「青春18×2 君へと続く道」(2024)が今年のGWウィークに公開され、台湾と日本の合作映画ということで話題になっていたので見た(Netflix)。123分。タイトルに「青春18」とあるように、原作は日本の「青春18きっぷ」を利用して旅した台湾人のブログから着想を得ている。
「新聞記者」「最後まで行く」などの藤井道人監督が岩井俊二監督の「Love Letter」をリスペクトしたオマージュ的な青春ラブストーリー。
劇中、主人公の二人が映画館で「Love Letter」(中国語は「情書」)を見るシーンがある。人生に挫折した36歳のジミーが日本で鈍行列車に乗り一人旅をしながら、アミとの日々を回想し、初恋と過去への決別と再生を目指す。
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始まりは18年前の台湾――
高校生・ジミー(シュー・グァンハン/許光漢)のバイト先に現れた日本から来た4つ年上のバックパッカー・アミ(清原果耶)。
ひと夏を同じ店(KTV=カラオケ店)で働き過ごすことになった2人だったが、次第にジミーはアミに淡い恋心を抱いていく。
夜道をバイクで2人乗りしたり、映画を観に行ったり、2人の距離は縮まっていったが、突然、アミが日本へ帰ることになる。気持ちの整理がつかないジミーに、アミは“ひとつの約束”を提案する。
時が経ち現在。人生につまずき(冒頭に自身で立ち上げたゲーム会社のトップの座を役員たちの決議で追われるシーンがある)故郷の実家に戻ってきたジミーは、日本に戻ったアミから18年前に届いた古びたハガキを見つける。
初恋の記憶がよみがえったジミーは、過去と向き合い、今を見つめるため、日本で初めてのひとり旅へ。アミとの思い出の曲(ミスチル)を聞きながら鈍行列車に乗り、ジミーが向かうのはアミの故郷。ジミーはアミとの再会を果たせるのか――。
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今春劇場公開されたばかりのこの映画は、何人かのブロガーさんがアップしていてみたいと思っていたら、Netflixで配信があったの見た。
内容もキャストもほとんど知らずに見たら、終盤に日本の豪華俳優が出演していたので驚いた。
主人公のジミーを演じるシュー・グァンハン(グレッグ・シューなどの表記もある)はNHKドラマ「路〜台湾エクスプレス〜」(2020)で見たことがある。
シュー・グァンハンとのW主演は「花束みたいな恋をした」「線は、僕を描く」などの清原果耶。
台南のカラオケ店「神戸KTV」の従業員たちとアミとの交流もいい。アミの知られざる秘密がラストで明かされていくが、注意深く見ていると伏線はあったようだ(気づかなかったが…)。
その現実を知っていたうえで、ジミーはアミの過ごした田舎町を遠まわりしながらも辿って行ったのだった。”切ない”系の王道と言えば王道の青春の出会いと別れのほろ苦い経験と未来への再生を描いている。
<キャスト>
■ジミー:シュー・グァンハン…主人公。カラオケ店でアルバイトをしながら大学に合格。のちにゲーム会社を立ち上げ成功を収める。
■アミ:清原果耶…天真爛漫のバックパッカー。最初の外国が台湾(台南)。旅先で見たものをスケッチブックに描いて残している。
■リュウ:ジョセフ・チャン…居酒屋(松本)の店主。ジミーと同じ台南出身。
■幸次:道枝駿佑…ジミーが旅先で出会ったバックパッカー。
■由紀子:黒木華…ネットカフェのアルバイト店員。パソコンでゲームをしていると、客として訪れたジミーがゲーム開発者と知り驚く。
■中里:松重豊…アミの近隣で雑貨屋を営み、アミ一家をよく知る。
■裕子:黒木瞳…福島県只見町に住むアミの母。
■島田:北村豊晴
■アーロン:フィガロ・ツェン
<スタッフ>
原作:ジミー・ライ「青春18×2 日本慢車流浪記」
監督:藤井道人
脚本:藤井道人、林田浩川
音楽:大間々昂
主題歌:Mr.Children「記憶の旅人」(TOY'S FACTORY)
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