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<span itemprop="headline">ドラマ「オリエント急行殺人事件」(前・後編)</span>


 
アガサ・クリスティ原作の「オリエント急行殺人事件」を三谷幸喜がドラマ化したテレビ版「オリエント急行殺人事件」が1月11日、12日の2夜にわたって放送され、見た。
 
昭和初期(昭和8年:1933年)に置き換え、名探偵ポワロは勝呂武尊(すぐろたける)(野村萬斎)となり、オリジナルを再現するとともに、後編では、三谷が犯人サイドの完全犯罪を目指す姿が描かれた。
 
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昭和8年2月。下関港に一人の小柄な男がいた。勝呂武尊(野村萬斎)である。日本全国を震撼させた「いろは殺人事件」を解決し、一躍有名人となった名探偵だ。
 
小倉の軍事施設で起きた殺人事件を解決した勝呂は、これから下関駅に向かい、特別急行東洋に乗ろうとしていた。特急東洋は、下関と東京を結ぶ日本初の寝台付き列車。皇室関係者や政府の高官も利用する最新鋭の超豪華列車。

ところが2月だというのに、特急東洋の寝台は満席。たまたま下関で再会した鉄道省の役人・莫(ばく)(高橋克実)の計らいにより、勝呂は無理やり一等寝室を確保してもらう。

朝、下関を出発する特急東洋。東京に着くのは翌日の朝である。食堂車で勝呂は、実業家・藤堂(佐藤浩市)から身辺警護を頼まれる。だが彼の横柄な態度に勝呂は申し出を拒絶した。

翌朝、岐阜の山中で、大雪のために列車は身動きが取れなくなっていた。
その中で、藤堂が客室内で他殺体となって発見される。莫は、勝呂に協力を依頼。状況証拠から、犯人は寝台車の乗客の中にいると判断した勝呂は、線路が復旧するまでに事件を解決してみせると約束する。

勝呂は、犯人の動機は「復讐」であると推理する。莫と医師の須田(笹野高史)を助手代わりにし、車掌の三木(西田敏行)を使って、寝台車の乗客12人を1人ずつ尋問していく。

その12人とは、身分も職業も全く違う人々。
被害者の秘書・幕内(二宮和也)、執事・益田(小林隆)、おしゃべりなマダム・羽鳥夫人(富司純子)、教会で働く呉田(八木亜希子)、轟侯爵夫人(草笛光子)、外交官の安藤伯爵(玉木宏)、安藤伯爵夫人(杏)、能登陸軍大佐(沢村一樹)、万年筆の販売員・羽佐間(池松壮亮)、博多の輸入自動車のセールスマン・保土田(藤本隆宏)、家庭教師の馬場(松嶋菜々子)、轟侯爵夫人のメイド・昼出川(青木さやか)。 この中に犯人は必ずいる。警察の助けは一切ない。科学捜査もなかった時代。

勝呂は、容疑者たちの証言だけを頼りに、次第に真相へと近づいて行く。

長い尋問が終わるころ、灰色の脳細胞を駆使し、名探偵・勝呂は、ある解答にたどり着く。それは、誰もが想像し得なかった驚くべき結論。

そして、第2夜は、三谷幸喜のオリジナル。犯人の視点で再び事件を振り返り、犯行に至るまでの経緯を丹念に描く。それは綿密な犯罪計画に裏打ちされた、驚異の復讐の物語だった。
 
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密室が舞台の群像劇で、前半は、映画版「オリエント急行殺人事件」(1974)と大きな違いはない。後編が、三谷幸喜の着想の面白さがあった。事件発生までのいきさつが描かれ、それがすでに見た光景と一致するところが面白い。
 

三谷作品は、俳優・女優の誰もが出たいと思う作品。
名女優・大女優である草笛光子富司純子などは貫禄があり、安心して見ていられる。主演に近い松嶋菜々子も堂々としていた。
 
呉田その子役の元・女子アナ・八木亜希子がうまいのに驚いた。
教会奉仕に関わっているので、いかなる理由があっても、殺人は否定
の立場だが、いかにも気弱な印象で、おどおどした雰囲気がいい。
 
二宮和也は、シーンによっては、硬さが見えた。
池松壮亮は、売れっ子で「紙の月」など映画、ドラマに出まくり。
お笑い系の印象の青木さやかは、三谷作品「大空港2013」で、主人公・竹内結子の親友役の関係で出演していて、その関連で再出演のようだが、リアクション演技など、意識し過ぎ感が出ているようだ。なぜ青木さやかなのか理解できない。

 
高橋克実笹野高史といった名脇役は、さすが。
悪党面(づら)の佐藤浩市は、これまでで一番いいかもしれない。
 
野村萬斎は、独特の話し方など新たな探偵像を作り上げ、主役という大役を果たした。
 
いまさら、なぜ「オリエント急行」かと、当初は思ったが、三谷監督の独自の視点が加えられ面白かった。
 
キャスト:
●杏:安藤伯爵夫人
玉木宏:外交官・安藤伯爵
沢村一樹:陸軍大佐・能登
松嶋菜々子:家庭教師・馬場舞子
池松壮亮:万年筆販売員・羽佐間才助
藤本隆宏:博多の輸入自動車セールスマン・保土田
八木亜希子:教会勤務・呉田その子
富司純子:羽鳥夫人
草笛光子:轟侯爵夫人
青木さやか:轟侯爵夫人のメイド・昼出川(ひるでがわ)
小林隆:被害者の執事
笹野高史:外科医・須田
西田敏行:特急「東洋」の車掌・三木
高橋克実鉄道省の役人・莫(ばく) 
佐藤浩市:実業家・藤堂 (被害者)
二宮和也:被害者の秘書・幕内
野村萬斎:名探偵・勝呂武尊(すぐろ・たける
 
 
 
 
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