2020年は後から振り返ったときに、あの年は「最悪の年」「大変な年」「我慢の年」「不自由の年」だったなどといわれることだろう。映画産業もコロナの影響を受けて、大打撃。映画の制作本数の激減、公開延期、劇場の客席の制限などで、映画入場者も激減。
そんな中、大記録更新が目前の「劇場版「鬼滅の刃」無限列車編」が、12月中旬現在で300億円に到達。20年近く首位だった「千と千尋の神隠し」が興行収入の若干の上方修正があったものの、今週末には追い越す見通し。
ということで、今年は、劇場での映画鑑賞は激減し、新作の多くは、Netflixなどの動画配信が中心となった。上位10本を選ぶのも苦労する年となった。
「MANK/マンク」「シカゴ7裁判」は、甲乙つけがたい重厚さで見ごたえがあった。「ザ・プロム」はミュージカル映画で、出演者(メリル、ニコール共演など)の魅力。
邦画は「娼年」「火口のふたり」「ロマンスドール」「半世界」などが印象に残るが、ランキングをつけるほど見ていない。
ついでに映画とともに外国の「ドラマ」のランキングも。これほどドラマにのめりこんだ年もなかった。
「GOT」「愛の不時着」「クイーンズ・ギャンビット」は不動のトップ3(笑)。
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■2020年の主な出来事:
・1月21日:映画雑誌「映画秘宝」が3月号で休刊。3月25日に出版社を双葉社に移し、4月21日の6月号で復刊を発表。
・2月4日:第93回「キネマ旬報ベスト・テン」で日本映画作品賞「火口のふたり」外国映画作品賞「ジョーカー」表彰式が2月11日、文京シビックホール大ホールで開催(fpdも参加)。
・2月13日:第74回「毎日映画コンクール」で日本映画大賞「蜜蜂と遠雷」日本映画優秀賞「新聞記者」外国映画ベストワン賞「ジョーカー」。
・2月18日:第62回「ブルーリボン賞」作品賞「翔んで埼玉」外国作品賞「ジョーカー」。
・2月〜:新型コロナウイルス、日本の映画界に多大な影響。春の公開予定映画が相次ぎ延期(「007」最新作など)。
・3月6日:第43回「日本アカデミー賞」で作品賞「新聞記者」。一般観覧中止。
・9月12日:第77回「ヴェネツィア国際映画祭で「スパイの妻」黒沢清監督が銀獅子賞(監督賞)。1952年の溝口健二、2003年の北野武に次ぐ日本人3人目の受賞。
今年も、多くの著名な俳優や映画人が亡くなった。個人的には、女優・竹内結子の衝撃の死と、作曲家のエン二オ・モリコーネが年齢とはいえ、残念。