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映画「アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方」(原題:The Apprentice、2024)を見る。

 

映画「アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方」(原題:The Apprentice、2024)を見る。頭皮とお腹のでっぱりの手術も含めてかなりリアル。

成功を夢見る20代のトランプがトップに成り上がるまでの道のりを描いているが、演じている「キャプテン・アメリカ」シリーズのセバスチャン・スタンが、外見のほか、声のトーン、語り口など本物そっくり。原題は「見習い」の意味。

監督は「ボーダー 二つの世界」(2018)がカンヌ国際映画祭「ある視点部門」のグランプリを受賞したアリ・アッバシ。トランプへ幾度もインタビューを行った政治ジャーナリスト、ガブリエル・シャーマンが緻密なリサーチのもと脚本を書き上げたリアルストーリー。 

ドナルド・トランプを形成した勝つための3つのルール>
純粋な青年だった若きトランプ(セバスチャン・スタン)に大きな影響を与え、その驚愕の変貌のカギを握るのは、勝つためには手段を選ばない悪名高き弁護士ロイ・コーン(ジェレミー・ストロング)。

不動産業界で破産寸前にまで追い込まれていた当時のトランプが、政財界の実力者が集まる高級クラブでコーンと出会い、彼から教えられた「勝つための3つのルール」を実践しながら数々の大事業をおもしろいように成功させていく。

■ルール1:「攻撃、攻撃、攻撃」
常に攻撃すること。「勝ちたいならなんでもやれ!」というコーンの教えに素直に従ったトランプ。事業に協力してくれないエドワード・アービング・コッチNY市長をメディアで叩いたり、グランド・セントラル駅の近くのコモドアホテルを買収し、1500室からなる世界一の高級ホテルの建設に乗りだす。

さらに、マンハッタン区ミッドタウン5番街に58階建てのトランプタワーを完成させ、ニュージャージー州アトランティックシティへのカジノ誘致をはじめとした数々の事業と次々に着手していく。

■ルール2:「非を絶対に認めるな」
批判など関係ない。「非を絶対に認めるな!全否定しろ」。コーンは「批判などどうでもいい。そんな基準は存在しない。たった1つの真実など人が作ったフィクションだ。大切なのは勝つこと。それしかない」と言う。トランプはこの言葉も信じて邁進していく。

■ルール3:「勝利を主張し続けろ!」
劣勢でも敗北しても勝利を主張せよ。コーンは「これが最も重要だ」と説く。「どれだけ劣勢に立たされても勝利を主張しろ。決して負けを認めるな!それが勝利のルールだ」と。

・・・
この3つのルール、攻撃性、全否定、負けを認めない…というのは、いまのトランプを見ていると、まさにそうだなと思わせる。

またスローガンの「Make America Great Again」(MAGA)は、もともとロナルド・レーガンが1980年の大統領選挙で使用していたが、ドナルド・トランプも2016年、2020年、2024年の選挙で使用している。とくに「Again(再び)」がお気に入りのようだ。

トランプは若いころ政治家への転身を打診された時に「政治家は9割以上がバカばかり。政治家をカネで動かすんだ」と語っている。幼少期のころ、ニューヨーク州クイーンズ区で過ごしたが、そのことには触れたがらない。

トランプの批判記事を書いてきたトニーという記者をあえて指名して「カネを出すからいい記事を書け」と言ってのける。

トニーが「(読者の関心を高めるためにも)幼少期に暮らしたクイーンズについて…」と聞くと「過去の深堀りはやめてくれ」というのだ。よほどの知られたくない黒歴史でもあったのか(笑)。

トランプが、財政的に苦境に立たされた時、認知症を患った父親に署名をさせようとするシーンがあり、母親が「判断ができないのだから署名させないでほしい」という。

その後、「フレディ(ドナルドの父親)はくたばった」というと、母親が強い剣幕で「フレディの名前を出すのはよしなさい」と怒るのだ。

幼少時代から父と子での確執があったようで、そのあたりの記憶がクイーンズと結びついていたからかもしれない。

また、当時の妻に対して、トランプは「チェコ出身のお前を拾ったのはオレだ」と毒づくと妻は「あなたは何処の出身?クイーンズでしょ」とやり返し、取っ組み合いとなり卑劣な行為に出るのだ。

弁護士ロイ・コーンがエイズの噂が立つと、トランプは、医者にエイズはどういう経路で感染するのかを尋ねたりする小心者のところもある。

頭皮手術も一部をナイフで切開して、肉片を取り出した後、ホチッキスでバチバチバチ…というのは生々しい。

どうしてこうした「怪物」で出来上がったのか、の一部を垣間見ることができた。トランプ自身はこの映画をどう見たのか、上映中止を働きかけなかったのか定かではない。真実はこんなものではないとほくそ笑んでいるのかもしれない(笑)。

 そっくり

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