一見すると、とくに特徴のある風貌ではないが、ひとたび映画に出ると、きらりと光るようなバイプレーヤーがいる。
「小日向文世」(56)
劇団(オンシアター自由劇場)に入団し、解散までの19年間在籍し、女優・吉田日出子の相手役を務めていた。その後は、テレビ、映画などで小さな役が多かったが、転機は月9ドラマの「HIRO」(キムタク主演)のレギュラー出演だったろう。「HIRO」は映画化され、出演した。「Always 三丁目の夕日」では、売れない作家の元に暮らす子供の父親役で、会社の重役。預けていた息子を引き取りに行くが、結局子供は、元の作家の元に逃げ帰ってしまう。淡々としているが、リアルさがある。
「光石研」(49)
この人は、まったくひょうひょうとしていて、つかみどころがないが「めがね」など、自然体のセリフがなんともうまい。テレビ、映画では数多くの作品に出演しているが、飲み屋の客の一人だったり、「十三人の刺客」など、それほどセリフの多い配役ではないが、しっかりと印象に残る。
テレビのCMではないが「主役より目立っちゃあだめ」というのを地で行っているような俳優だ。映画は「博多っ子純情」がデビュー作。初期のころの「男はつらいよ」に出ていたが、あまり記憶にない。目立ったのは「うなぎ」あたりからか。玄人受けする俳優かもしれない。
「ひまわり」「贅沢な骨」「亡国のイージス」「東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~」「20世紀少年」「なくもんか」最近では、話題の「悪人」「マザーウオーター」などが印象に残る。
「笹野高史」(62)
コミカル、シリアス、真面目、堅物と、どのような役柄でも独特の味わいを見せる。話題作には、わずかなシーンで出演していることが多い。山田洋次監督の常連。「ワンシーン」役者と自ら語っている。
短い時間ながら、必ず自然体の、ひょうひょうとした見せ場をみせる。「おくりびと」「百万円と苦虫女」などは絶妙だった。最近作では、リメイクの「死刑台のエレベーター」で、守衛の役がハマっていた。原則として、くる仕事は拒まないという。「釣りバカ日誌」シリーズで、タクシーの運転手役だった。
Movie」などに出演。