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<span itemprop="headline">★芥川賞受賞作「火花」読み切る。</span>


火花」というタイトルだが、物語が熱海の花火大会に始まり、10年後の同じ場所の花火大会で終わっているので「花火」のタイトルでもいいかもしれないが、以前に「HANA-BI」という作品があったので紛らわしくなるか。まして、映画化の話もあるようだ。

こんな話:
主人公はお笑い芸人で「スパークス」という漫才コンビを組む徳永。徳永は「あほんだら」の神谷という先輩芸人に熱海で電撃的に出会い、その笑いに対する「哲学」と人間性に深く共感して日々行動を共にする。しかし、徳永が芸人としてテレビでも売れ始めると、二人の間柄は微妙に変化していく。破滅の道を進んでいるかに見える神谷の運命はいかに。徳永はいったいどんな道を歩むのか・・・。

ストーリーを読む限り、又吉の自伝的な要素がありあり。
4歳年上の神谷のモデルと思しき芸人もほぼ特定されている。

先輩芸人・神谷の「笑いでど突きまくったれ。」という言葉に刺激を受けて、全く売れなかった芸人が光を見出していくストーリー。

純文学と言われるだけあって、やや硬い言葉や難しい漢字も頻繁に登場する。
例えば、ほんの一例だが「瑣末(さまつ)な」「畢生(ひっせい)の」のほか、漢字ではいまはほとんど使わないと思われる「途轍(とてつ)もなく」「捲(まく)し立てる」「咽(むせ)び泣く」「嘯(うそぶ)く」・・・など上げればキリがない。

漫才のネタ合わせなど、芸人ならではの掛け合いや、噛み合わない言葉の応酬などが面白い。

物語の最後に、「ジャマイカの英雄がエビシンゴノビオーライと世界に向かって歌い続けている」といった言葉が登場。

”ジャマイカの英雄”をWikiで調べたら、7人いるようだ(笑)。
名演説で知られる黒人の人かな(笑)。

言葉を操るうまさというのは十分に感じた。
さすが、芥川賞。すでに260万部売れたというが、もうひとりの芥川賞受賞作は、
10万部というから、随分と差がついている。


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