「RENT/レント」(原題:Rent、2005) を見る(Netflix 配信がまもなく終了で)。
1989年から1990年のニューヨーク、マンハッタンのイースト・ヴィレッジを舞台にしたミュージカル・ドラマ。監督は「ホーム・アローン」「ハリー・ポッター」シリーズのクリス・コロンバス。原作のジャコモ・プッチーニのオペラ「ラ・ボエーム」のブロードウェイ・ミュージカル「レント」を映画化した。
複数のボヘミアンの命、性、薬物、レント(家賃)の支払いへの悩み、そしてエイズの陰で生きる8人の人生について描く群像劇。
楽曲の中では、オープニングと劇中で歌われる「Seasons of Love」が印象に残る。
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1989年のニューヨーク、クリスマスイヴの夜。
HIV感染者の元人気ロックバンドのメンバー、ロジャーと若手映像作家を目指すマークは、共同で暮らすロフトの家賃を滞納したため電気を止められていた。
そこへかつての仲間であり、現在は金持ちの資産家となったベニーが家賃の催促に来る。今は関係性が変わったが、彼は密かに若手芸術家の手伝いをしたいと考えていた。
このロフトには多くの若者が暮らしていた。
ロジャーが恋をしているのは、下の階に住む麻薬中毒のダンサー・ミミ。
哲学教授のコリンズは、ドラッグ・クィーンのエンジェルと恋に落ちている。
2人はHIV感染者ということで共通点があり、心惹かれあったのだ。
しかし、ベニーはロフトの立ち退き計画を実行したくて話を進めようとする。
それに抗議したのがマークの元恋人でパフォーマーのモーリーン。
彼女は抗議のライブを開催したのだ。
しかし抗議も虚しく大晦日にロフトは閉鎖されてしまう。
こうして仲間たちは徐々に生活が変化していき、1年後すでにHIVを発病していたエンジェルが亡くなる。
仲間たちは、自分たちは残りの人生を精一杯生きていこうと、固く決意するのであった。
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舞台がニューヨーク、マンハッタンのイースト・ヴィレッジで低所得層が住む地域でゴミゴミしているが、実際の撮影は、主にサンフランシスコのスタジオなどで撮影されたようだ。
家賃(RENT)が払えないなど、いろいろな問題を抱えた若者達の物語。現代のアメリカの若者が抱える問題(少数民族、性的少数者、麻薬中毒や HIV/AIDSなど)が描かれている。
「Seasons of Love」の歌詞に「52万5600分」とあるが、これは1年を「分」に直した数。「52万5600分」という1年をどう数えるのか。夜が明けた数?コーヒーを飲んだ数?笑った数?それとも愛の数?一生のうちのたった1年。
しかし、RENTでは1年がどんなに大切なものか、1年がどれだけかけがえのない時間かを訴えている。様々な問題や病気を抱えて生きている人達にとって、1年はとても重要で大きな意味があるのだと。
出演者のほとんどがブロードウエイのオリジナルメンバーで、映画としては無名俳優ばかり。その点では「コーラスライン」にも通じる。
一見の価値ある映画だった。