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【連続ドラマW】「シャイロックの子供たち」 (池井戸潤原作、2022、全5話)を見る。

ドラマ「シャイロックの子供たち」 (池井戸潤原作、2022、全5話)を見る。映画版は昨年の2月公開時に見ているが、WOWOWドラマ版(連続ドラマW)がNetflixで配信中。

池井戸潤原作の「銀行モノ」としては、テレビで大ヒット(高視聴率)だった「半沢直樹」や「花咲舞が黙ってない」「アキラとあきら」「株価暴落」などを見てきたので、スカッとした勧善懲悪を期待したが、特に新鮮味はない。それでも池井戸潤原作の面白さは変わらない

銀行という組織を通して、融資先との癒着や不正融資、着服、責任の押し付け合い、パワハラなどさまざまな困難に立ち向かう行員たちが様々な悩み、課題を抱えながら奮闘する群像劇となっている。

銀行のトップなど巨悪は登場せず、パワハラ副支店長と支店長の不正を暴く程度で、このドラマでは、普通の平和な暮らしをすることのありがたさを描いている。

銀行出身の池井戸潤は、銀行内部の構造について恨みつらみがあるのか、銀行内部の不正について描いているので、一部で銀行そのものが風評被害?を受けているともいわれる。

バブル期ごろまでは、銀行は最もお堅い職業とされて人気だったが、内部では、ノルマの厳しさ、一度「X(バッテン)」がついたら出世の道は閉ざされ左遷されるというのが日常茶飯事であるようだ。

タイトルの「シャイロック」(Shylock) とはシェークスピアの戯曲「ベニスの商人」中のユダヤ人の強欲な金貸しのこと。借金を返済できなかったアントニオの生肉を切ろうとするが、ポーシャの機知により妨げられる。 

<ストーリー>
東京第一銀行の長原支店は、中小零細企業が主な取引先の小さな店舗。

出世街道を外れた課長代理、西木(井ノ原快彦)をはじめ、家族を支える真面目な女性行員・北川愛理(西野七瀬)、エリートで策略家の支店長・九条(前川泰之)、業績のためにはパワハラも辞さない副支店長・古川(萩原聖人)、常に成績トップの業務課のエース・滝野(加藤シゲアキ)など、個性豊かでひと癖ある行員たちが皆、それぞれの事情や葛藤を抱えながら働いていた。

ある日、長原支店で100万円の現金紛失事件が発生する。女性行員・北川(西野七瀬)が犯人として疑われる。

そして、紛失事件を追っていたはずの西木が突然、失踪してしまう。現金紛失事件と西木の失踪。2つの謎と長原支店の行員たちの物語が交錯していく。やがて現金紛失事件の裏に隠された不正が明らかに。西木が姿を消した驚きの真相とは…。

 

 

・・・
大手銀行の本店(本社)人事部では、各支店の行員の個人情報(趣味に至るまで)に関して細かく資料があるというのが驚かされる。

大金を扱う銀行にとって、融資先から見返りとしてキックバック(お礼)を受け取るというシーンがあり、受け取った人物と拒絶した人物が描かれている。

受け取ったことにより、弱みを相手方に握られてさらに要求がエスカレートしていく。100万円紛失騒動もそんな要求に応えるための策で、その人物はのちに後悔しても後の祭りで「お金をもらった時点で銀行人生は終わった」と言われるのだ。

融資課の小山(森永悠希)が、副支店長から「投信」を売るように厳しく叱責されるが、小山の切り返しが痛快だった。「投信で利益を出している人が少ない中で、顧客第一と言いながら、なぜ投信を売るべきなのか、根拠を教えてください」と突っぱねるのだ。

部下が上司に歯向かうシーンにはまわりの行員も驚きを隠せなかったが、内心では、よく言ってくれたと思ったに違いない。小山が強気に出たのは、以前に副支店長から受けた屈辱の仕打ちに対する”復讐”であることがわかっていく。

検査部から永原支店に検査訪問する検査部次長・黒田(水橋研二)は「半沢直樹」でインパクトのあった金融庁の黒崎(片岡愛之助)を彷彿とさせる。

名前も黒崎から黒田と「クロ・クロ」つながりだが、黒崎のオネエ言葉のネチネチした嫌みにはほど遠かったが…。

池井戸潤の作品はドラマ化が多く、映画化は「七つの会議」「空飛ぶタイヤ」「シャイロックの子供たち」「アキラとあきら」など少ない。

 

<主な登場人物>
■西木雅博:井ノ原快彦
東京第一銀行・長原支店営業課・課長代理。出世コースを外れマイペースだが、部下からの信頼は厚い。支店内で起こった現金紛失事件の真犯人を追うが、ある日突然、失踪。趣味は釣り。
■北川愛理:西野七瀬
長原支店営業課で西木の直属の部下。家族を支えるため、給与の半分を家計に入れている真面目な行員。ある思惑により現金紛失事件の濡れ衣を着せられてしまう。
■坂井 寛:玉山鉄二
東京第一銀行・人事部調査役。親友の死に自責の念を抱いており、慎重に面談や内部調査を行っている。長原支店内で起きた現金紛失事件、西木の失踪の真相を追うため行員と面談を行う。
■滝野 真:加藤シゲアキ
長原支店業務課・課長代理。常に営業成績トップで支店のエース。愛する妻と一人息子との仲も良好。公私ともに順調と目されていたが…。
■古川一夫:萩原聖人
長原支店・副支店長。高卒入行で、副支店長まで出世した叩き上げの銀行員。短気で業績不振の行員には暴言、パワハラも辞さない。
■竹本直樹:三浦貴大
長原支店融資課・課長代理。実務能力に優れ業績を上げていたが、部下の不祥事の責任を取らされ、西木同様に出世コースを外れた。
■九条 馨:前川泰之
長原支店・支店長。検査部出身のエリート。普段は冷静で紳士然としているが、本性は情熱家且つ策略家な一面を持つ。
■伊島宗広:橋本じゅん
滝野が担当している融資先の「伊島工業」の社長。
■黒田道春:水橋研二
東京第一銀行・検査部次長。坂井からの相談を受け、問題続きの長原支店に検査のため訪れる。
■半田麻紀:早見あかり
長原支店融資課。美人で女性行員の憧れの的だが、なぜか愛理にきつく当たる先輩行員。
■三木哲夫:矢野聖人
長原支店業務課。愛理と付き合っている。
■小山 徹:森永悠希
長原支店融資課。愛理の同期。古川との意見の食い違いをきっかけに、トラブルを起こしてしまう。
■大城田正隆:水田信二(和牛)
竹本が融資を担当する「大城田工業」の嫌味な社長。
■富永孝弘:宮川一朗太
東京第一銀行・人事部長。坂井の上司。
■西木妙子:映美くらら
西木の妻。元銀行員で西木の気持ちに寄り添う。

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