fpdの映画スクラップ貼

「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

【本】女優・中谷美紀の「オフ・ブロードウエイ奮闘記」(令和6年5月20日初版発行)苦闘・挑戦の日々!

女優・中谷美紀の「オフ・ブロードウエイ奮闘記」(幻冬舎文庫、令和6年5月20日初版発行、全475頁)を3分の2ほどまで読んだ。

中谷美紀のチャレンジ精神に感服させられる。およそ30年前、1993年にテレビドラマ「ひとつ屋根の下」(フジテレビ)で女優デビュー。その後は、多くのテレビドラマや映画に出演。


1998年と1999年に、ホラー映画の「リング」「リング2」の高野舞役で話題となり、1999年、自身初の主演テレビドラマ「ケイゾク」(TBS)が放送された。以降「壬生義士伝」「約三十の嘘」「電車男」「嫌われ松子の一生」「ゼロの焦点」などに出演。

fpd.hatenablog.com

fpd.hatenablog.com

fpd.hatenablog.com

fpd.hatenablog.com


一人旅の「インド旅行記」などを出版するかたわら、2018年に、ドイツ出身でウィーン国立歌劇場管弦楽団ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団ビオラ奏者を務めるティロ・フェヒナーと国際結婚。中谷の表現者としての国際的な交流などを知ると、納得。


そんな中谷美紀がニューヨークにおける舞台「猟銃」で1人3役を演じるため、通訳もなしで単身ニューヨークに乗り込み、2023年2月16日~4月16日までの悪戦苦闘の、しかし充実した日々を日付ごとにつづっているのが「オフ・ブロードウエイ奮闘記」だ。

 

「猟銃」は、愛のかたちや女の業を描いた文豪・井上靖書簡体小説。カナダの名演出家フランソワ・ジラールにより、かの東日本大震災が起こった2011年の夏に、カナダのモントリオールにて中谷美紀は初舞台を踏んでいる。


フランソワ・ジラールは映画「シルク」(日本、カナダ、フランス、イタリア、イギリス合作、2007)の演出家で、それが縁で井上靖原作の「猟銃」の一人3役という役を中谷美紀が演じることになった。


「猟銃」は、1961年に五所平之助監督により映画化もされている。京都を舞台にして、山本富士子岡田茉莉子、鰐淵春子などの人気女優で話題になった(未見)。

中谷美紀の「猟銃」は長年不倫を続けた三杉という男宛ての手紙を書いた妻・みどり、妻の従姉妹でもある愛人・彩子(さいこ)愛人の娘・薔子(しょうこ)の3役。三杉役を往年の名バレエダンサー、ミハイル・バリシニコフが演じている。


20代になりたての薔子(しょうこ)役では緊張感と激しさを、33歳のみどり役ではドラマチックに秘めた思いを表現し、自分の不倫は誰にも知られていないと信じている愛人である母である彩子役では、堂々として諦観(ていかん)に満ちているとされる。


実験的で芸術性が高い舞台を上演する小劇場群オフ・ブロードウェーの一つ、ジェローム・ロビンス・シアター(238席)で2023年3月16日から4月15日まで上演された。


・・・
日本やカナダでの上演では、まわりの完璧なスタッフに支えられて演じることができたが、ニューヨークでは、俳優組合の制約などがあり、時間が来るとスタッフは、途中でも仕事を放り出して帰ってしまうなど、プロとしての意識の違いにも直面したようで、苦労の連続がつづられている。

 日本ではパルコでも上演

しかし、2人芝居の共演相手であるミハイル・バリシニコフの畏敬の念と、観客に対する勤めがモチベーションとなって成し遂げるところがすごい。

当初は、英語の上演予定だったようだが、3か月では英語で、ネイティブを納得させるレベルには不可能なこと、細かなニュアンスが伝えきれないとして日本語での上演となった。英語の字幕が背景に流れる仕組み。

www.youtube.com

ドイツ語はほぼ完ぺきに理解しコミュニケーションができ、流ちょうにフランス語を話すほか、英語も相当なレベルにあるようで、それもすごい。

ブロードウエイで舞台を踏んだ日本俳優と言えば、渡辺謙(「王様と私」)、米倉涼子(「シカゴ」)などがいるが、中谷美紀の活躍も日本の映画、ドラマだけではなかった。

 

■「にほんブログ村」にポチッと!。

https://movie.blogmura.com/ranking/in   

https://movie.blogmura.com/moviereview/ranking/in