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★訃報:映画監督・大林宣彦(「時をかける少女」)、肺がんで死去.82歳。

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映画監督の大林宣彦が、10日夜、肺がんで亡くなった。82歳。生誕の地である広島県尾道市を舞台にした映画「転校生」「時をかける少女」「さびしんぼう」の尾道三部作など、若者たちの情感をみずみずしく描いた作品で人気を集め、晩年まで反戦を訴え続けた。

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■「時をかける少女https://fpd.hatenablog.com/entry/2014/11/19/214000

1938年広島県尾道市生まれの大林監督は、3歳の時に自宅の納戸で見つけた活動写真機と戯れるうちに映画を作り始めた。テレビCM草創期にはチャールズ・ブロンソンの「マンダム」をはじめ、カトリーヌ・ドヌーヴなど多くの外国人スターを起用し、3000本を超えるCMを制作。

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デジタル時代になってもフイルムにこだわった監督だった。初めて直接大林宣彦監督を見かけたのは、20数年前にJVC(日本ビクター)主催の「東京ビデオフェスティバル(TVF)」の記者発表の場だった。若手の映画監督を育成するためのイベントだった。大林監督が審査委員長だった。

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次に見かけたのは、6年前にローカルの映画館(川越市の川越スカラ座)で「野のなななのか」上映に登壇したときだった。大手映画会社などのバックアップはなく、資金集めの苦労等を語っていたが、資金はクラウドファンディングを活用したと語っていた。その時は元気だった。

■「川越スカラ座」舞台挨拶記事:https://fpd.hatenablog.com/entry/2014/08/17/120000

昨年(2019年)の高崎映画祭にはゲストで来ていたが、並みいるゲスト俳優達に混じって、車いす姿で、かなり体も小さく見えた。声を振り絞るように映画に対する情熱を語っていたのが印象的だった。

■2019年「第33回高崎映画祭」記事:https://fpd.hatenablog.com/entry/2019/03/26/152346

近年では“大林的戦争三部作”となる「この空の花-長岡花火物語」(2011年)、「野のなななのか」(2014年)、「花筐/HANAGATAMI」(2017年)を発表。

「花筐/HANAGATAMI」は、第72回毎日映画コンクール日本映画大賞、第33回高崎映画祭特別大賞などさまざまな賞を受賞。第91回キネマ旬報ベスト・テンでは日本映画ベスト・テン第2位に選ばれ、監督賞を受賞。大林監督個人では、2004年春の紫綬褒章受章、2009年秋の旭日小綬章受章。2019年、令和初の文化功労者に選ばれた。

ご冥福を祈ります。