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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">1970年代(136)「モン・パリ」(1973)</span>


「モン・パリ」(1973)は、しゃれた日本語のタイトルになっているが、英語のタイトルは、
「ちょっと妊娠した男」(A slightly pregnant man)。日本の映画タイトルで、まるで異なった
コメディにはや代わり。

映画の中で、スクリーンで歌うミレーユ・マチューの主題曲「モンパリ」は、哀愁を帯びながらも
力強い曲で、印象に残る。

映画のストーリーは、自動車教習所を経営する中年男性マルコ(マルチェロ・マストロヤンニ)の
お腹が、ある日突然ふくらみ始めたことから、てんやわんや。結局、なあんだ・・・という「オチ」
になるが・・・。

マルコは、恋人のイレーヌと共に病院で診察を受けると、なんと妊娠していることが判明する。
そのニュースに、世界中の人々は沸き立つが・・・。

男性の妊娠という題材を扱ったラブ・コメディ。








「哀しみの終るとき」「ひきしお」に続くドヌーヴとマストロヤンニのコンビによる3作目。
監督・脚本は「ロバと王女」のジャック・ドゥミー、音楽はミシェル・ルグランが担当。

出演はカトリーヌ・ドヌーヴマルチェロ・マストロヤンニのほか、ミシュリーヌ・プレール、マリサ・パバン、クロード・メルキ、アンドレ・ファルコン、モーリス・ビロー、アリス・サプリッチ、レイモン・ジェロームミシェル・ルグランの息子のバンジャマン・ルグラン、特別出演としてミレーユ・マチューなど。





パリの下町はモンパルナスに、一組の恋人が住んでいた。男の名はマルコ・マゼッティ(M・マストロヤンニ)、自動車学校の経営者だった。女の名はイレーヌ(C・ドヌーヴ)、ひとり息子のルカ(B・ルグラン)がいる小さな美容院のマダム。

彼女の輝くような金髪はお客様の憧れの的だった。いずれ正式な結婚を、とは思っていたがお金もヒマもなかった。それでも二人は充分に幸福だった。

ところで、この数日間、マルコは身体の具合が悪くて悩んでいた。吐き気、目まい。折角イレーヌとルカを連れてミレーユ・マチューのリサイタルを聴きにきたというのに、また気分が悪くなるという始末だった。

そんなマルコの身を気づかうイレーヌは、大きな瞳に涙を浮かべて“あなたが死んだら生きていけないわ、お願いだからお医者様に行くって約束して"と哀願する。女の涙に弱いのは男のつね。マルコは早速女医のドラビーニュ(M・プレール)のもとを訪れた。その診察の結果、なんと驚くなかれ、妊娠だというのだった・・・。

男性妊娠第一号のマルコはテレビや雑誌の取材に大わらはだった。彼の妊娠発見者ショーモン先生は、永年の研究が実証されて大喜び、国際会議に出席して、物質汚染によるホルモン変調説をブチまける。

だが、あとは出産を待つだけのマルコに大きな心配事がふってわいた。おなかの中に赤ちゃんのいる気配がないのだ。だが、この心配は七ヵ月になって可能になったレントゲン撮影によって解決した。マルコのおなかのふくらみは単なる肥満であることがわかったのだ・・・。

マストロヤンニは、天下の伊達男で、当時はモテモテというのか、マメというのか、女優とのロマンスが
多く、フェイ・ダナウエイのあとは、カトリーヌ・ドヌーブというわけ。いやはや。

憎めないキャラクターではあった。コメディからシリアスまでこなし、とくに
「ひまわり」では、マストロヤンニが、哀調を帯びてよかったな。




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