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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">映画「朝食、昼食、そして夕食」(2013、スペイン)</span>

 

 
 
2013年春に単館系で公開された「朝食、昼食、そして夕食」を見た。
タイトルから何か美味しそうなグルメに関連した映画かと思ったら、スペインの小都市での一日の中で、食事を通しての出会いや、別れといった人生模様を描いた映画だった。
 
映画は、最初にナレーションで始まる。
「小さな町だが、1日50万食が作られる。大皿、小皿、主食に軽食、コース料理からタパスまで。友人たちと、あるいは、ひとりで、時間を忘れ、皿はからになっていく。時には、予期せぬ展開で、人生が変わることもある。酸っぱく、甘く、または甘酸っぱく。なぜなら、食卓では、食欲も魂も開放されるから。だからここには、人生の味を変えるチャンスが、毎日、50万回もある」。

スペイン巡礼の終点地、世界遺産として名高いガリシア州サンティアゴ・デ・コンポステラ。ストリート・ミュージシャン、エドゥ(ルイス・トサル)のギターで、その街の朝が静かに始まる。
 
前夜から呑み続け、そのまま朝食に突入する二人の男、腹をすかして市場のチョリソを盗むマケドニアの青年、兄にゲイであることを隠し通そうとする弟、現れない恋人のためにひたすら料理を作り続ける脇役俳優、そして沈黙の中で質素な食事をする老夫婦。「すべて失敗、何もうまく行かない・・・」とエドゥは歌う。そこに、昔、愛した女性から突然昼食の誘いが入るが・・・。
 

 
この映画は、Part 1(朝食)、Part 2(昼食)、Part 3(夕食)の3パートで構成。
ドラマの背景には、自宅やレストランなどでの料理が登場するが、そこにいる人物は、兄弟喧嘩をしたり、別れ話だったり、さまざま。意外なところでつながり合っているという、合計18の食事の話。

スペイン人の生活風景の断片を描いているが、些細な言葉のアヤや、感情のもつれなどで言い合いになったりするところは、日本も西洋も同じというのが伺える。
 
様々なエピソードが同時進行で描かれるため、やや面食らうが、最後のエピソードで、男がひとり電話をしながら、離ればなれになっている恋人の分も料理を作って、「いまテーブルに並べているところだ」と語っている。しばらくの間、同じような生活を送ってきたのだろう。男が料理を作っている時に、その付近を大型犬が行ったり来たりしている。
 
そんなある日、ドアのベルが鳴る。
犬がベルに気づき、ドアに向かっていく・・・ところで、終わり。
 
全体的に、しんみりした地味な映画だが、ストリート・ミュージシャンの歌の文句がそうであるように、最後は、みな元気になっている。
 
★★
 
 
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