映画「もしも徳川家康が総理大臣になったら」(2024)は、監督が「翔んで埼玉」「テルマエ・ロマエ」などの武内英樹。原作は眞邊明人によるSF小説。公開初日・初回にmovixさいたまで観る。
コロナ禍の2020年、首相官邸で発生したクラスターが原因で総理大臣が急死。AI・ホログラムによって復活した歴史上の偉人たちによる内閣が組閣され、徳川家康を内閣総理大臣とした最強内閣が生まれるという奇想天外な物語を描く。略称は「もし徳」。
現在の政治不信に対する痛烈な風刺ともとれるメッセージが込められている。日(ひ)の本(もと)(=日本)を守りぬくとして、260年続いた徳川幕府(江戸時代)は、同じころ西洋などでは列強国が戦争で明け暮れる中、鎖国によって「安寧(あんねい)」を維持したとして、現在の総理大臣となった徳川家康は安寧を目指す。
内閣(政府)の支持率の急落、選挙の投票率の低迷などを改めるには、国民の主体性を信じることだと家康は力説する。
過去の偉人たちによる内閣の顔ぶれは、徳川家康(野村萬斎)が総理大臣、坂本龍馬(赤楚衛二)が官房長官、織田信長(GACKT)が経済産業大臣、豊臣秀吉(竹中直人)が財務大臣を担当。
ほかにも紫式部(観月ありさ)、聖徳太子(長井短)、北条政子(江口のりこ)、徳川吉宗(高嶋政宏)、徳川綱吉(池田鉄洋)、足利義満(小手伸也)などによるドリームチーム内閣が誕生する。
国民全員に区別なく一人当たり50万円を支給するなどという度肝を抜くような案も登場。圧倒的なカリスマに加え、政策を推し進める"えげつない"実行力に人々は驚愕し、日本中が熱狂していく。
そんな中、テレビ局の新人記者・西村理沙(浜辺美波)はスクープを取ろうと政府のスポークスマンである坂本龍馬に近づくのだが…。
・・・
新聞社で新米記者の西村理沙(浜辺美波)は、スクープをモノにすれば、西村が希望するアナウンス部(女子アナ)への配属という道が開けるというので、官房長官の坂本龍馬の会見で質問することになる。
西村記者は竜馬に対して「ぜよとはどういう意味ですか」というとっさの質問がネット上で沸騰ワードになり一躍、マスコミで取り上げられることになる。
やがて、西村記者は、徳川家康(野村萬斎)から指名を受けて単独取材をすることになるのだ。新米記者が竜馬の気持ちをつかんだのは、記者の裏表のない素直さ。
この映画は、居眠り議員などの根性を叩きのめすようなメッセージにもなっていて、政治家こそ見るべき映画。劇中、情報バラエティ番組司会者の小籔千豊が登場するが、映画出演にここぞとばかりにグダグダと前面に出過ぎる感があって見苦しかった(笑)。
俳優陣では、野村萬斎、竹中直人が圧倒する迫力で迫ってくる。GACKTは、「翔んで埼玉」でのキャラにすっかり染まってしまったのか、役を楽しんでいるようだ。
<キャスト>
西村理沙(テレビ局政治部の新人記者):浜辺美波
坂本龍馬(内閣官房長官):赤楚衛二
織田信長(経済産業大臣):GACKT
徳川吉宗(農林水産大臣):髙嶋政宏
北条政子(総務大臣):江口のりこ
徳川綱吉(厚生労働大臣):池田鉄洋
足利義満(外務大臣):小手伸也
聖徳太子(法務大臣):長井短
石田三成(財務副大臣):音尾琢真
土方歳三(警備隊):山本耕史
森本慶一(テレビ局政治部部長):梶原善
吉田拓也(財務省官僚):足立英
島川徹(情報バラエティ番組司会者):小籔千豊
御子柴学(日本党幹事長):酒向芳
紫式部(文部科学大臣):観月ありさ
豊臣秀吉(財務大臣):竹中直人
徳川家康(内閣総理大臣):野村萬斎
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