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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「ゼロの焦点」(2009)…中谷美紀の演技に注目!

映画「ゼロの焦点」(2009)を見てきた。犬童一心監督作品。
松本清張の原作は、だいぶ以前に読んでおり、1961年の野村芳太郎監督作品も、テレビで見た。「ゼロの焦点」といえば、清張の作品の中でも「点と線」砂の器」と並ぶ名作。
とはいっても「砂の器」ほどの感動はないが、ヒッチコック作品や、「殺しのドレス」のようなサスペンスがある。女版 ”砂の器”といえなくもない(笑)。「砂の器」は、人生の絶頂を迎えるときに、会ってはいけない人間に会ってしまった運命の悲劇だった・・・。
今回の見所は、日本アカデミー賞受賞経験のある三人の女優の演技。大画面に、それぞれ大アップのシーンがあるが、なかでも、中谷美紀が圧巻だった。
中谷の映画はほとんど見ていなかったが「ゼロ」における中谷は、ものすごい!
映画の後半は手に汗握る展開。
マイクを握り、スピーチが終わりそうになる室田佐知子(中谷美紀)に、禎子(広末涼子)から一言発せられる言葉・・・○○!

 

この映画の最高のクライマックス! 震えるほどゾクゾク、映画ってすごい!(笑)。
見合い結婚で憲一と結婚した禎子(広末涼子)が本来主役だが、どちらかといえば、かなり受身で、やや影が薄い。映画の中で、最もうならせたのは中谷美紀で迫力満点木村多江は、「薄幸の女」のイメージそのままで、存在感を示した。

 




結婚式から七日後に、禎子夫は仕事の引継で勤務地だった金沢に出かけ、そのまま行方不明となる。
夫の過去をほとんど知らない禎子は、憲一の足跡をたどって金沢へ向かい、そこで憲一のかつての得意先の社長夫人・室田佐知子(中谷美紀)、室田社長(鹿賀丈史)のコネで入社し受付嬢をしている田沼久子(木村多江)。2人の女性との出会いが事件のさらなる謎を呼ぶことになる・・・。

 

次々に起こる殺人の連鎖。犯人はいったい・・・?
謎解きの面白さもある。

 

荒れた北陸の海も印象的だが、雪景色、蒸気機関車(!)、車、家並みなど昭和30年代初頭を再現している。

 

終戦直後の混乱の世相。配給米、立川米軍基地における米兵相手の売春(パンパンといわれた)、初の女性市長への立候補などの時代背景がうまく描かれていた。

 

オンリーユー」や中島みゆきによる主題歌「愛だけを残せ」がエンディングで力強く流れる。

 

犯人の殺人動機は、自分のある知られたくない過去の隠蔽。
その意味では「砂の器」にも通じる。
ホラー的!と思うようなシーンもあり、注目!
迷わず劇場に行くべきでしょう!

 

主演級で、禎子(広末涼子)の夫役で西島秀俊、刑事役でモロ師岡などが出演。
☆☆☆