fpdの映画スクラップ貼

「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「普通の人々」(1980)

 
普通の人々」(原題:Ordinary People、1980)は、シカゴ郊外の弁護士の一家の家族の断絶を描いている。俳優として一時代を築いたロバート・レッドフォードの監督第一作にして、1980年度アカデミー賞作品賞・監督賞・助演男優賞ティモシー・ハットン)、脚色賞(アルヴィン・サージェント)の4部門を獲得した。
 
・・・
この映画が公開されたのは1981年3月だったが、ロバート・レッドフォードの監督第一作でも、平凡なタイトルで、”普通”の映画のように思えて、30年以上見逃していた。
 
しかし、1980年以降のアカデミー賞作品賞の35作品中、未見作品が4本となり、全制覇への”野望”が目覚め、そのうちの1本「普通の人々」をみることにしたのだった。これで、残りは3本となった(残りの3タイトルは秘密)。
 
 
・・・
映画のオープニングではイチョウ並木や林、閑静な住宅が映し出される。
そんな環境に住む裕福な弁護士一家はこれまで平穏な暮らしをしてきたが、その生活が「一つのこと」で一変することになる。
 
その一つのこととは、半年前に一家の長男バックが水死事故を起こしたこと。その後は、父、母、次男の3人の”普通の人々”の悩みが露呈し、わだかまりが生じ、それぞれの心がちぐはぐになり、家庭は崩壊していく。
 
・・・
ある日、湖で長男バックと弟コンラッドティモシー・ハットン)のボートが嵐で転覆し、バックは溺れ死んでしまう。助かったコンラッドもその後自殺未遂をおこし、精神病院に入院することになった。
 
それから4ヶ月後、コンラッドは退院して再び学校に通い出すが、何も解決されたわけではなかった。母親ベス・ジャレット(メアリー・タイラー・ムーアは、長男バックを溺愛していたようで、なぜか次男のコンラッドには冷たく、心を開いて話すことが出来なかった。コンラッドは、父親カルビン・ジャレット(ドナルド・サザーランドにも頼ることができずにいた。
 
息子を心配する父はコンラッド精神分析医バーガー(ジャド・ハーシュ)のもとに通わせることにした。通いだした当初は心を閉ざしていたコンラッドだったが、次第にその胸のうちを打ちあけるようになる(Wikiより)。
 
・・・
アメリカ映画によく登場する中流以上の裕福な家庭と言えば、郊外に立派な邸宅を構えてというスタイルが象徴的だったが、完全にそういった家族のスタイルは崩壊しているようだ。
 
言葉とスキンシップのお国柄からか、夫婦、親子、恋人の間では、あいさつのように交わされる言葉が「I love you(愛してる)」「I love you, too(私も)」だ。確認の表現で、「愛していない」となったら、離婚ということになる。そういった意味では、日本人は忍耐強い。
 
この映画でも、妻が夫に「I love you」といったあと、0.5秒くらい間があって「I love you, too」と語尾のほうを大きな声で言うシーンがある。その場は、一応そう言っておいたが、のちに、夫から妻に語られる言葉は違ってくる。
 
その言葉は「君はきれいだし、強い。頑固だし、ひとりよがりだ」と。
最初は褒めるが、言いたいことは最後の部分で、この言葉を聞いた妻は、返す言葉を考えるまでもなく、戻って荷造りをするのだ。妻ベスの身勝手さ、相手の気持ちを読まない(読めない)性格には全く感情移入はできないだろう。ここで、反論するくらいなら、まだ救いはあるがそれもなし。
 
・・・
次男コンラッドは、精神的に不安定に陥り、うつの症状かイライラした態度をとっているが、分析医と接するうちに、徐々に普通さを取り戻していく。病院で知り合った女性友だちとの会話でも、冗談も言えるようになるが・・・。
 
・・・
タイトルこそ”普通の人々”だが、内容は”普通でない人々”といった印象。
アメリカ人の家庭の崩壊と再生まではいかないが、やり直しの糸口をつかみかけたか、といったところで終わっている。35年も前の映画だが、根本的にはあまり変化していない状況ではないかと想像している。
 
☆☆☆
 
 
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
「にほん映画村」に参加しています:
クリックお願いします♪。