2013年春に単館系で公開された「朝食、昼食、そして夕食」を見た。
タイトルから何か美味しそうなグルメに関連した映画かと思ったら、スペインの小都市での一日の中で、食事を通しての出会いや、別れといった人生模様を描いた映画だった。
映画は、最初にナレーションで始まる。
「小さな町だが、1日50万食が作られる。大皿、小皿、主食に軽食、コース料理からタパスまで。友人たちと、あるいは、ひとりで、時間を忘れ、皿はからになっていく。時には、予期せぬ展開で、人生が変わることもある。酸っぱく、甘く、または甘酸っぱく。なぜなら、食卓では、食欲も魂も開放されるから。だからここには、人生の味を変えるチャンスが、毎日、50万回もある」。
この映画は、Part 1(朝食)、Part 2(昼食)、Part 3(夕食)の3パートで構成。
ドラマの背景には、自宅やレストランなどでの料理が登場するが、そこにいる人物は、兄弟喧嘩をしたり、別れ話だったり、さまざま。意外なところでつながり合っているという、合計18の食事の話。
スペイン人の生活風景の断片を描いているが、些細な言葉のアヤや、感情のもつれなどで言い合いになったりするところは、日本も西洋も同じというのが伺える。
様々なエピソードが同時進行で描かれるため、やや面食らうが、最後のエピソードで、男がひとり電話をしながら、離ればなれになっている恋人の分も料理を作って、「いまテーブルに並べているところだ」と語っている。しばらくの間、同じような生活を送ってきたのだろう。男が料理を作っている時に、その付近を大型犬が行ったり来たりしている。
そんなある日、ドアのベルが鳴る。
犬がベルに気づき、ドアに向かっていく・・・ところで、終わり。
全体的に、しんみりした地味な映画だが、ストリート・ミュージシャンの歌の文句がそうであるように、最後は、みな元気になっている。
★★
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