「ミス・リベンジ」(原題: Miss Bala、2019)を見る。メキシコ麻薬戦争の闇に挑む女性の壮絶な復讐劇を描いたサスペンスアクション。日本での劇場公開はなく、2019年9月4日にDVDが発売された。
監督は「トワイライト 初恋」のキャサリン・ハードウィック、主演は「バーニング・オーシャン」のジーナ・ロドリゲス。2011年に公開されたメキシコ映画「MISS BALA/銃弾」のリメイク作品。
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メーキャップ・アーティストのグロリア(ジーナ・ロドリゲス)は親友のスズ(クリスティーナ・ロドロ)に会うために、メキシコのティフアナを訪れていた。ところが、スズがナイトクラブで行方不明になるという事件が発生してしまう。
グロリアはスズの救出を警察に依頼したが、汚職警官の裏切りに遭い、麻薬組織に身柄を引き渡されることとなった。身の安全と引き替えに、グロリアは麻薬組織のために働かざるを得なくなってしまった。
米・メキシコ国境地帯は麻薬組織と麻薬取締局が熾烈な闘争を繰り広げている場所だ。一般人にすぎないグロリアはいきなり闘争のど真ん中に放り込まれたのだ。絶望的な状況だったが、グロリアは必死の思いでその環境に適応していくのだった。
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「ボーダーライン」に似た設定だなと思ったら、製作陣が「ボーダーライン」を製作したチームで納得。
アメリカとメキシコン国境のメキシコ側の都市ティファナが舞台。この地域は、麻薬の密輸、アメリカへの密入国の案内、誘拐、人身売買など何でもありの地区のようだ。
警察官も悪徳警官がある程度の数で存在するようで、グロリアが麻薬カルテルに拉致され、彼らの仕事を手伝う羽目になったり、そこからやっと、必死に逃げ出したにもかかわらず、アメリカの政府組織のDEA(麻薬取締局)のエージェントにまた拉致されることになる。
親友のスズを助けたかったら、麻薬組織の指示に従って、麻薬を運べと命令される。麻薬の支払いは、お金の札束をグロリアの身体に巻き付けられる。
一方で、アメリカ側のDEA(麻薬取締局)からはスパイとなって、麻薬組織のボスの居場所を教えれば、グロリアとスズを助け出すというのだが…。
グロリアがDEAの指示通り動くと、DEAからポイ捨てのような状態になり、グロリアの復讐は、麻薬組織とDEAや悪徳警官、署長の両方に向けられることになる。
ジミーという麻薬組織のボス・リノの仲間だと思っていた男に目隠しをされていたグロリアが目隠しを外されると、ジミーの後ろには、なんとCIAのロゴが見えた。ジミーは、実はDEAの麻薬潜入捜査官だったというオチがあった。
ジミーとグロリアの会話。
ジミー:「大変な夜だったようだな、グロリア。カルテルのリーダーとティファナの警察署長を殺した」
グロリア:「あなたの銃でね」
ジミー:「君のような人材がウチには必要なんだ」
グロリア:「その前に頼まれて欲しいことが二つある。すぐここから出して私の容疑を全部取り消して。それからもう一つ。スズを釈放して」
この流れで見ると、グロリアはCIAの一員になりそうなエンディングだった。
映画の銃撃戦などのアクションは見どころ。
【主な出演者】
■ジーナ・ロドリゲス:グロリア…メーキャップ・アーティスト。リノに拉致されて事件に巻き込まれる。父は亡くなっている。
■イスマエル・クルス・コルドバ:リノ…麻薬カルテルのリーダー。
■アンソニー・マッキー:ジミー…CIAの潜入捜査官。
■ダミアン・アルカザール:サウセド…警察署長。
■アイスリン・デルベス:イザベル…麻薬カルテルに脅されている女性。
■マット・ローリア:ブライアン…捜査官のリーダー。
■クリスティーナ・ロドロ:スズ…グロリアの親友。小学生の弟がいる。ミスコンに出場するほどの美人。
■リカルド・アバルカ:ポロ…麻薬カルテルのメンバー。
■トーマス・デッカー:ジャスティン