歌手で俳優の福山雅治主演のTBS日曜劇場「集団左遷」(後9・00)を見た。第1話の21日放送は、拡大版85分スペシャルでスタート。初回の平均視聴率は13・8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だったことが22日、分かった。2ケタ視聴率で好発進と捉えられる。
原作は江波戸哲夫氏の「新装版 銀行支店長」と「集団左遷」。
「銀行」という巨大組織を相手にリストラ候補の仲間たちと力を合わせて組織の理不尽さに立ち向かっていく姿をコミカルかつユーモラスに描いている。
福山雅治は日曜劇場初主演で同局のドラマには21年ぶりの出演。
50歳を目前にして廃店が決まっている蒲田支店に異動させられた支店長・片岡洋を演じる。
リストラ寸前の銀行員らとともに大逆転に賭ける。
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50歳を前に突然の出世に喜ぶ片岡だったが、実はその人事には裏があった。
徹底した合理化を目指す常務取締役の横山輝生(三上博史)から「半年以内にノルマを達成しなければ蒲田支店は廃店」と告げられる…という展開だった。
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銀行がリーマンショックで統合したものの、業績を伸ばすことができず、銀行の首脳陣が決めたことは、横山常務による提案の「12支店の廃店」だった。
統合した銀行「三友銀行」は、旧三友系と大昭和系の二行だったが、今回の廃店のなかには、旧大昭和系の本店であった蒲田支店が含まれていた。現頭取(市村正親)は旧大昭和系で、会長は三友系。統合後も派閥のバランス、確執があるのか。
それにしても、12の支店の廃店ありきの上層部の決定の中で、現場はどのように生き残りをかけて戦うのかが見所のようだ。常務の「頑張るな。何もしなくていい」というのも考えてみれば奇妙。余計なことはするな、楯突くな、ということ。
支店の中にスパイのような人物を置き、不穏な動きが常務の耳に入る仕組みになっている。蒲田支店の融資先の存亡をめぐる行員の頑張り、計画倒産の客からの回収などが描かれていた。本部から支店の融資先などに問題がないかをチェックする臨店で、責任者を演じる小手伸也も、曲者ぶりを発揮。小手伸也は、「コンフィデンスマンJP」や「SUITS/スーツ」などのドラマで、独特の雰囲気で目立ってきた俳優。今回も、「~でした・か」「がんばって、とってきました・よ」のように「・」のところを間を開ける癖のある言い回しなどで目立つ。
副支店長を演じる香川照之の立場は、敵なのか味方なのか不明で微妙。
今回は、オーバーな顔芸は封印。福山雅治の演技がネットでは大げさなど批判の声が出ている。新境地を目指して?コメディっぽく演じているが、空振りにならないことを祈る。
第2話が面白ければ継続。