「ビブリア古書堂の事件手帖」(2018)を見た。
シリーズ累計640万部を突破した三上延原作のベストセラーミステリー小説を、黒木華と野村周平のW主演で実写映画化。出演は、ほかに野村周平の祖母・絹子の若かりし頃を「海街Diary」の夏帆、絹子に好意を寄せる作家志望の青年を東出昌大、謎の男を「スマホを落としただけなのに」「残穢 住んではいけない部屋」などの成田凌が演じる。監督は「しあわせのパン」(2012)「ぶどうのなみだ」(2014)「繕い裁つ人」(2015)などの三島有希子。
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五浦大輔(野村周平)は祖母の遺品から夏目漱石の直筆と思われる署名が入った「それから」を見つけ、鑑定してもらうため北鎌倉の古書店「ビブリア古書堂」を訪れる。
店主である若い女性・篠川栞子(しおりこ、黒木華)は極度の人見知りでありながら本に対しては並外れた情熱と知識を持っている。大輔が持ち込んだ本を手に取って見ただけで、大輔の祖母が死ぬまで隠し通してきた秘密を解き明かしてしまう。
そんな栞子の推理力に圧倒された大輔は、足を怪我した彼女のために店を手伝うことに。やがて大輔は、栞子が所有する太宰治「晩年」の希少本をめぐり「人間失格」の主人公と同じ「大庭葉蔵」と名乗る謎の人物が彼女を付け狙っていることを知る。
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映画は主人公の一人・大輔(野村周平)の祖母・絹子の葬儀から始まる。平成も終わり頃の現代と東京オリンピックが開催された昭和の1964年前後の絹子の若い時代とが交互に描かれていく。
大輔は4歳くらいの幼い頃、祖母の本棚に並べられていた夏目漱石全集の「それから」を偶然手にとったところを祖母に咎められ、ビンタを食らう。それ以来本嫌いになってしまう大輔が、何故祖母が急に怒ったのか理解できなかった。その隠された秘密とは何かがやがて解き明かされていく・・・。
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終盤の音楽がサスペンスフルで盛り上がっていく。バイクと車の追っかけなどひやりとさせるシーンもある。本のことしか関心がない栞子が「本だけが全てではない」と絶叫するシーン等が印象に残る。太宰治、夏目漱石など文豪の名前と本のタイトルがそのまま登場する。希少本の中には、高額(300万円)なものもあるというのが驚き。
「この道はどこに向かっているのでしょう」