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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「男と女 人生最良の日々」(クロード・ルルーシュ監督、2019)「男と女」の53年後を描く。

     

映画「男と女 人生最良の日々」(原題:仏: Les plus belles années d'une vie、2019)は、1966年公開の映画「男と女」の続編。「男と女」の印象的なシーンを回想のように使いながら二人の53年後を描いている。監督のクロード・ルルーシュ主演のアヌーク・エーメとジャン=ルイ・トランティニャン、音楽のフランシス・レイなど当時のスタッフとキャストが再結集した。

<ストーリー>
とある海辺の老人ホームで余生を送る元レーシングドライバージャン・ルイジャン=ルイ・トランティニャン)、今では徐々にかつての記憶を失い始めていた。ジャン・ルイの息子アントワーヌ・デュロック(アントワーヌ・シレ)はそんな父のため、父がずっと追い求めている女性アンヌ(アヌーク・エーメ)を捜し出すことを決意。その思いを知ったアンヌはジャン・ルイのもとを訪ね、別々の道を歩んできた2人はついに再会を果たす。

・・・
「Z」で精悍な予審判事を演じたジャン=ルイ・トランティニャンが、90歳近いとはいえしわくちゃじいさんになっているので、時代の流れ、残酷さを感じる。一方のアヌーク・エーメは年輪を感じさせるが、老人ホームでは、車いすのトランティニャンを押すのだが…。

この映画の撮影時、ルルーシュ監督は82歳。トランティニャンは88歳(2022年6月18日91歳没)、アヌーク・エーメは87歳(2024年6月18日92歳没)。ともに亡くなる直前に53年ぶりの再会をテーマにした映画が撮影できたことは奇跡。

トランティニャンは、介護施設の看護師から「お子さんは何人?」と聞かれて「7人。あちこちに」(笑)と応えたり、チャーミングな女性(職員)には「私と寝ないのか?」などと何度も口説き文句を言う。その一方で、昨日の食事の内容は忘れても詩などは正確にそらんじていて、看護師に感動を与えるのだ。

アヌーク・エーメが運転する車が、速度が遅いと警官に呼び留められると、トランティニャンが運転を交代し、全速力で飛ばす。今度は、警官から「80キロ以上出ていた」と言われると「100キロ以上だ」と反論する。警官は「50年前にバカなマスタング(のドライバー)がいて、規則が変わった」というと、「それは俺だ」と返すのだ。

ユーモアも混じって、見どころはあった。娘の一人としてモニカ・ベルッチがワンカット出演していた(美貌は変わらなかった。笑)。

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シャバダバダ、シャバダバダ♪
あの音楽が流れるのは懐かしい。


<主な登場人物>
■アンヌ・ゴーティエ: アヌーク・エーメ…元映画プロデューサー。
ジャン・ルイ・デュロック: ジャン=ルイ・トランティニャン…元レーサー。50年以上前のアンヌの写真を持っている。
■アントワーヌ・デュロック: アントワーヌ・シレ…ジャン=ルイの息子。
■高齢者介護施設の責任者: マリアンヌ・ドニクール
■フランソワーズ・ゴーティエ: スアド・アミドゥ…アンヌの娘。獣医。
■エレナ: モニカ・ベルッチ…ジャン=ルイの娘。
■テス: テス・ローヴェルニュ


<スタッフ>
監督:クロード・ルルーシュ
脚本:クロード・ルルーシュヴァレリー・ペラン
撮影:ロベール・アラズラキ
音楽:フランシス・レイ、カロジェロ

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映画「インサイド・マン2」(原題:Inside Man: Most Wanted、2019)クライムアクション。

 

映画「インサイド・マン2」(原題:Inside Man: Most Wanted、2019)は、2006年公開のスパイク・リー監督による犯罪スリラー映画「インサイド・マン」の続編。前作とは監督やキャストが異なり、新たな物語が展開される。前作同様の緊張感と巧妙なプロットでスリリングな展開が最後まで飽きさせないが、俳優陣、音楽などで前作と比べると見劣りがする。

<ストーリー>

武装した銀行強盗グループが連邦準備銀行を襲撃し、多くの客を人質に立てこもる事件が起こる。その方法は数年前に起きたの銀行強盗事件と同様な手口で、人質に強盗団と同じユニフォームを着せるというもの。

強盗団のリーダーは冷静で計画的なアリス・ギブソンロクサンヌ・マッキー)で、彼女たちは銀行の金庫室へのアクセスを要求し、巧妙な計画を実行していく。

解決に当たるのはニューヨーク市警(NYPD)の刑事で交渉人のレミー・ダーボン(アムル・アミ―ン)とFBIの交渉人ブリン・スチュアート(レイ・シーホーン)。

 

2人はこの事件の背後に隠された真実を探り、銀行強盗団に立ち向かうが、事件現場に駆けつけた警察と交渉人が、事件の裏に隠された“真の目的”に迫っていくが…。

・・・

前作に劣らず頭脳戦、駆け引きがスリリングに描かれていく。

<クライマックスでは、まさかのどんでん返し>

強盗団のリーダーと思われていた人物は、実は囮(おとり)だった。真の黒幕は、なんと警察関係者として現場に潜り込んでいた女性だった。彼女は一切の証拠を残さず、見事に完全犯罪をやり遂げてしまうというオチ。

<主な登場人物>

レミー・ダリス:アムル・アミ―ン…ニューヨーク市警(NYPD)の刑事で、事件解決のために奔走する人質交渉人。

■ブリン・スチュワート:レイ・シーホーン…FBI捜査官で、FBIの講師も努める。ダリスと協力して事件の真相に迫る。

■アリエル・バラッシュ/アリス・ギブソン:ロクサンヌ・マッキー…金髪の銀行強盗の主犯。「お尋ね者(指名手配中)」。冷静かつ計画的な人物。目的は銀行の金庫室に隠されたナチスの財宝とその関連書類を手に入れることだが、真の目的は…。

エヴァ・バラッシュ:ジェシカ・サットン…銀行強盗団の1人。

■ジョゼフ:ウルス・レヒン…銀行強盗団の1人。

■アンシュ・ラマチャンドラ:アクシャイ・クマール…FBIエージェント。

・・・

ナチスの残した金塊は無事、と思わせておいて実は金塊を溶かして柵の形にして、清掃業者に化けた犯人たちが運び出したという大掛かりな仕掛け。

アリエルが強盗を計画したのは、アリエルの兄ダルトンラッセル(クライブ・オーウェン)が、前作でネオナチに人質にとられていたのを救出するため?そしてブリンに最後の仕事を託し、ネオナチに金塊を引き渡す役割と見せかけて全員を逮捕するという作戦だった。

エンディングでは、一件落着したことから、ダリスがブリンにお疲れ様の意味で「お茶をご馳走するよ」というシーンで終わるが、アリエルはどうなったかなどの説明もなく、まだ続編がありそうな終わり方だった(2025年の時点で第3弾はなし)。

 

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【映画無料上映】「台湾映画上映会2025」(サスペンス大作「余燼」:5月25日など)

台湾文化センターによる「台湾映画上映会2025」が、5月~10月にかけて、全8回開催される。料金:無料(※事前申し込み制)

<上映作品>
①「タイペイ、アイラブユー」
②「余燼」
③「猟師兄弟」
④「赤い柿 デジタル・リマスター版」
⑤「燃えるダブルス魂」
⑥「夫殺し デジタル・リマスター版」
⑦「優雅な邂逅」
⑧「ソウル・オブ・ソイル」

余燼」(原題:餘燼/英題:The Embers、2024)は、鬼才チョン・モンホン監督が台湾の歴史に挑んだサスペンス大作映画。第2回上映会として、5月25日(日)に慶應大学三田キャンパス西校舎ホールにて開催される。

タイトルの余燼(よじん)とは、燃え残りのこと。
映画「余燼」の上映後、チョン・モンホン監督のオンラインでの登壇を調整中という。また「台湾文学の中心にあるもの」(イースト・プレス)が話題の台湾文学研究者の赤松美和子さんが登壇しトークイベントを行う。

本作は、台湾映画を牽引する鬼才チョン・モンホン監督(「ひとつの太陽」「瀑布」)が、白色テロを題材に、国家、歴史が絡む壮大なサスペンスに挑んだ問題作。チャン・チェン、モー・ズーイー(「親愛なる君へ」)が金馬奨主演・助演男優賞にノミネートされたことも話題になった。

【台湾映画上映会2025『余燼』上映会&トークイベント詳細】
日 時:2024年5月25日(日)※上映後にトークイベントあり
開 場: 12時30分
開 演: 13時00分(上映時間162分)
場 所:慶應義塾大学三田キャンパス西校舎ホール(東京都港区三田2-15-45)
登壇者:チョン・モンホン監督(※調整中)、赤松美和子(台湾文学研究者、日本大学文理学部教授)

≪参加無料、事前申し込み制≫
申込み受付:5/15(木)昼12:00から先着順。※整理番号付き

追加:12:01に申し込もうとしたら、すでに「満席」の表示。事前にもう決まっていたのか?(笑)。
・・・

<「台湾文化センター 台湾上映会2025」上映会概要>
「台湾映画上映会」は、台北駐日経済文化代表処台湾文化センターが開催する、台湾社会や文化への理解を深め、新しい台湾映画を発見する上映会。すべて日本初上映となる選りすぐりの8作品がラインナップされた。

主催:台北駐日経済文化代表処 台湾文化センター/Cinema Drifters/大福共催:日本大学文理学部中国語中国文化学科/慶應義塾大学東アジア研究所/早稲田大学中国現代文化研究所/東京大学持続的平和研究センター/大阪大学大学院人文学研究科/シネ・ヌーヴォ

台北駐日経済文化代表処 台湾文化センター≫
公式サイト:https://jp.taiwan.culture.tw

 

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映画「エクステリトリアル」(原題:Exterritorial、2025)ドイツのサスペンスアクション。

 

映画「エクステリトリアル」(原題:Exterritorial、2025)は、ドイツのアメリカ領事館内で息子が誘拐された元兵士の女性が、1人息子を救出すべく戦うドイツ発のサスペンスアクション。腕っぷしの強いアクションを見せて闘う女性が主役の映画は見ていて痛快。女性版「ダイ・ハード」と言えばわかりやすい。

主演はNetflix映画「オールドピープル」にも出演していたジャンヌ・グルソー。タイトルの「エクステリトリアル」は「治外法権」の意味で、この映画では大使館内のこと。

内容は「フライトプラン」(ジョディ・フォスター主演)に似ている。自分の子供が突然いなくなってしまい探し回るが、まわりの誰もそのことを知らないどころか、子供を連れてきていたということすら否定されてしまう。

さらに主人公サラはアフガニスタンの戦地の任務でPTSD心的外傷後ストレス障害)を患っていて、ときどきフラッシュバックに悩ませられるので、観客のわれわれさえもしかしたらと思い込む。

・・・
<ストーリー>
元特殊部隊の兵士・サラ(ジャンヌ・グルソー)。
夫を亡くし、最後の任務でPTSDを負ったサラは、新しい人生を始めるべく息子ジョシュと共にアメリカへの移住手続きのため、アメリカ領事館を訪れる。

しかし、わずかな隙に息子が行方不明になってしまう。領事館の職員や警備員たちは、「最初から一人で来た」「息子はいなかった」とサラを否定する。

防犯カメラにも証拠は残っておらず、孤立無援の状況になるサラ。「私は絶対に息子と来た。これは妄想なんかじゃない!」と突っぱねるのだが…。

なぜ息子が行方不明になったのか…が徐々に明かされる。

・・・
怒涛の展開と黒幕の正体が明らかになっていく展開は飽きさせない。サラが息子ジョシュを探していると、キラという女性が館内で軟禁されていた。キラの父親はロシアの大物で、マネーロンダリングの証拠を持つため命を狙われていた。

サラは「息子探しを手伝う代わりに脱出させて」と頼まれ、協力する。館内で警備や刺客たちと死闘が繰り広げられる。 

 

(以下ネタバレ)黒幕の正体は領事館の警備責任者キンチだった。PTSDの原因であるアフガニスタンの任務失敗も、キンチが裏で情報を売ったせいだった。アフガニスタンの失敗と隠された取引等を知っている唯一の生き残り兵士がサラだったからで、サラの息子の誘拐は、サラを誘拐する計画のカモフラージュだった。

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映画「スチューデント」 (原題:L'Étudiante、1988) はソフィー・マルソー主演の青春ドラマ。

映画「スチューデント」 (原題:L'Étudiante、1988) は、監督クロード・ピノトーによる仏・伊合作映画。原題は「学生」の女性形。アイドル青春映画「ラ・ブーム」「ラ・ブーム2」とほぼ同じ制作スタッフで、主演も同じソフィー・マルソー。「ラ・ブーム」シリーズでティーンのアイコンとなったマルソーが、大人の女性へと成長する過程を映した作品。ソフィー・マルソー演じる大学院生ヴァランティーヌが、教師になる夢と、情熱的な恋愛との間で揺れ動く姿を描いた青春恋愛ドラマ。
1980年代初めに「ラ・ブーム」で人気となったソフィー・マルソーが同じ製作スタッフで製作された映画で、マルソー21歳の人気絶頂期の作品。キュートで可愛いソフィー・マルソーを見る映画(笑)。生徒に教える補助教師もメガネでも美人はお得。

<あらすじ>
性格も、嗜好も、住む世界も、生活時間帯も対照的なヴァランティーヌ(ソフィー・マルソー)とネッド(ヴァンサン・リンダン)の2人。スキー場のロープウェイ車内で出会った2人は電話でお互いの声を確かめ、衝突しながらも時間をやりくりしてふたりの時を重ねる。

筆記試験に合格。次は大詰め口述試験。ヴァランティーヌがくじで引いた課題はモリエールの「人間嫌い」だった。行き違いをただそうと公聴会会場に追ってきたネッドを視野に認め、答弁を進める中で自らの感情を確かめ熱弁を振るう。

・・・
ヴァランティーヌ(ソフィー・マルソー)の恋の相手であるネッド(ヴァンサン・ランドン)は、クラシック音楽に打ち込む自由奔放な青年で、生活も不安定。そんな彼に惹かれながらも、現実的な将来への不安や、自立したいという思いから、ヴァランティーヌは葛藤する。

頼りなさそうな冴えない男ネッドが、悪友との留守電でヴァランティーヌと別れようと思っているという会話のやりとりを偶然聞いてしまったヴァランティーヌは、怒りと涙が。こんな男はこちらから御免こうむりたいと試験に集中するが、試験会場にネッドが現れて…。

最後には彼女が自分自身の進む道を見つけるきっかけにもなる。
美女と野獣、どう見ても釣り合いがとれないが、なぜかハッピーエンドとなる。ネッドが劇中の映画音楽用に作曲した音楽が印象的だった。

<主な登場人物>
■ヴァランティーヌ:ソフィー・マルソー
バスク出身。正義感が強く直情的でやきもちやき。ソルボンヌの古典文学を専攻する大学院生。バカロレア対策の予備校で、また外のコレージュ(中学校)でも補助教員として授業を担当。教員資格取得に向け試験準備に忙しい。
■ネッド:ヴァンサン・ランドン
政治に無関心で女にルーズ。28歳、離婚経験あり。国立音楽院を卒業した売れない作曲家、ジャズロックのバンド"Vol de Nuit"(夜間飛行)のキーボード・シンセサイザー奏者。地方公演に出ながら、映画音楽採用に向けデモテープ製作に忙しい。
セリーヌエリザベート・ヴィタリ
ヴァランティーヌの同級生でルームメイト。
■クレール:ブリジット・シャマランド 
看護婦。ヴァランティーヌのルームメイト。
■シャルリー:ジャン=クロード・ルゲ
ネッドの友人。
■パトリシア:エレナ・ポンペイ
ネッドの女友達。
■セルジュ・テシエ:クリスチャン・ペレイラ 
文学の教師。ヴァランティーヌのルームメイト。フランス国立行政学院進学準備中。

 

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映画「イコライザー THE FINAL」(原題: The Equalizer 3、2023)を見る。ハードボイルド・アクション・クライム映画。

映画「イコライザー THE FINAL」(原題: The Equalizer 3、2023)を見る。アクション・クライム・スリラー映画「イコライザー」シリーズの第3弾。スタイリッシュで暴力的な内容だが、主演のデンゼル・ワシントンが困っている人物、特に気に掛けた者に対しては見過ごす事をしない情け深い性格で、悪を懲らしめる展開が爽快・痛快。まさに”正義の味方”スーパーマン並みの必殺仕事人。ハードボイルドの勧善懲悪ぶりにスカッとさせられる。

 

<ストーリー>
元CIAトップエージェントのロバート・マッコール(デンゼル・ワシントン)は、昼は紳士的で勤勉な男、夜はイコライザーとしてこれまで数々の悪を抹消してきた。

ある時、訪れたシチリアでの[仕事]で負傷したマッコールは、辿り着いた静かな田舎町で温かく接してくれる人々に出会い、イコライザー引退を決意。

だがこの小さな町にも魔の手は忍び寄っていた。大切な人々が次々と凄惨な事件に遭うのを見て、マッコールは再び[仕事]を開始する。

しかしそれが引き金となり、事態はイタリア全土を巻き込む爆破テロ事件へと拡大してゆく…。

マッコールはイタリアのシチリア島にあるマフィアが経営するワイナリーを襲撃。そこへ帰宅したマフィアのボスに最後の機会を与えるが、聞き入れられず殺害。

目的の品を取り返して撤収しようとしたマッコールは、マフィアのボスの幼い孫から小口径銃で背中を撃たれてしまう。

マッコールはフェリーでイタリア本土までたどり着くがナポリ近郊の道路で力尽き、路肩に停めたレンタカーの中で意識を失っていた。

そこに通りかかった地元国家憲兵に属するジオ(エウジェニオ・マストランドレア)に発見され、近くの町アルタモンテで長年医者を務めてきたエンゾ(レモ・ジローネ)の元に運び込まれ治療を受ける。

銃創であることを追求せず、警察などにも通報しなかったエンゾやジオにマッコールは感謝しつつ、エンゾの計らいで町で療養を行うこととする。

一方、CIAのエマ・コリンズ(ダコタ・ファニング)はマッコールからワイナリーで偶然発見した代物について匿名の通報を受け、現場に赴くとワイナリーからテロリストに流れていると思しき大量の薬物や資金を発見し、捜査を開始する。

 エマ・コリンズダコタ・ファニング

マッコールは傷を癒しながら地元の人々と交流して互いに打ち解け「ここが帰るべき場所」と感じるまでに町での生活を気に入る。

しかし町にはならず者のマルコ(アンドレア・ドデーロ)たちが出入りしていた。マルコの兄はミラノに拠点を持つマフィア(カモッラ)のビンセント・クアランタ(アンドレア・スカルドゥッツィオ)で、周辺の土地を買収してリゾート地にしようと計画していた。

マルコはみかじめ料を滞納した町の商店に放火し、捜査を始めたジオとその家族は脅迫を受ける。ビンセントは地元警察とも通じていたのだった。

・・・
マフィアのビンセントは明日アルタモンテを襲って焼き払い、住民を皆殺しにすると息巻くが、マッコールは先手を打ってビンセントの屋敷を襲撃し、一味全員を殺し、町は平和を取り戻した。

負傷で入院中のエマに現金の入った小さなリュックを託すマッコール。
彼がマフィアのワイナリーを襲撃し、何百万ドルという資金の中から取り戻したのは、36万ドルあまりの現金のみだった。

しかも、それは、よく知りもしない近所の老人が長年積み立てた額の現金で、マフィアにハッキングされて失った年金だった。その老人夫婦は、引っ越しをしなくて済むことになった。

後日、エマのもとにマッコールから封書が届く。中身は前作で死亡したスーザンの手帳で、この中に彼女の娘すなわちエマの電話番号も書かれていた。

そして物語は、アルタモンテの人々とマッコールが地元サッカーチームの勝利を祝う場面で幕を閉じる。

 

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・・・
デンゼル・ワシントンはこの映画の撮影時は68歳で、アクションを華麗にこなしているのには驚かされる。官僚、将校、ジャーナリストなど、硬派なインテリで真面目な性格の人物を多く演じている。

1989年に「グローリー」で、アカデミー助演男優賞を受賞。アカデミー主演男優賞に最も近い黒人俳優として、その日はいつかと期待されていたが、遂に2002年「トレーニング デイ」で、アフリカ系アメリカ人ではシドニー・ポワチエに続いて2人目となるアカデミー主演男優賞を受賞した。

<主な登場人物>
■ロバート・マッコール:デンゼル・ワシントン
元DIA工作員。ある物を取り返すためにイタリアのシチリアにやってきていた。ロバートのイタリア圏の呼び方であるロベルトと名乗る。
■エマ・コリンズ:ダコタ・ファニング
駆け出しのCIA捜査官。突然マッコールからの通報を受けて困惑するがイタリアに上司と出向き、ワイナリーに残されたテロリストの痕跡を追跡していく。物語の終盤、マッコールの友人にして元同僚であるプラマー夫妻の娘であることが判明する。
■ジオ・ボヌッチ:エウジェニオ・マストランドレア
国家憲兵の隊員。負傷したマッコールを偶然見つけてエンゾの元に届ける。妻キアラと娘ガビの三人家族。
■フランク・コンロイ:デヴィッド・デンマン
CIA捜査官。エマの上司でイタリアでのテロ組織の痕跡をエマとともに追っていく。
■アミーナ:ガイア・スコデッラーロ
カフェの女店主。明るい性格でマッコールと親しくなる。
■エンゾ・アリシオ:レモ・ジローネ
医者。多くの町民の分娩を行うなど、周囲から慕われている人物。ジオによって運び込まれたマッコールの治療を行い、その後の療養も手助けする。物静かな人物だが、町の広場でマッコールとビンセント一味が対峙した際、古びたカービン銃を持ち出してビンセントを牽制した。
■ビンセント・クアランタ:アンドレア・スカルドゥッツィオ
イタリア、ナポリに拠点を設けるマフィア、カモッラの頭目の一人。リゾート開発のための地上げ行為を進めており、住居の売却を拒絶した住人の父親を皆の目の前で殺害するなど苛烈な方法をとる。
■マルコ・クアランタ:アンドレア・ドデーロ
ビンセントの弟。手下とともにバイクを乗り回し、場所代の徴収など取り立てを行う。拒否した人間には暴行を加えたり店に放火するなど横暴な行為を働く。
■アンジェロ:ダニエレ・ペローネ
魚屋。みかじめ料の支払いが滞ったため、マルコに暴行を受け店を焼かれる。
■ガブリエラ・ボヌッチ - ディア・ランザーロ
ジオの娘。愛称は「ガビ」。
■キアラ・ボヌッチ:ソニア・ベン・アマル
ジオの妻。
■ロレンゾ・ビターレ:ブルーノ・ビロッタ
シチリアのワイナリーを隠れ家にしているマフィアのボス。

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映画「評決のとき」(原題:A Time to Kill、1996)を見る。俳優マシュー・マコノヒーの出世作。評決を覆す「4文字」。

映画「評決のとき」(原題:A Time to Kill、1996)を見る。裁判劇で衝撃のラスト、マシュー・マコノヒー(「インターステラーアカデミー賞主演男優賞受賞の「ダラス・バイヤーズ・クラブ」)の出世作とくれば面白くないはずはないと見たが期待通りだった。人種差別問題が絡んだ事件の裁判を通して、正義と真実の問題に取り組む人々の姿を描いたサスペンス・タッチのヒューマン・ドラマ。監督は「バットマン フォーエヴァー」のジョエル・シュマッカー。タイトルロールで一番手に来るのが「スピード」で注目され勢いに乗っているころのサンドラ・ブロック。共演がケヴィン・スペーシーゴールデングローブ賞助演男優賞にノミネートされたサミュエル・L・ジャクソンドナルド・サザーランドキーファー・サザーランドアシュレイ・ジャッドなど。

<簡単なあらすじ>
アメリカ南部のミシシッピー州で黒人の少女が白人の若者二人にレイプされ、川に捨てられるという事件が起き、少女の父親カール・リー・ヘイリー(サミュエル・L・ジャクソン)が警察に乗り込みライフルで犯人を撃ち殺してしまう。

弁護を引き受けたジェイク・タイラー・ブリガンス(マシュー・マコノヒー)はKKK団のフレディ・リー・コブ(キーファー・サザーランド)に脅され、ジェイクの妻カーラ・ブリガンス(アシュレイ・ジャッド)と娘ハンナを実家に帰す。

ジェイクに協力したのは優秀な大学生エレン・ロアーク(サンドラ・ブロック)や恩師ルシアン・ウィルバンクス(ドナルド・サザーランド)。

一方、検事は野心家ルーファス・バックリー(ケヴィン・スペイシー)で裁判では、陪審員は全員が白人。

陪審員たちは、最初は票が割れていたが、食事時に一緒に集まり、評決の確認を行う。最後には全員が有罪で一致。最終日を迎える。

最終弁論で、弁護士が過去の同様の事件の判例を述べるが、陪審員に目を閉じさせて想像をさせ、感情に訴える言葉を投げかける。そして判決の結果は…。

・・・

4文字」で陪審員の票がひっくりかえる!

裁判の最終弁論で主人公の弁護士から語られるその言葉とは…?

陪審員たちの結論は全員一致で「有罪」で固まっていた、前日までは…。

「有罪」で固まっていたものが「無罪」に切り替わるほどのたった4文字の力のある言葉(パワーワードとは…?

一部ネタバレ:(「被害者の少女は○○(漢字では2文字、カナでは4文字)でした」)

・・・

裁判映画としては「情婦」や「十二人の怒れる男」並みの大どんでん返しの結末だった。それにしても「評決のとき」では、ミシシッピーでの白人と黒人の対立がすさまじい。白人の保安官の一人は、カール・リーの流れ弾でケガを負ったが、もし自分の娘が暴力を受けたら自分も同じことをしただろうと被告人に同情するのだった。

・・・
アメリカ南部のミシシッピー州を舞台にした白人至上主義団体・KKK(クー・クラックス・クラン)を題材にした映画といえば「ミシシッピー・バーニング」(1989)が有名。

アラン・パーカー監督が実話に基づいて描いた社会派サスペンスだった。ミシシッピー州で3人の公民権運動家が消息を絶ち、FBIは2人の捜査官を派遣するが、彼らを待ち受けていたのは、非協力的どころか敵意まで剥き出しにして捜査を妨害する住民たちだった…という話。

また「ブラック・クランズマン」(2018)は黒人でありながらKKKへの潜入捜査に挑んだ刑事の実話を、スパイク・リー監督が人種差別への批判を込めて映画化した作品だった。

・・・

配信動画の数が膨大で「どれを見ようかと迷っているときに、YouTubeなどで「アマプラのサスペンスおススメ5作品」などというのを見て、腰を上げることがある。

評決のとき」もそんな1本で、説明の中に「たった4文字の言葉がパワーワードだった」などと言われると気になるので見たのだった。

・・・
<主要人物>
■ジェイク・タイラー・ブリガンス:マシュー・マコノヒー…正義感あふれる新米弁護士。妻カーラと1人娘ハンナがいる。法律学校時代のルシアンを師と仰ぐ。    
■エレン・ロアーク:サンドラ・ブロック…ボストンで法律を学ぶ美人女子大生。過去の事例などの情報収集に長けている。ジェイクに協力する。KKKからリンチを受ける。    
■カール・リー・ヘイリー:サミュエル・L・ジャクソン…黒人労働者で、妻と10歳の娘トーニャがいる。娘が凌辱されたことから、怒りで犯人を銃で射殺する。裁判の被告人。    
■ルーファス・バックリー:ケヴィン・スペイシー…やり手だが嫌みな検事。相手を見下す態度をとる。    
■ハリー・レックス・ボナー:オリヴァー・プラット…弁護士。ジェイクに黒人弁護を止めるように忠告する。    
■オジー・ウォールズ保安官:チャールズ・S・ダットン    
■エセル・トゥイッティ:ブレンダ・フリッカー…ジェイク弁護士の秘書。ジェイクに協力しているため、KKKに家を焼かれる。    
■ルシアン・ウィルバンクス:ドナルド・サザーランド法曹界を追われて酒浸りの日々を送る。教え子のジェイク・ブリガンスから相談を受ける。
■フレディ・リー・コブ:キーファー・サザーランド…弟をカール・リーに射殺されたためKKK(クー・クック・クラン=白人至上主義団体)に加入し、復讐しようとする。
■オマー・ヌース判事:パトリック・マクグーハン…中立であるべきだが、白人に肩入れし、根底に黒人差別がある。    
■カーラ・ブリガンス:アシュレイ・ジャッド…ジェイクの美人妻。    
■グウェン・ヘイリー:トーニャ・スチュワート…カール・リーの妻。
■ドウェイン・パウエル・ルーニー保安官助手:クリス・クーパー    
■ジェームズ・ルイス・"ピート"・ウィラード:ダグ・ハッチソン    
■スタンプ・シスン:カートウッド・スミス    
■アイザイア・ストリート牧師:ジョー・セネカ        
■ウィルバート・ロードヒーヴァー博士:アンソニー・ヒールド    
■オリー・エイジー牧師:トーマス・メルディス    
■ハンナ・ブリガンス:アレクサンドラ・カイル…ジェイクとカーラの娘。      

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