昨年の邦画では、お気に入りの1本となったリメイクの「ゼロの焦点」(2009)。
松本清張の数々の小説を映画化した野村芳太郎監督の1961年の作品は、一度TV放映を見ていたが、もう一度見たかった作品。改めて見直してみて、どうしても2009年度作品と比較してしまうが、基本のストーリーは大きくは変わらないが、旧作のほうがシンプルで、名作と名高い作品だけあって、見ごたえがあった。
モノクロとカラーの違い、新作では、立川の米軍基地、その後の女たちの生き様などが詳しく描かれて、どちらがどうと言えないが、別の作品としてみれば、広末、中谷、木村の3女優の作品も捨てがたい。
「ゼロの焦点」(1961)をはじめてみたのは、1970年ごろTVで。その時には、暗い映画だった、といった印象が強く、重苦しいと感じた。今、見直してみると、2009年版のカラー版ほどの派手さはないが、ストーリーも俳優も引き込まれる。
女優では、高千穂と有馬の演技がとくに印象的。久我は落ち着きがある。数回、テレビ等でリメイクされているが、2009年版の映画は、オリジナル(1961年版)にはない、女性運動をからめた選挙などを扱い、室田佐知子にかかわるストーリーは、脚色している。
物語:
禎子は26歳。広告代理店に勤める鵜原憲一と見合い結婚した。紅葉が盛りを迎えている信州から木曾を巡る新婚旅行を終えた10日後、憲一は、仕事の引継ぎをしてくると言って金沢へ旅立つ。しかし、予定を過ぎても帰京しない憲一。禎子のもとにもたらされたのは、憲一が北陸で行方不明になったという、勤務先からの知らせであった。急遽金沢へ向かう禎子。憲一の後任である本多の協力を得つつ、憲一の行方を追うが、その過程で彼女は、夫の隠された生活を知ることになる・・・(HPより)。
清張の作品の中でも、「砂の器」「点と線」と並ぶ名作・傑作サスペンス。
キャスト:
☆☆☆☆