映画「バーナデット ママは行方不明」（原題：Where'd You Go, Bernadette、2019）は監督・脚本は「ビフォア・サンライズ 恋人までの距離」「６才のボクが、大人になるまで。」などのリチャード・リンクレイターによるコメディ・ドラマ。
タイトルに「ママ」はないほうがいい気がする（笑）。製作から4年後の昨年9月に劇場公開された。
主演は「TAR/ター」などのケイト・ブランシェットで、アカデミー賞などの常連だが、第77回ゴールデングローブ賞主演女優賞にノミネートされた。
共演は「君が生きた証」のビリー・クラダップ、「オデッセイ」のクリステン・ウィグ、「アントマン」のジュディ・グリア、「マトリックス」シリーズなどのローレンス・フィッシュバーンほか。
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かつて著名な建築家だったが現在は専業主婦のバーナデット・フォックス（ケイト・ブランシェット）はIT企業に勤める夫のエルジー（ビリー・クラダップ）、娘のビー（エマ・ネルソン）と共にシアトルで暮らしていた。
バーナデットは人間嫌いな性格から、隣人やママ友とはトラブルばかり起こしている。車で娘を学校に出迎えに行ったときに、バーナデッドが毒女と呼ぶ仲の悪いオードリー（クリステン・ウィグ）が話しかけてくると、車を急発進。オードリーの脚を怪我をさせてしまう。
そのほか、大雨の時にバーナードの敷地の土砂くず入れがあり、隣に住むオードリーの家が、泥水で半壊状態になってしまう。バーナードは一応謝罪するが、天災だしあとで弁償するとそっけない。
そんなこんなで、バーナデットの精神状態は日に日に悪化していった。かかりつけの女医（精神科医）は、適応障害の兆候があるから一度病院で診察を勧めるが、カーツ医師であることから「カーツ大佐（※「地獄の黙示録」で登場するマーロン・ブランドが演じた役名）は不要」と突っぱねるのだった。
そんなある日、娘のビーが学校で優秀な成績を修めたので、以前からの約束通り、一家は南極へ旅行することになった。ところが、出発前に突然バーナデットが失踪してしまうという事件が発生した。
ビーとエルジーはバーナデットの捜索に乗り出すが、その過程でバーナデットの過去を知ることになった。それこそがバーナデットを失踪に追い込んだ原因であった。
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バーナデットの夫は、巨大ＩＴ企業マイクロソフトに勤務し、ＡＩの「サマンサ２」を開発中のエンジニア。マイクロソフトの所有していた広大な土地に住んでいる。
マイクロソフトの本社はシアトルにあり、劇中「シアトルの道はマイクロソフトに通ず」というセリフも聞かれた。
バーナデットは、娘と約束した南極行きは避けたかった。大勢の客たちと一緒であり、人混みの中にいるのは耐えられないと思い、全く個人で別の方法（観測隊の一行に潜り込む）で南極行きを強行する。
南極から、南極点に行きたかったバーナデットは、限定された資格者だけが南極点に行けるという中で、過去の建築家としての仕事の延長として、実際に南極地点を見ないと設計ができないと管理責任者に訴え、南極地点への到達が実現した。
その喜びを娘のスマホの留守電に詳しく話し続ける。そんな中、娘と夫も南極にやってきてバーナデットの電話で話を聞き、バーナデットに駆け寄るのだった。
ワンコも登場するが、名前がアイスクリームだった。誤って2階の部屋に閉じ込められるが、バーナデットは外に脚立を立ててよじ登り、アイスクリームを救出した。
主人公バーナデットが適応障害や鬱などとみられるが、豪邸に住み、夫は一流企業に勤務、娘は名門学校とあまり悩みがあるなどの現実味が感じられないのが残念。20年前に建築家として名をはせたバーナデットがなぜ、仕事を辞めたのか、など理由が不明。
ケイト・ブランシェットの芸達者ぶりを見る映画。
ラストは家族の絆が深まりハッピーエンド。
＜主な出演者＞
■ケイト・ブランシェット：バーナデット・フォックス…大勢の中が嫌いで極度の人間嫌い。適応障害、うつ病と診断されることもある。かつて建築家として知られた。エルジーの妻。
■ビリー・クラダップ：エルジー・ブランチ…IT企業に勤務。バーナデットの夫。
■エマ・ネルソン：ビー・ブランチ…バーナデット、エルジーの成績優秀な娘。愛称はバジー。
■クリステン・ウィグ：オードリー…バーナデットと険悪の仲で毒女と言われる。バーナデットの車の急発進で脚を骨折する。息子はビーの同級生。バーナデットのことをおフランス大統領夫人と陰で揶揄する。
■ジュディ・グリア：カーツ医師…精神科医。バーナデットに助言する。
■ジェームズ・アーバニアク：マーカス・ストラング
■トローヤン・ベリサリオ：ベッキー…ビーの友だち。
■ゾーイ・チャオ：スーリン…オードリーのママ友であり、エルジーの秘書。
■クローディア・ドゥーミット：アイリス
■ローレンス・フィッシュバーン：ポール・ジェリネック…バーナデットの建築家仲間で友人。
現役でハリウッドのトップ女優の一人、ケイト・ブランシェットの全作品鑑賞に挑戦中。背景に流れる音楽が「タイム・アフター・タイム」などなかなかいい。
GEO(BD)レンタルにて鑑賞。
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