とはいっても「砂の器」ほどの感動はないが、ヒッチコック作品や、「殺しのドレス」のようなサスペンスがある。女版 ”砂の器”といえなくもない(笑)。「砂の器」は、人生の絶頂を迎えるときに、会ってはいけない人間に会ってしまった運命の悲劇だった・・・。
中谷の映画はほとんど見ていなかったが「ゼロ」における中谷は、ものすごい!
映画の後半は手に汗握る展開。
この映画の最高のクライマックス! 震えるほどゾクゾク、映画ってすごい!(笑)。
見合い結婚で憲一と結婚した禎子(広末涼子)が本来主役だが、どちらかといえば、かなり受身で、やや影が薄い。映画の中で、最もうならせたのは中谷美紀で迫力満点。木村多江は、「薄幸の女」のイメージそのままで、存在感を示した。
夫の過去をほとんど知らない禎子は、憲一の足跡をたどって金沢へ向かい、そこで憲一のかつての得意先の社長夫人・室田佐知子(中谷美紀)、室田社長(鹿賀丈史)のコネで入社し受付嬢をしている田沼久子(木村多江)。2人の女性との出会いが事件のさらなる謎を呼ぶことになる・・・。
次々に起こる殺人の連鎖。犯人はいったい・・・?
謎解きの面白さもある。
謎解きの面白さもある。
荒れた北陸の海も印象的だが、雪景色、蒸気機関車(!)、車、家並みなど昭和30年代初頭を再現している。
終戦直後の混乱の世相。配給米、立川米軍基地における米兵相手の売春(パンパンといわれた)、初の女性市長への立候補などの時代背景がうまく描かれていた。
「オンリーユー」や中島みゆきによる主題歌「愛だけを残せ」がエンディングで力強く流れる。
犯人の殺人動機は、自分のある知られたくない過去の隠蔽。
その意味では「砂の器」にも通じる。
その意味では「砂の器」にも通じる。
ホラー的!と思うようなシーンもあり、注目!
迷わず劇場に行くべきでしょう!
☆☆☆