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映画「メガロポリス」(フランシス・F・コッポラ、原題:Megalopolis, 2024)を見る。

映画「メガロポリス」(原題:Megalopolis, 2024)を21日、MOVIXさいたま(10:30~)で見る。フランシス・フォード・コッポラ監督の40年に及ぶ構想により完成したコッポラの集大成といったうたい文句に惹かれて、大きな期待をもってみたが、壮大な叙事詩という印象はあるものの、睡魔に襲われそうになった。

アメリカでは大コケ(爆死)だったという。確かに興行的には厳しそうな作品で賛否を生みそうだ。

コッポラの「未来都市メガロポリスへようこそ」というメッセージであるというのだが…。

コッポラが描きたかったのは、アメリカは古代ローマと同じように岐路に立たされており、民主主義と共和制の危機、分断と衰退への警鐘を鳴らし「古代ローマの衰退を現代アメリカの危機に重ねた未来型寓話」としての都市と人間の在りかたであるようだ。

主人公の建築家が「Time, stop!」という言葉を象徴的に用いている。アーティストは時間を止める者であり、芸術家や建築家が時間の流れに抗い、停滞ではなく“創造”で未来を切り拓く力を持っているということを訴えている。

時間を“止める”力を持つ理想主義的建築家であるカエサル(=シーザー)・カティリーナ(アダム・ドライバー)と伝統的利益構造にしがみつき、改革に冷たい態度を取り続けるジャッキー・キセロ市長との対立を浮かび上がらせている。

映画は希望に満ちた終わり方をし、次世代へバトンを渡すような幕切れだった。
理想を語り続ける勇気が大事であり「映画はファーストフードではなく、生きた芸術」として、観る者に社会や未来への問いを投げかけることが必要だと強調している。コッポラの思想、哲学を反映しているのかもしれない。

・・・
この映画は、コッポラ監督がH・G・ウェルズ原作の映画「来るべき世界」(原題:Things to Come、1936)に着想を得て1980年代より脚本を構想していたが、その製作途中で、9.11同時多発テロの影響で中断していた。2021年にコッポラ監督が私財1億2000万ドル(約168億円)を投じて製作を再始動させ、2024年についに完成させたのだった。

俳優陣では「スター・ウォーズ」シリーズのアダム・ドライバーが天才建築家カエサル役で主演を務め、カエサルと対立する市長キケロ役でドラマ「ブレイキング・バッド」シリーズのジャンカルロ・エスポジートキケロの娘ジュリア役でドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」シリーズのナタリー・エマニュエルが共演。2024年・第77回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品。

一方で、50年以上前に名作を残している往年の俳優が共演しているのは見どころだ。「真夜中のカーボーイ」(1969)で共演したダスティン・ホフマンジョン・ヴォイトが55年ぶりに再共演を果たしている!フランシス・フォード・コッポラ実妹タリア・シャイア(「ゴッドファーザー」で3男マイケルの妹役、「ロッキー」のヒロイン)も主人公の建築家の母親役で出演。

メガロポリス」撮影時、コッポラ監督85歳!ホフマン87歳、ヴォイト86歳!シャイア78歳!。20世紀の最後のレジェンド俳優、健在なり…だった。

<ストーリー>
21世紀、アメリカをローマ帝国になぞらえた未来都市「ニューローマ」。そこでは、富裕層と貧困層の格差が社会問題となっていた。

そんな中、新都市メガロポリスの開発を進める建築家のカエサル・カティリナ(アダム・ドライヴァー)と、財政難の折、利権にしがみつく市長のフランクリン・キケロジャンカルロ・エスポジート)が激しく対立する。

さらには一族の陰謀も渦巻く中で、カエサルは危機に立ち向かう。
カエサルは「未来は対話の中で創られるもの、固定されたユートピアなどではない」とのメッセージを発する。

<キャスト>
カエサル・カティリナ:アダム・ドライバー…大災害に見舞われ廃墟と化した現代アメリカの街を再建しようとし、時間を“止める”力を持つ理想主義的建築家。
■フランクリン・キケロジャンカルロ・エスポジート…市長。汚職まみれで現状維持派。公共福祉よりもカジノ建設へ邁進。 
■ジュリア・キケロ:ナタリー・エマニュエル…キケロの娘。
■ワウ・プラチナム:オーブリー・プラザ…金融ニュース専門のテレビ司会者。
■クロディオ・パルチャー:シャイア・ラブーフカエサルのいとこ。
■ハミルトン・クラッスス3世:ジョン・ヴォイトカエサルの裕福な叔父で、クラッスス国立銀行の頭取。
■フンディ・ロメイン:ローレンス・フィッシュバーンカエサルの運転手兼助手。
■コンスタンス・クラッスス・カティリナ:タリア・シャイアカエサルの母。
■ジェイソン・ザンダーズ:ジェイソン・シュワルツマンキケロの側近。
テレサキケロ:キャサリン・ハンター…キケロの妻。
■ヌシュ・バーマン:ダスティン・ホフマンキケロフィクサー
■ヴェスタ・スウィートウォーター:グレース・ヴァンダーウォール…ティーンポップスター。
■クロディア・パルチャー:クロエ・ファインマン
■チャールズ・コトープ:ジェームズ・レマー
■スタンリー・ハート:D・B・スウィーニー…コミッショナー
■クロディーン・パルチャー:イザベル・クスマン
■ヒューイ・ウィルクス:ベイリー・アイブス
■クローデット・パルチャー:マデリン・ガーデラ
■アラム・カザンジアン:バルサザール・ゲティ…クロディオの右腕。
■記者:ロミー・マーズ
■ヘイリー・シムズ:サニー・ホープ・カティリナ

<スタッフ>
脚本・製作・監督:フランシス・フォード・コッポラ
協力・セカンドユニット監督:ロマン・コッポラ
撮影監督:ミハイ・マライメア・Jr

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