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「新プロジェクトX~挑戦者たち~」第1回「東京スカイツリー 天空の大工事~世界一の電波塔に挑む~」を見る。

 

プロジェクトX~挑戦者たち~」が18年ぶりに復活し、今春からスタート。4月6日放送の第1回は「東京スカイツリー 天空の大工事~世界一の電波塔に挑む~」で、再放送を見た。

プロジェクトX〜挑戦者たち〜」(旧版)は2000年3月28日から2005年12月28日まで放送され、全作品187本+特集3本の合計190本に及ぶ。

旧版では「東京タワー建設」(333メートル)のドラマも紹介されていたが、東京タワーが都心部超高層ビルの影響のため、電波が阻害される恐れが出てきたことから、東京都墨田区に東京タワーの代わりとなる電波塔として建設が計画されたのだった。

634メートルの日本の建設史上空前の難工事と言われる「東京スカイツリー」の工事に挑戦した男たちのドラマが熱かった。ナレーションは、前回に続き田口トモロヲ

設計を担当した小西厚夫は、心柱(しんばしら)がカギになるとして、五重塔を参考にした。

前代未聞の建築物。建物の敷地は東京タワーの4分の1の激狭地。しかも高さは東京タワーのおよそ2倍。建設期間はわずか3年半という難工事だった。

この難題をクリアしたのが、大林組の「頭脳」と呼ばれていた田辺潔(以下、敬称略)。「○月○日に具体的な詳細を発表しないと仕事にならない」というプレッシャーがあったという。

 

田辺は、3万7千パーツの鉄骨を立体パズルのようにくみ上げていくプランを考案。田辺の案に何も言わずに一発OKしたのが、プロジェクトの総責任者の鳥居茂だった。

       プロジェクト責任者・鳥居茂(完成前にがんで死去)

そして、2009年に工事が始まった。

・・・
3本の足を、それぞれ別の会社が担当した。
北側が抜群のチームワークを誇る「鈴木組」、東は精鋭集団の「松村組・西中建設」、西は橋の建設を得意とする「宮地建設工業」とそれぞれ得意分野を3つのグループが担当した。

 

他社のスピードについていけず遅れをとり、苦労していたという宮地建設工業の半田智也。当初は、互いにライバル視していて会話も少なかった3社だったが、「お花見」での飲み二ケーションがきっかけで、次第に協力体制を構築していったという。

現場で鉄骨の組み上げを担当していた3社のうちの1社、西中建設のとび職人・森川哲治。

担当する現場は、雷鳴と稲光が真横から襲いかかり、風速10メートルを超える突風が吹きすさぶ、前人未到の高所。

ボルトを1本でも落とせば、下で作業する者のヘルメットを貫通する。そんな、一瞬も気を緩められない現場での作業は「カリスマ鳶(とび)」と呼ばれる森川ですら、悪夢にうなされるほどだったという。

鳶の森川は、ほかの2社から様々なことを学び、それらを細かくノートにメモした。ほかの会社からは「盗みに来たな」と言われた。ある時、森川のメモノートを見た社長が、「頑張っているな」と感心した。次の月、森川の給料が上がっていたという。

タワーの高さは600mを超え、完成まであと一歩という時だった。

2011年3月11日午後2時46分。東日本大震災が発生。
最上部でゲイン塔を固定する作業をしていた半田は左右に5m揺れるタワーの上で死を覚悟したという。しかし、揺れが収まった直後、半田は作業を続行したのだった。

・・・
大林組の鳥居茂が総責任者だった。副責任者が大林組のエース田辺だった。鳥居が指示を出すのは「鳥居通達」と呼ばれ厳密で厳しいものだった。

「技術力は自分でつかむもの」と現場を叱咤した。だが、鳥居は東京スカイツリーの完成を見ることなく、ガンに冒されて亡くなった。61歳だった。

鳥居は完成したスカイツリーを見ることはできなかったが、鳥居の妻は、鳥居が生前「世界一の塔が立つ」と言っていたが「冗談かと思ったら本当だった」と完成後、隅田川沿いを走りながら東京スカイツリーを眺めるのだった。そして、亡くなった夫の写真を東京スカイツリーの方向に向けた。

鳥居は生前「成功するかどうかは田辺にかかっている」と現場に話していたというのを間接的に聞いた田辺は胸に熱くなるものがこみ上げた。
 

「功名心とか野心があったらうまくいかなかった」と振り返る田辺。田辺は、このプロジェクトが完成したら自分はどうなってもいいと思ったという。

プロジェクトの先陣を切ったのは鉄骨だった。担当したのは徳島の小さな会社。そこには、破天荒な生活を送り、職を転々としてその後、41歳になって以来20年近く、鉄骨一筋に関わってきた人物・村野がいた。

村野はやりたくない仕事と思ったが、迷惑をかけてきた妻に東京スカイツリーを見せたいと、定年間際の村野は大勝負に出た。しかし、妻は間もなく亡くなり、ともに完成したスカイツリーを見るという夢はかなわなかった。

村野も東京スカイツリーの完成を見るのを断念した。妻の写真のある仏壇から見える位置に東京スカイツリーの写真を掲げて、毎日眺めているという。

東京スカイツリーが完成するまでには、その陰に様々な知られざるドラマがあった。

東京スカイツリー
■建設費:約400億円、 総事業費は約650億円。
■工事関係者:延べ58万人。
スカイツリーへの来場者数:年間約640万人(スカイツリータウンを含む利用者:約5千万人、消費総額:約3,500億円(関連施設を含めると5,900億円の経済効果)
■電波塔としては世界第1位(2位:KVLY-TV塔(米国)の628.8メートル(2011年には世界一高いタワーとしてギネス世界記録の認定)、人工の建造物としてはブルジュ・ハリーファ(ドバイの超高層ビル)の828メートルに次ぐ世界第2位。

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