映画賞を席巻したという。タイトルがヒッチコックぽくていい。
2020年にクラウドファンディングにより企画が始まった自主制作映画が仙台1館から始まり、その後世界各国の映画祭に出品され高い評価と予想外の大きな感動を呼び起こしたという。
クラウドファンティングを実施し、本作の制作・監督・脚本・編集を務めたのはNY在住でMVなどで数々のアワード受賞の経歴をもつ堀江貴(文があるとホリエモンだが別人)。
「侍タイムスリッパ―」が低予算ながらヒットしているが、同じような奇跡を感じさせる。
タクシー運転手を演じる冨家(ふけ)ノリマサは「侍タイムスリッパ―」でも侍・風見恭一郎役で出演していて注目されているベテラン俳優。
撮影は「寝ても覚めても」(濱口竜介監督)「あのこは貴族」(岨手由紀子監督)「さかなのこ」(沖田修一監督)「Cloud クラウド」(黒沢清監督)などの撮影を手掛け、今一番撮ってほしいカメラマンとの呼び声も高い佐々木靖之。

・・・
【ストーリー】
東日本大震災から、10年――
とある東北の小さな街、駅のロータリー。タクシーが数台、客待ちで駐車している。
タクシードライバーの遠藤(冨家ノリマサ)と竹ちゃん(谷田真吾)は、駅から出てくる帰宅客を眺め、最近タクシードライバーの間で噂になっている話をしていた。

それは、タクシードライバーの間で “深夜、人気(ひとけ)のない歩道に立ちずさむ女“がいるという噂話だった。
「夜遅く浜街道流してっと、若い大学生くらいの子がポツンと立ってるんだって…」
竹ちゃんの話を一笑に付す、遠藤。
竹ちゃんと別れた遠藤はひとりタクシーのハンドルを握り、閑散とした夜の住宅街を流していた。ふとライトが、人気のない深夜の道路に立ちタクシーを止めようと手をあげる若い女性(岩田華怜)を照らし出す。
顔を隠すように乗り込んできた女性が告げた行き先は「浜町」。
走り出すや、路上に小さな女の子と母親の二人が飛び出してきた。どうしても乗せて欲しいと言って聞かないその母娘を同乗させると、行き先はやはり「浜町」。
奇妙な客と秘密を乗せたタクシーは。目的地へと走りだすのだが…。
■制作・監督・脚本・編集:堀江貴
<出演>
■岩田華怜: 遠藤みずき

■冨家ノリマサ:遠藤…タクシードライバー。

■谷田真吾:竹ちゃん…遠藤のタクシードライバー仲間。

■長尾純子:こころの母

■畠山心:こころ

■大日琳太郎:じいじ
■撮影:佐々木靖之
■2023年/日本/カラー/16:9/DCPステレオ/55分/G
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