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ドラマ「死ぬほど愛して」(ABEMAオリジナル、2025年、全8話)を一気見する。

ドラマ「死ぬほど愛して」(ABEMAオリジナル、2025年、全8話)を一気見する。成宮寛貴が8年ぶりに俳優に復帰したミステリー・ホラー作品。成宮が演じるのは、表と裏の顔を持つ二重人格の殺人鬼。共演は「変な家」の瀧本美織(みおり)「武蔵 -むさし-」の細田善彦「侍タイムスリッパー」の山口馬木也「淵に立つ」の筒井真理子ほか。

魅惑的な殺人鬼・真人と妻の澪。彼らを取り巻く登場人物たちの、さまざまに歪んだ愛の形。「愛」と「狂気」の行き着く先は果たして…というのがドラマのうたい文句。

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<簡単なあらすじ>
一流企業に勤めるエリートサラリーマン・神城真人(成宮寛貴)は、パティスリーで働く妻の澪(瀧本美織)と共に幸せな結婚生活を送っていた。

ところが近所で起きた「女性記者・南沢夕陽殺人事件」をきっかけに、2人の周囲は騒がしくなっていく。

事件を追いかける警部補・富沢(山口馬木也)。何かを隠しているパティスリーの同僚の小山田丈治(片桐仁)と小泉彩葉(田中美久)。さらに真人と澪の周囲を嗅ぎ回る謎の男(細田善彦)の目的とは。

次々に暴かれていく神城真人の裏の顔とは…。

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【一部ネタバレあり】

過去に阪神淡路大震災で両親を失った兄妹の数奇な運命とその後の生きざまが描かれるが、その背景に恐るべき事実(他人に成りすます)が隠されていた。

一見平和そうに見える夫婦間だが終始どこか不気味な違和感を覚える。夫は妻を完全にコントロール。妻は洗脳された状態にあり、夫が保険金目当てに妻に対して微量の薬を飲ませ続けるなど、その原因が明かされていくとき、恐ろしい狂気の世界が広がっていく。

夫の異常さに気付かない妻に「まったく能天気だ。平和ボケしているのか」と観客としては苛立ちを覚える。

一方、警察や記者が犯人の工作や隠滅を打ち砕き、殺人犯にたどり着くまでの過程は、そこまでやるか(可燃ごみ袋から生命保険加入案内書類や「あるもの」が見つかるのはタイミングがよすぎる)などは小道具の扱いとして手が込んでいる。

胡散臭い週刊誌記者かと思ったが、この記者が実は善人で、自身の娘が殺された過去があって、執拗に犯人を追い詰めるために独自に調査をしていたのだ。

自身の部屋の壁壱面に貼られた写真や記事の切り抜きの膨大さには驚くばかり。
また、7話あたりの殺人鬼・真人の行動、たとえばガラス窓を割っての形相は「シャイニング」のジャック・ニコルソンそのもので思わず吹き出してしまう。

タイトルの「死ぬほど愛して」は「アモーレ、アモーレ、アモーレ、アモレミオ~♪」で有名なイタリア映画の名作「刑事」のメインテーマ曲のタイトルと同じ。

 クラウディア・カルディナーレの絶叫

ドラマでは、そのタイトルが朱色でおどろおどろしい雰囲気。夫が殺人鬼と知っても別れようとしない妻は洗脳から抜け出せないからか、惚れた弱みなのか(笑)。最後は身ごもって笑みさえも。

ルックスが二枚目というだけで、何人もの女が近づき真人に殺害されたりしたが、それなりの地位にある女性から「(真人には)知性と教養がない。それが身に着いたらまた会いに来て」とズバリ指摘されると、まともな教育を受けてこなかった真人は、図書館で複数の本を借りてにわか勉強を始め、イメチェンを図って女の前に現れるのだ。

投資家の長野を演じる筒井真理子の真人に迫るお色気攻撃もすさまじい…。狙った獲物は逃がさないという女王様気取りで、強面のボディガードを複数人操っているのだ。

全体的には2時間サスペンスを1話40分、8話に引き延ばした感が否めないのは残念。

成宮寛貴は2016年12月に薬物使用疑惑が報じられ、それを否定したものの、芸能界の引退を発表していたが、今回のABEMAのドラマで復帰。不祥事、問題を起こした俳優の復帰は地上波でなく配信などが多いようだ。

<主な登場人物>
■神城澪(かみしろ みお):瀧本美織…37歳。1年前に真人と再婚。スイーツ店でパート。同級生で親友のカウンセラーは澪は共依存状態と判断。
■神城真人(かみしろ まさと):成宮寛貴…42歳。一流の電機会社に勤めるエリート。表向きは平和なサラリーマン。裏の顔は過去に何人も殺害してきた殺人鬼。妻に保険をかけ、殺害をもくろむ。起業と称して資金を投資家の愛人からだまし取ろうとする。
■石黒颯馬(そうま):細田善彦…澪と真人のマンションの隣の部屋に越してきた謎の男。実は週刊誌記者。真人の裏の顔を調査中で、自身の部屋から真人の言動などを盗聴器で探っている。
■南沢夕陽:久間田琳加(りんか)…週刊誌記者。殺人事件の被害者。
■池田:袴田吉彦…週刊誌編集長。
■小山田丈治:片桐仁…澪が働くスイーツ店のパティシエ兼オーナー。いかにも怪しげな夕陽殺害の容疑者となる。同僚の彩葉からデリヘル嬢との行為を録画されゆすられている。
■小泉彩葉(いろは):田中美久…28歳。澪が働くスイーツ店の社員。
■百瀬絵里:しゅはま はるみ…澪が働くスイーツ店の同僚。
■瀬川水樹(みずき):松井玲奈(れな)…澪の親友で心理カウンセラー。澪の心身は共依存状態と判断し、原因の一部とみられる夫とのヨガを止めるように忠告。
■長野真澄:筒井真理子…投資家。真人と不倫関係にあり、真人の起業に資金援助している。裕福で身辺に用心棒が数人いる。
■富沢:山口馬木也…警部補。小山田丈治を殺人の容疑で拘束するが、石黒などの情報で、真人を真犯人としてゼロから捜査をスタートする。

Netflix で配信中。

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