アガサ・クリスティ原作「オリエント急行殺人事件」(2017)を公開初日の8日、朝一番(9:10)にTOHOシネマズ新宿(スクリーン9)で見た。平日だったので、都心の新宿といえども観客は20人程度だった。リメイクだが、前作(1974年版)とはかなり違った雰囲気。
この劇場は2度目だが、「スクリーン」サイズはスクリーン9に関してだけ言えば、かつて大画面を誇っていた70ミリ映画の殿堂とも言うべき有楽座、新宿プラザ、テアトル東京などに匹敵するくらいの大きさで驚いた。
スクリーンサイズのランキングをネットで見たら、1位は同じ系列のTOHOシネマズ豊洲のようで、新宿は4,5位のようだが・・・。
それでも、シネコンは画面がコンパクトになって・・・という記事を書いたことがあるが、まだ大きな昔ながらの大型スクリーンで見たので、迫力があった。
肝心の映画だが、エルキュール・ポワロのヒゲの形が、どうも極端に走っているようで、そこまでしなくても・・・という印象は免れない。先日、この映画のために列車実物を作ったと書いたが、その意味がわかった。
やはりカメラアングルなどの制約で撮影できない場合がある。
具体的には言えないが、「あぁ~、こんなシーンはとても実際の列車では撮影できないな」というシーンがある。
1974年版と比較はしたくないが、最後のオチも味付けが違っている。
前作(オリジナル)を見ている人間には犯人探しの面白さはない。
ただ前作を見ていない人、原作も知らないという人にとっては新鮮かもしれない。
客層は高めで、30代以上やシニア層が多いような気がした。
監督兼主演であるケネス・プラナーのリメイクの意図は、謎解きというよりも、登場人物や背景をどのように見せるかにあったような気がする。
その意味では、雪景色の背景や密室である列車内の仕切り部屋、通路などカメラ(手持ちカメラも)が縦横無尽に入り込み密室劇の面白さを堪能させてくれる。
ストーリー:
エルサレムで事件を解決した私立探偵のエルキュール・ポワロ(ケネス・プラナー)が乗車していたオリエント急行の車内で殺人事件が発生する。被害者はその前日にポワロに身辺警護を依頼してきた大富豪、エドワード・ラチェット(ジョニー・デップ)だった。
ラチェットは12カ所を刺されて死亡していた。ポワロが聞き込み調査を実施したところ、乗客乗員の全員にアリバイがあったことが判明する。
事件の捜査は暗礁に乗り上げたかと思われたが、ポワロは天性の直観と丹念な推理で事件の真相を暴き出していく。しかし、衝撃の真相を前にしてポワロは懊悩することになる。真実を優先すべきなのか、それとも、正義を優先すべきなのかと。やがて、彼はある決断を下すことになる(Wiki)。
・・・
オープニングは、今話題となっているエルサレムのシーンから始まる。
ポスターのサブタイトルで、「この映画には名優が必要だった」とあるが、この意味は、ダブル・ミーニングだと思った。ひとつは、前作でのオールスター・キャストに対
抗できるような名優を揃えること、もう一つは、”完全犯罪”を遂行するために、アトがつかないような”名演”ができる人物が必要であったこと。考え過ぎか。
抗できるような名優を揃えること、もう一つは、”完全犯罪”を遂行するために、アトがつかないような”名演”ができる人物が必要であったこと。考え過ぎか。
ケネス・プラナーのポワロは、過去のポワロが個性的で多少ユーモアなどがあったと思うが、ほとんど厳格で重厚さや威厳が滲んでいる。
殺人事件が起きて、乗客全員を集めて、推理を次々に一人づつ当てはめていくと、すぐに認めて”落ちて”しまう。そんな中でも、ミシェル・ファイファーの存在感が目立った(写真上)。
主な登場人物:
とある秘密を抱えている。
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