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【SKIP映画祭】国内コンペ作品:「バトルクライ」(2020)を見た。長編CGアニメ。

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バトルクライ」(2020)を見た。「SKIP映画祭」国内コンペ作品の1本。国際コンペ出品作品を8本見たので、国内作品も見てみた。タイトルのバトルクライとは、辞書によると「大勢で突撃するときなどにあげる叫び声鬨 (とき) の声。例「喊声(かんせい)を発して突入する」とある。

それはともかく、谷中屋という監督によると「ほぼひとりで作った長編CGアニメーション」というから驚きだ。しかも声優には声優養成所の生徒の協力によりキャラクターに生命を吹き込んでもらったという。

作品は、圧倒的なストーリーと映像がいい。

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舞台は1980年代、架空の日本。休暇で日本に帰国していた兵隊のソウジは、世界銀行から派遣されたハヤに頼まれ、日本社会に蔓延するゴールデンモンキーという麻薬の実態を探る任務を手伝うことになる。

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映画「2049」にも似た未来的な幾重にも交差する高架線や空中を飛んでいるかのようなモノレール、香港の街並みにも見えるカラフルな建造物が目を引く。

しかし、標識などを見ると、紛れもなく日本であり、新宿、荒川、上野であり、アジアを思わせる”リトル・サイゴン”と呼ばれる上野の一角も登場する。

路面電車が走り、赤ちょうちんのあるレトロな日本の景色、女郎屋のような屋敷も出てくる。

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主人公の外国のエリート大学を出た高学歴インテリ女子ハヤは、「私のような美人と仕事ができるなんて」とうぬぼれも強いが、意識高い系キャラが炸裂する。

麻薬により、得体の知れないモンスターが登場するという設定は荒唐無稽だが、日本の現状が瀕死の状態にあることを警告しているようにも取れる。このままの日本では、ますますどん底に落ちるというメッセージかも知れない。

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CGで創造したキャラクターは、リアルな3Dの人物とは違って、むしろアニメ漫画に近いが、顔に映る影の動きなどがおもしろい。ゴミゴミとした雑踏のような背景には引き込まれる。香港の繁華街・九龍などを念頭に置いたようだ。

映像に目が釘付けになるといった映画だった。

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■監督・キャスト

■監督:谷中屋
■声の出演:富田慎也、福田優生、上野山航、藤間よしの、森俊秀、神頼人、土田ゆきな

■2021年/日本/75分

www.youtube.com

監督のコメント:

アミューズメント施設は、香港の中国返還に伴って消失した巨大なスラム街「九龍(クーロン)城」をモチーフにしている。そのゲームセンターを参考にして街の美術設計はしていきました。

多国籍でいろいろな人間が生きている「移民村」みたいな東京をイメージしていて、どういう街なみがいいのかなと思ったとき、香港じゃないですけどウェアハウスみたいな雑多な雰囲気がいいのではないかと思いました。

オリジナル・ストーリーは、1980年代、架空の日本が舞台。休暇で日本に帰国していた兵隊のソウジが、世界銀行から派遣されたハヤと出会い、巻き込まれる形で、日本社会に蔓延するゴールデンモンキーという麻薬の実態を探るミッションに挑むことになっていく。舞台設定にしても人物設定にしても、物語の背景にしても、非常にいまの社会が透けて見えてくる気がする。」