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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

性格俳優(個性派)③・・・引き込まれる味のある演技。

日本の俳優で気になる役者の上位に来るのがこの人。

香川照之」(45)
 
それまでにも見ていたと思うが、初めて主演級映画で、最高に面白かったのが「キサラギのハンドルネーム”イチゴ娘”の役柄。アイドル歌手のファンという共通項を持つ見知らぬファン同士が一周期に集まるが、その5人のメンバーの中では、飛びぬけてインパクトがあった。すごい俳優がいるものだと驚いた。
 
トウキョウソナタ」では、ばらばらの崩壊の危機にある一家の中で、失業で威厳もなくなる父親像を演じた。「剣岳 点の記」では、日本アカデミー賞最優秀助演男優賞を受賞した。最近では「SP 野望篇」で与党・幹事長を演じたが、要職にありながら密かに国家転覆を企てる影の大物を演じた。「ゴールデンスランバー」では、警察組織に属しながら、影で大物暗殺に加担、暗躍する。「20世紀少年」3部作の"ヨシツネ"役も目立つ。
 
豊川悦司」(48)
 
日本人俳優では、並はずれて背が高く(186センチ)、時代劇などではマッチする。愛の流刑地」「今度は愛妻家」などのラブストーリーもこなすが、「20世紀少年」の”オッチョ”役は、その風貌とカッコよさが受けたようだ。「椿三十郎」の室井役は、オリジナルの仲代達矢にも劣らぬニヒルさと迫力を見せた。
 
大停電の夜に」「フラガール」「日本沈没」や、とくに「犯人に告ぐ」は、テレビから犯人に語りかける交渉人を演じて、印象に残る。

 
堺雅人」(37)
 
熱血漢という印象が強い。いつも目は笑っているようだが、それが映画では、不気味さを漂わせることがある(「ジェネラル・ルージュの凱旋」)。
 
ジャージの二人」は、親子二人で、避暑で静養に行くが、ほとんど二人の会話だけだが、会話のやり取りが自然な雰囲気で、見ていて飽きさせない面白さがある。「ゴールデンスランバー」の身に覚えのない犯人扱いの演技。「クヒオ大佐」のインチキ詐欺師や、「南極料理人」での料理担当など、当たり外れのない演技がいい。
 

 
堤真一」(46)
 
もともと、千葉真一主催のジャパンアクションクラブに入団し、真田広之の付き人だった。TVの「グッドラック」では、キムタクや、柴咲コウらと共演したが、貫禄では上回った。「クライマーズハイ」の新聞記者の執念を好演。代表作と言えば「Always 三丁目の夕日」の自動車修理の社長。すぐキレるが、家族思い。この映画で、日本アカデミー賞助演男優賞など、その年の助演部門を総なめ。
 
「舞妓Haaaan!」「容疑者Xの献身」などのほか、今年は「孤高のメス」は、気骨のある医師を演じたほか、「SP 野望篇」と主要映画で存在感を示している。いま、最も脂の乗っている俳優かもしれない。

 
織田祐二」(43)
 
1991年のテレビドラマ「東京ラブストーリー」の永尾完治(カンチ)役で大ブレイク。ここから「月9」という言葉が生まれたほど。月曜の夜9時に、街を歩いているOLはいなくなったとも言われた。音楽とともに、社会現象に近かった。
 
その後、TVシリーズの「踊る大捜査線」の主役を演じ、映画化され、シリーズ化し、俳優としての地位を確立した。森田芳光監督は、「今、映画スターといえば織田祐二しかいない」と発言。黒澤明監督の「椿三十郎」のリメイクに織田を起用した。短期間の撮影で、結果的には、オリジナルをなぞっただけで、可もなく不可もなくという映画だった。昨年の公開作「アマルフィ 女神の報酬」では、イタリア語が堪能な外交官・黒田を演じ、イタリア語の特訓も行ったという。「黒田外交官」を主役にした映画もスピンオフ公開されるようだ。
 
今年は、「踊る」シリーズの第三作が公開されたが、登場人物が増え続け、中身がやや薄くなったような印象だが、いまのところこの映画の「青島」役が代表作だろう。
 
阿部寛」(46)
 
TVに出たてのころは、身長のある(190センチ+あるそうだが、公式には189センチとしている)モデル出身に演技ができるのかと思って、一般的にいわれる ”阿部ちゃん”といったレベルで見ていた。しかし、TV、映画での存在感は高まる一方だ。昔の名作のリメイクでは、必ず、阿部ちゃんが登場する。「天国と地獄」の警部役(映画では、仲代達矢が演じた)も、熱演していた。
 
特異なキャラで注目された「チーム・バチスタの栄光」「ジェネラル・ルージュの凱旋」は、竹内結子との凸凹コンビが良かった。印象に残るのは「歩いても 歩いても」で、家族、親子の関係など、長男役で、父親との微妙な確執などがうまかった。
 
死刑台のエレベーター」は、名作のリメイクだったが、これも、オリジナルには遠く及ばず、不発に終わったのが残念。最近の日本映画には欠かせない俳優の一人だ。