テレビの深夜放送で見た「黒い十人の女」のもともとのオリジナルの映画「黒い十人の女」(1961)を見た。監督は市川崑。出演陣が超豪華。初代ミス日本に輝いた山本富士子をはじめ、岸恵子、中村玉緒、宮城まり子、岸田今日子、歌手の森山加代子、男優陣は、主役の船越英二、永井智雄、伊丹十三、大辻伺郎など。
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テレビプロデューサーの風松吉(船越英二)は、美しい妻・双葉(山本富士子)がいながら、多くの愛人たちと浮気をしていた。9人の愛人たちはお互いの存在を、なんとなく知っていた。また、松吉が浮気者であることも分かっていたが、そんな松吉から離れられないでいた。
あるとき妻と舞台女優で愛人の市子(岸恵子)とで松吉を殺す計画が持ち上がる。それは、松吉へのうっぷんを晴らすための架空の計画だった。しかし、松吉は「愛人たちは自分を殺そうとしている」と思い込み、妻に相談する。
妻はあっさりと計画を認めた上で、松吉を殺したかのように見せかける狂言殺人を松吉と計画。その計画は、まず愛人を集めて、松吉を責め立てる会を開き、そこでピストルで松吉を殺したかのように見せかけるというものだった。
その後、妻と松吉は離婚。舞台女優で愛人の市子が舞台女優を辞めて松吉を引き受けることになり、市子は愛人と元妻から祝福の花束を受け取って自動車を運転しつつ夜の闇の中に去っていく。
・・・ 1961年に公開された映画で、まだテレビ放送の初期のころだが、テレビ局を舞台にしている所がおもしろい。スタジオでは、複数の人間がカメラチェックをして、スタッフなどに指示を出していたが、音入れは、アナログのオープンリールのテープデッキだった。
電話はもちろんダイヤル式で黒電話。車などはアメ車(キャデラックなど)。クレージー・キャッツが一世を風靡する前か、本人たち役で出演していた。
ハナ肇がバンドメンバーに「日本人は正しい言葉を話さなければなりません」というと、横から植木等が「通じりゃあいいんじゃないの」という。するとハナ肇は「なんだって、いい気になりやがって、オレはトサカに来た!」だった(笑)。
腹立たしく感じ、カッとなることを「頭に来る」というが、トサカに来るとは、この「頭に来る」を強めた言葉である。トサカ(漢字では鶏冠)とは鶏の頭にある赤い部分のことだが、カッときて頭に血が上った様をトサカに例えて出来た言葉と思われる。
そういえば、子供のころに使っていたなと思いだした。 森山加代子(当時19歳)が出演していたのは懐かしい。1960年6月、イタリアの歌手ミーナ(英語版)の「月影のナポリ」の日本語カバーでレコード・デビューしていた。
「月影のナポリ」は50万枚を売り上げて、いきなりの大ヒットとなった。 その後もヒットを連発し、ミュージック・ライフ誌の人気投票女性部門で第1位に選ばれた。新人としては異例の早さで同年の「第11回NHK紅白歌合戦」に初出場。以降「じんじろげ」「パイのパイのパイ」など歌謡曲やカバー曲で数々のヒットを飛ばした。特に1961年リリースの作詞渡舟人、作曲中村八大の「じんじろげ」は、その年の流行語になった。
三輪子:宮城まり子
四村塩:中村玉緒
後藤五夜子:岸田今日子
虫子:宇野良子
七重:村井千恵子
八代:有明マスミ
櫛子:紺野ユカ
十糸子:倉田マユミ
永井智雄
浜村純
森山加代子
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