映画「サンセット・サンライズ」（2024）は楡周平の同名小説を、宮藤官九郎脚本で映画化したヒューマンコメディ。監督は「あゝ、荒野」「正欲」の岸善幸。主演は菅田将暉。共演は井上真央、竹原ピストル、池脇千鶴、山本浩司、好井まさお、小日向文世、中村雅俊など。
新型コロナウイルスのパンデミックで世界中がロックダウンに追い込まれた 2020 年。リモートワークを機に東京の大企業に勤める釣り好きの西尾晋作(菅田将暉)は、４LDK・家賃6万円の格安物件に一目惚れ、都会から宮城県南三陸に移住。
何より海が近くて大好きな釣りが楽しめる三陸の町で気楽な“お試し移住”をスタートする。仕事の合間には海へ通って釣り三昧の日々を過ごす。
そんな時、漁村にある百香（ももか）のアパートによそ者が住み着いているといううわさが広がり「モモちゃんの幸せを祈る会」メンバーがアパートに押し掛けるのだが…。
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東日本大震災（2011年3月11日）の爪跡が残り、あわせて新型コロナのパンデミックが広がる東北・三陸の町。若い人は都会に出てしまうなど空き家が多くなり、その対策に苦慮する地元の役所。
役所に勤務する関野百香（ももか、井上真央）は、アパートの大家でもあり町のマドンナ的存在。百香に一度はプロポーズをするも断られた男たちは「モモちゃんの幸せを祈る会」を結成し、10年が過ぎようとしていた。
平穏な日常が続く田舎町。東京からの旅行者などとの接触は避けるようにというのが役所をはじめ近隣のお約束事。空き家を宿泊施設にして町に活気を取り戻そうという計画が進行中。その責任者となったのが百香。
その百香の空家に夜になっても電気がついていると、近所の住人が発見。「祈る会」メンバーが百香に聞くと「私が住もうと思っている」とごまかすが、怪しげな男が出入りしているとうわさに。
これと言って大きなニュースや事件は起こらないが、東北人にとって東京に対する偏見あるある。東京はあこがれの場所であると同時に「東京人は、東北6県の名前すらいえない」と不満。
東京人は東京人で「被災地の人は、なんでもやってもらって当たり前」という考えもあるという見方も。センシティブな題材を扱いながらも、ユーモアもあり、ラストは急展開すぎるきらいはあるが、希望と明るさを表していた。
タイトルは、空き家から見る夕陽の美しさ（サンセット）と朝日の美しさ（サンライズ）を表している。ミュージカル映画「屋根の上のバイオリン弾き」のメインテーマ曲である「サンライズ・サンセット」とは逆で、多少違和感があるが（笑）。
＜主な登場人物＞
■西尾晋作：菅田将暉…東京の大手企業「シンバル」の社員。東北に居を移し、リモートで仕事をする。あっけらかんとしているが行動力はある。
■関野百香：井上真央…市役所勤務。結婚歴があるが、一人になって10年。慎重タイプ。地域のマドンナ的存在。地元の空家を埋めるプロジェクトの責任者となる。
■関野章男：中村雅俊…百香の義理の父。漁師。
■倉部健介（ケン）：竹原ピストル…居酒屋「海幸」の店主。百香への想いを断ち切れずにいる。「祈る会」メンバーの一人。
■大津誠一郎：小日向文世…晋作が勤務する会社「シンバル」の社長。
■姫川玲香：あべまみ…大津社長の秘書。
■山城進一郎：山本浩司…ケンの友人で、のちに新町長になる。
■平畑耕作：好井まさお…ケンの友人で、役場の職員。
■澤村千佳：藤間爽子…晋平の同僚社員。
■玉木桜子：茅島みずき…晋平の同僚。帰国子女。
■黒川重蔵：ビートきよし…干物爺さん。噂好き。
■狩野和彦：半海一晃…役場の課長。百香の上司。
■小柳課長：宮崎吐夢…晋平の上司。
■平野武則：少路勇介…晋平の同僚。
■村山茂子：白川和子…晋作の住むアパートの高齢（80歳）の隣人。晋作に食べものの裾分けをするなど、なにかと親切にする。パチンカー。
■村山信夫：松尾貴史…茂子の長男。
■西尾淳一：みのすけ…晋平の父。
■西尾雅恵：長野里美…晋平の母。
■高森武（タケ）：三宅健…ケンの友人で、パチンカー。
■持田仁美：池脇千鶴…百香の同僚。
■船上のカップル：松浦祐也（釣り客の金髪男）
円井わん（金髪男の彼女）
■西尾晋二：川合諒…晋平の弟。
■本間剛：村上大樹…茂子の息子。
■関野秀典：大迫一平…百香の夫。
■関野良太：千北怜衣…百香の息子。
■関野瑞希：千北奈々…百香の娘。
■関野百香邸を借りた女性：小野寺ずる、高山璃子
■ニュースキャスター：藤田真奈美
■アナウンサー：多田羅りか、林宙紀
井上真央は久しぶりに見たが、変わらずで安心。池脇千鶴は逆に激変ぶりに驚いた。
●Netflixで配信中。
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