2019年を代表する映画を表彰する「キネマ旬報ベスト・テン」で荒井晴彦監督の「火口のふたり」が1位になった。
「火口のふたり」は白石一文の小説が原作。 結婚式を控えた女性が昔の恋人と再会し、葛藤しながらもつかの間の関係を持つ物語。この作品に出演した瀧内公美が主演女優賞に選ばれ「いろんな世代の方に、この映画が伝わったことが何よりです」などとコメントしている。
白石氏が11年の東日本大震災を受け、改めて“生きること”を見つめ直し、男と女の不確実な愛を描いた物語。作品はかなり衝撃的でR-18となっている。 一方、外国映画ではトッド・フィリップス監督の「ジョーカー」が1位。外国映画監督賞もフィリップス監督が受賞した。 個人賞のうち、日本映画監督賞は「ひとよ」や「凪待ち(なぎまち)」などの白石和彌監督、日本映画脚本賞は「半世界」の阪本順治監督がそれぞれ選ばれた。
この賞は大正8年に創刊された映画専門誌「キネマ旬報」が主催し、1年を代表する映画を映画評論家などが投票によって選ぶ日本で最も歴史がある映画賞で、今回で93回を数える。
■本映画ベスト・テン第1位「火口のふたり」 ■外国映画ベスト・テン第1位「ジョーカー」 ■文化映画ベスト・テン第1位「i-新聞記者ドキュメント-」 ■読者選出日本映画ベスト・テン第1位「半世界」 ■読者選出外国映画ベスト・テン第1位「ジョーカー」
個人賞
■日本映画監督賞:白石和彌「ひとよ」「凪待ち」「麻雀放浪記2020」 ■日本映画脚本賞:阪本順治「半世界」 ■外国映画監督賞:トッド・フィリップス「ジョーカー」 ■主演女優賞:瀧内公美「火口のふたり」 ■主演男優賞:池松壮亮「宮本から君へ」 ■助演女優賞:池脇千鶴「半世界」 ■ 助演男優賞:成田凌「愛がなんだ」「さよならくちびる」ほかにより ■新人女優賞:関水渚「町田くんの世界」 ■新人男優賞:鈴鹿央士「蜜蜂と遠雷」「決算!忠臣蔵」 ■読者選出日本映画監督賞:阪本順治「半世界」 ■読者選出外国映画監督賞:トッド・フィリップス「ジョーカー」 ■読者賞:宇多丸(RHYMESTER)/ 三沢和子 連載「2018年の森田芳光」 ■特別賞:和田誠
2月11日には東京・文京シビックホールで「2019年 第93回 キネマ旬報ベスト・テン」の表彰式が行われる。また現在、動画配信サービス・GYAO!にて過去の「キネマ旬報ベスト・テン」受賞作が無料配信中。