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★第93回アカデミー賞の有力作品は…。コロナ禍で上映作品激減。Netflix旋風か。

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93回アカデミー賞」は、いつもの2月開催から4月25日開催に変更となった。コロナ禍により上映作品も圧倒的に少なく、選考基準も大幅に緩和されている。ネット配信作品も、ロサンジェルス以外の大都市(七か所)のいずれか、またドライブインシアターで七日連続上映されていればOKだ。

そんな中、Netflixの配信作品が大健闘を見せることになりそう。現時点の下馬評では「ノマドランド」「ミナリ」「MANK/マンク」「シカゴ7裁判」などが有力。ノミネーション発表は3月15日(日本時間16日)に予定。

■「ノマドランド」(2021年3月26日公開)。

全米で大きな反響を生んだノンフィクション「ノマド:漂流する高齢労働者たち」をもとに、“現代のノマドnomad遊牧民)”たる車上生活者として、過酷な季節労働の現場を渡り歩く60代女性の誇り高き旅を映し出す感動のロードムービー

ベネチア国際映画祭の金獅子賞とトロント国際映画祭観客賞のW受賞を果たし、もっともアカデミー賞に近いとされる一本。

ストーリー:リーマンショック後、企業の倒産とともに住処を失った60代女性ファーン(フランシス・マクドーマンド)。ファーンの選択は、キャンピングカーに全ての思い出を詰め込んで、車上生活者として過酷な季節労働の現場を渡り歩くことだった。行く先々で出会うノマドたちとの心の交流の中で、彼女が見つけた“希望”とは──。

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主演を務めるのは「ファーゴ」「スリー・ビルボード」で二度のオスカーに輝き、本作で3度目の受賞の期待も高まるフランシス・マクドーマンド。メガホンを取ったのは、マーベル・スタジオの超大作「エターナルズ(原題)」の監督にも抜擢されたクロエ・ジャオ。中国出身の女性監督だ。

ノマド(nomad)とは、英語で「遊牧民」の意味。近年、IT機器を駆使してオフィスだけでなく様々な場所で仕事をする新しいワークスタイルを指す言葉として定着。このような働き方をノマドワーキング、こうした働き方をする人をノマドワーカーなどと呼ぶ。どこにいても外出先でインターネットを利用できる環境が急速に整ってきたことから、クラウド・コンピューティングを利用することにより、スマートフォンなどを使って、喫茶店や移動の車内などでも仕事のデータにアクセスできるようになったことが背景にある。

■「ミナリ」(原題:Minari、2021年3月公開)

監督はリー・アイザック・チョンで、ハリウッド実写版「君の名は。」を手掛けることも話題。快進撃を続ける新鋭スタジオA24とタッグを組んだ感動ストーリー。タイトル(原題)のMinariは朝鮮語セリを意味する。映画批評サイト、ロッテントマトで100%の満点をキープ(12/27現在)。大絶賛である。韓国系一家の「アメリカン・ドリーム」を描いたストーリー。

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ストーリー:1980年代、アーカンソー州。韓国系の移民、ジェイコブ・イーは一攫千金の夢を掴むべく、妻(モニカ)と子(デヴィッドとアン)を引き連れてアーカンソー州の田舎町へと移住。ジェイコブは一から農地を開拓して大農場主に成り上がろうとしていたが、困難に直面しながらも、小さな家族のアメリカンドリームの行方を描く。

■「アンモナイト」(原題:Ammonite、2021年春公開)

アカデミー賞女優のケイト・ウィンスレットと26歳にしてすでに4度のアカデミー賞にノミネートされているシアーシャ・ローナンの2二大演技派女優の初共演。

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ストーリー:1840年代を舞台に、英仏海峡の崖で化石を発掘しているメアリーと、療養のため海沿いの街にやってきたロンドン出身の若き女性シャーロットが出会い、恋に落ちるというストーリー。

「ゴッズ・オウン・カントリー」のフランシス・リー監督が、イギリス南西部の海辺の町を舞台に、人間嫌いな考古学者と裕福で可憐な人妻の美しき愛を描く。

■「ザ・ファーザー」(原題:The Father、2021年公開)

記憶と現実との乖離に困惑する認知症の父と、父の変化に戸惑う娘。混迷していく父の視点で描く、喪失と親子の絆をテーマにした心揺さぶる物語。82歳の名優アンソニー・ホプキンズ認知症の父を熱演。フランスを代表する劇作家フローリアン・ゼレールが自らの戯曲を基に監督デビュー。

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■「MANK/マンク」(原題:MANK、2020)

デヴィッド・フィンチャー監督。映画史に残るオーソン・ウェルズ監督の名作「市民ケーン」誕生裏話。ゲイリー・オールドマン扮する脚本家ハーマン・マンキーウィッツが奔走する。オールドマンが再度オスカー主演男優賞候補になる可能性が高い。新聞王ハーストを演じるチャールズ・ダンス、往年の女優マリオン・デーヴィスを演じるアマンダ・サイフリッドのノミネートの可能性も高い。

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 ■「シカゴ7裁判」(原題: The Trial of the Chicago 7、2020)

アーロン・ソーキン監督。ベトナム戦争反戦運動家たちを一網打尽にしようとする司法長官の仕掛けた罠にはまった男たちが、裁判で無実を証明しようと闘う実話ベースの作品。オールスター・キャストで、作品、監督賞のほか、助演男優賞候補がいっぱい。マーク・ライランスサシャ・バロン・コーエン、ヤーヤ・アブドゥル・マティーン二世、エディ・レッドメインらがひしめき合っている。

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■「マ・レイニーのブラックボトム」(原題:Ma Rainey's Black Bottom、2020)

1920年代の女性シンガーの実話を描く。ヴィオラ・デーヴィスが主演女優賞、チャドウィック・ボーズマン(遺作)が主演男優賞を狙う。

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■「ヒルビリー・エレジー 郷愁の哀歌」(原題:Hillbilly Elegy、2020)

ロン・ハワード監督によるベストセラー小説の映画化。主人公の薬物依存症の母を演じるエイミー・アダムス、快活な祖母を演じるグレン・クロースの2大無冠女優がついにオスカー像をつかむかが話題。

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■「TENET/テネット」(原題:TENET、2020)

クリストファー・ノーラン監督の超大作。視覚効果など技術部門での大量候補が噂される。作品賞や監督賞、演技部門での巻き返しにも期待。

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■「ザ・プロム」(原題:The Prom、2020)

監督はライアン・マーフィー、主演はメリル・ストリープニコール・キッドマン。2016年初演のミュージカルの映画化。

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それにしても、Netflix ,「N」(=Netflixマーク )が目立つ。