昨年度(2024年)の映画界は「邦高洋低」だったようだ。邦画・洋画すべての2024年の公開本数は1190本で、前年から42本減となったが、その内訳をみて驚いた。
邦画の公開本数は685本と前年から9本増加したのに対して、洋画は51本減少の505本だったのだ。
日本映画製作者連盟(映連)が29日、2024年の映画の年間興行収入を発表したが、入場人員は1億4444万人で92.9%、興行収入は2069億8300万円で93.5%という結果だった。
これは現在の興収での集計が始まった2000年以降では11番目の数字という。ただし、邦画だけに限定すれば過去最高の1558億円を記録。これまでの邦画の売り上げ記録は「君の名は。」「シン・ゴジラ」が大ヒットした2016年の1486億円だった。
邦画が過去最高を記録した一方で、洋画は前年比69.8%の511億円という大幅な落ち込みを見せている。
興行収入で10億円以上の作品は、邦画では「名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)」の158.0億円(東宝)を筆頭に、劇場版「オーバーロード」聖王国編 10.3億円 (KADOKAWA)まで31作品あった。
アニメが上位を占める中、実写映画「ラストマイル」の約60億円( 59.6億円、東宝)は大健闘といえそう。
一方で、洋画は、最高が「インサイド・ヘッド2」の53.6億円で、10億円以上は、かろうじて10億円だった「マッドマックス:フュリオサ」(ワーナー ブラザース)までわずか10本だった。
アカデミー賞作品「オッペンハイマー」が18.7億円(ビターズ・エンド)「ゴジラxコング 新たなる帝国」が 17.4億円(東宝)といった数字は期待外れというか、ますます洋画の低調ぶりが浮き彫りになってしまった。
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<邦画の興収10億円以上の作品>
- 名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)158.0億円(東宝)
- 劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦 116.4億円(東宝)
- キングダム 大将軍の帰還 80.3億円(東宝 / ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント)
- 劇場版 SPY×FAMILY CODE: White 63.2億円(東宝)
- ラストマイル 59.6億円(東宝)
- 機動戦士ガンダムSEED FREEDOM 53.8億円 *(バンダイナムコフィルムワークス / 松竹)
- 変な家 50.7億円(東宝)
- あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。 45.4億円(松竹)
- 映画ドラえもん のび太の地球交響楽 43.1億円(東宝)
- 僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ユアネクスト 36.0億円(東宝)
- ゴールデンカムイ 29.9億円(東宝)
- 映画クレヨンしんちゃん オラたちの恐竜日記 26.9億円(東宝)
- 「鬼滅の刃」 絆の奇跡、そして柱稽古へ 23.1億円(東宝 / アニプレックス)
- ルックバック 20.4億円(エイベックス・ピクチャーズ)
- Mrs. GREEN APPLE // The White Lounge in CINEMA 19.0億円 *(松竹ODS事業室)
- 室井慎次 敗れざる者 18.9億円 *(東宝)
- 劇場版ブルーロック -EPISODE 凪- 18.1億円(バンダイナムコフィルムワークス)
- スオミの話をしよう 17.7億円(東宝)
- 室井慎次 生き続ける者 17.0億円 *(東宝)
- 帰ってきた あぶない刑事 16.4億円(東映)
- ディア・ファミリー 14.7億円(東宝)
- 劇場版「進撃の巨人」完結編 THE LAST ATTACK 14.5億円 *(ポニーキャニオン)
- 劇場版「ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉」14.1億円(東宝)
- PERFECT DAYS 13.3億円(ビターズ・エンド)
- わんだふるぷりきゅあ!ざ・むーびー! ドキドキ ゲームの世界で大冒険!12.4億円(東映)
- わんだふるぷりきゅあ!ざ・むーびー! ドキドキ ゲームの世界で大冒険!12.4億円(東映)
- もしも徳川家康が総理大臣になったら 12.0億円(東宝)
- 四月になれば彼女は 11.9億円(東宝)
- あのコはだぁれ? 11.6億円(松竹)
- 陰陽師0 11.0億円(ワーナー ブラザース)
- 九十歳。何がめでたい 10.4億円(松竹)
- 劇場版「オーバーロード」聖王国編 10.3億円 *(KADOKAWA)
合計 1050.1億円
<洋画の興収10億円以上の作品>
- インサイド・ヘッド2 53.6億円(ウォルト・ディズニー・スタジオ)
- 怪盗グルーのミニオン超変身 45.3億円(東宝東和)
- ウィッシュ 36.1億円(ウォルト・ディズニー・スタジオ)
- ウォンカとチョコレート工場のはじまり 23.7億円(ワーナー ブラザース)
- デッドプール&ウルヴァリン 21.1億円(ウォルト・ディズニー・スタジオ)
- オッペンハイマー 18.7億円(ビターズ・エンド)
- ゴジラxコング 新たなる帝国 17.4億円(東宝)
- ヴェノム:ザ・ラストダンス 15.1億円(ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント)
- ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ 11.6億円(ワーナー ブラザース)
- マッドマックス:フュリオサ 10.0億円(ワーナー ブラザース)
合計 252.5億円
※*印は現在上映中
「邦高洋低」の傾向はこの十年来?の傾向。
■感想:アニメの比率が年々高まってるとのこと。実写版の秀作に期待。とくに外国映画の低迷が心配。エンタメ業界のオールドメディア「テレビ」→ニューメディア「ネットメディア」のように、従来の劇場スクリーン→動画配信(Netflixなど)への流れが加速しそう。
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