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映画「スピーク・ノー・イーブル 異常な家族」(原題:Speak No Evil、2024)心理ホラー。

映画「スピーク・ノー・イーブル 異常な家族」(原題:Speak No Evil、2024)はデンマークオランダ映画「胸騒ぎ」(2022)のリメイクだそうで、お気に入り映画「ゲット・アウト」などのブラムハウス・プロダクションによる映画ということで見た(「アマゾンプライム」)。ポスターの「違和感」がある一家とおもてなしと言った言葉が「ゲット・アウト」を連想させて期待した(期待値達成度は70%)。

前半のゆったりした流れから、後半はがらりと変わって、壮絶な銃撃戦バトルとなる展開。原題のSpeak No Evilは、日本語の日光東照宮で有名な「見ざる・言わざる・聞かざる」の「言わざる」に相当する慣用句。

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ロンドン在住のアメリカ人ベン・ダルトンスクート・マクネイリー)は妻のルイーズ(マッケンジーデイビス娘のアグネス(アリックス・ウェスト・レフラー)とともにイタリア旅行中にイギリス人のパトリック(ジェームズ・マカヴォイ)一家に出会う。

 人懐っこそうなパトリック夫妻だが。

パトリック一家から招かれて、イギリスの郊外の豪奢な家で週末を過ごすことになるベンの一家。最初は親切で穏やかに見える“おもてなし”だったが、徐々に微妙な違和感、不自然さが積み重なっていく。

ベン一家は、理由をつけて帰ろうとするが、何かと引き留めるパトリックたち。パトリック家には息子アントがいたが、シャイであるのに加えて、話すのが不自由という。その背景には、恐ろしい事実はあることが後から判明する。

ホストのパトリック夫妻の不穏な真実が少しずつ見えてきて、アメリカ人家族はこの状況には、ただのホスピタリティ(もてなし)を超えた危険がかくされていることを悟っていく。

そしてそれを明らかにしたのが、アントがアグネスを案内した先にあった隠れ部屋の存在だった。そこには恐るべき事実があった。

ベン一家は、黙って車で逃げ出したが、アグネスが、大事な人形を忘れたというので、ベンは仕方なく車で戻ることにした。

待ち構えていたパトリックは「挨拶もなく出て行くとは…」と皮肉交じりに言うと、豹変するのだった…。

          左からアント、キアラ、パトリック

                                          アグネス、ベン、ルイーズ

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<ネタバレ>
パトリック一家の所業はアントが隠し部屋でアグネスに見せた写真アルバムですべてが明らかになる。写真には旅行先で知り合った家族(ターゲットは10歳前後の子供がいる)とパトリック夫妻の写真があった。

ある写真の中にアントもいた。パトリック夫妻の目的は金品と子供だった。隠し部屋の引き出しには、豪華な腕時計が十個以上もあった。事実を知ったアントは身体中があざだらけになるほど虐待され、見聞きしたことを他人に口外されないように舌を切られていた。

パトリックには、お金を払って雇っている仲間がいて、招かれた客たちは銃で殺されていた。パトリック夫妻は子供を亡くしており、その後パトリックの妻は2度流産するなど子供に恵まれず、子供のいる家族を拉致して子供だけを生かし、疑似親子を演じていたのだった。

アントのラストのパトリックに対する復讐行為(煉瓦で顔面を何度も叩き潰す)はすさまじかった。

招待されてホイホイと受け入れて長期滞在するなどわきが甘いというか、お人よしというか…。アグネスの父ベンは失業するなど落ち込んではいたが、それでも一家の柱としてその頼りなさ、ふがいなさは情けないほど。逆にアグネスの機転の良さなどとは対照的だった。

リメイクするほどの作品かは疑問だが、単なる恐怖ホラーでなく、招待などを断りたいが断れないという「本音を言いにくい心理」を扱ったスリラーとしては見て損のない映画だった。

<主な登場人物>
■パトリック:ジェームズ・マカヴォイ…ホスト側の父親。外見上は魅力的で、高い自信を持って振る舞う人物。一方で、その裏には隠された闇や支配欲がある。 
■キアラ:アシュリン・フランシオーシ…パトリックの妻。一見温かく親しみやすい雰囲気だが、夫パトリックとの関係性のなかで苦悩・複雑さを持っている。
■ベン・ダルトンスクート・マクネイリーアメリカ人一家の父親。以前は職を持っていたが現在は失業中。自信を失っていて、プレッシャーをかかえていて、頼りがいがない。

■ルイーズ・ダルトンマッケンジーデイビス…ベンの妻。娘アグネスのため、安全性や安心を常に気にしている。ベジタリアン。無理に肉を勧められ食べるが、隠れて吐き出す。

■アグネス:アリックス・ウェスト・レフラー…ベン/ルイーズの12歳の娘。子どもならではの不安や敏感さを持つ。動物のぬいぐるみを大事にしている。
■アント:ダン・ハフ…パトリック一家の息子。ある隠された事情で言葉が話せない。

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