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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「チェイサー」(1978)アラン・ドロン主演。

 
アラン・ドロン主演の「チェイサー」(原題:(英)The Twisted Detective, 1978)は、親友の死をきっかけに政界にたちこめる陰謀に立ち向う一人の実業家を描いたフランスの犯罪&アクション映画。同名の韓国映画「チェイサー」(2008)もよく知られているが、全く関係はない。
 
製作はノルベール・サーダ、監督は「愛人関係」のジョルジュ・ロートネル。撮影はアンリ・ドカエ、音楽はフィリップ・サルドが担当。
 
出演は「仁義」「シシリアン」「サムライ」のアラン・ドロン、「太陽が知っている」のモーリス・ロネ、「あゝ情熱」のオルネラ・ムーティ、「ジェフ」のミレーユ・ダルク、「ブルジョワジーの秘かな愉しみ」のステファーヌ・オードラン、「パリの灯は遠く」のミシェル・オーモン、「Z」「追想」のジャン・ブイーズ、”マカロニ・ウエスタン”や「アギーレ/神の怒り」のクラウス・キンスキー、「Z」「もういちど愛して」のジュリアン・ギオマールなど。
 
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親友の死の謎を調査する実業家に扮するアランドロンが、ドロン映画の中では、最も”らしさ”が出ているような映画だった。ドロンが40代前半で、最も脂がのった時期ということもあっただろう。
 
フランスでも警察や議員の汚職、腐敗がはびこっていて、一部は実業家によって暴かれるが、秘密文書を巡って暗躍する黒幕も実は、警察内部の人間だったというのも驚きだ。
 
全編に流れるジャズがなかなかいい
ジャズ・サックスの名プレイヤー、スタン・ゲッツのナンバーがふんだんに使用されているのだ。フィリップ・サルドの音楽は、味わいがある。フランス映画としては珍しいくらいのアクションも見どころだった。
 
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パリ。朝の5時、実業家グザヴィエ(アラン・ドロン)が部屋で恋人のフランソワーズ(ミレーユ・ダルク)と共にいるところに、沈痛な表情の親友フィリップ(モーリス・ロネ)が訪れ、衝撃的な告白をする。
 
代議士でもあるフィリップは同僚のセラノ議員を殺害したといい、グザヴィエにアリバイ作りを依頼する。親友であり協力者であるフィリップのためにグザヴィエは承諾し翌日、犯行現場に向う。
 
現場にはモロ警部(ミシェル・オーモン)とペルネ警部(ジャン・ブーイズ)がいて“セラノ文書”という書類がなくなっているということだった。
 
 
“セラノ文書”とは、政治家たちの汚れた行状がしるされ、政財界をもゆるがすような証拠となる事実が秘められたものだった。フィリップはその文書を奪うためにセラノを殺害し、文書はフィリップの愛人ヴァレリーオルネラ・ムーティ)のアパートにあるといった。
 

ヴァレリーのアパートを訪れたグザヴィエは何者かに追跡されていることに気づき、文書をヴァレリーに託して、翌日モンパルナス駅で落ち合うことにする。
 
彼はその足でフィリップの事務所を訪れるが、フィリップは無惨にも殺されていた。
 
フィリップの妻クリスチアーヌ(ステファーヌ・オードラン)は夫の死よりも、文書を見つけ出すことに興味を示した。ヴァレリーと再会し文書を読んだグザヴィエはフィリップが恐喝の的となっていたことを知る。
 
グザヴィエは友人にヴァレリーを預け、フィリップ殺しの犯人追求にのりだす。
夫を殺した人物をつかんでいる様子のクリスチアーヌが何者かに殺されたのはそれからまもなくだった。
 

グザヴィエは遂に書類の一部をマスコミに流し、そのことが政界の重要人物たちの間に大混乱をよぶ。国際的コングロマリットの社長であるトムスキー(クラウス・キンスキー)はグザヴィエと取引きするために狩猟パーティに招待するがグザヴィエはかたくなに持ってないといいはった。
 
そこに、ペルネ警部がフィリップ殺しの容疑者としてグザヴィエを捕えにくるが、ヴァレリーの証言で容疑はとける。が、ヴァレリーは元ギャングのフォンダリ(ジュリアン・ギオマール)の銃弾を浴び絶命する。
 
翌朝フォンダリから真犯人の名を知ったグザヴィエは、モロ警部に“セラノ文書”を渡したいと電話する。政界を浄化させたいと願う国粋主義者のモロ警部こそフィリップ殺しの犯人だったのだ。
 
証拠をつかもうとしたグザヴィエは、待ちあわせた駅のロビーで文書を渡す際モロの告白をすべて録音することに成功し、すでに刑事たちが包囲したロビーに「私が殺した」というモロ警部の声が響くのだった。
 
その時、モロ警部は銃を抜こうとしたが、一瞬早くグザヴィエの銃が火を吹いた。
夜明け、“セラノ文書”をペルネ警部に渡すとグザヴィエはフランソワーズのところへ帰って行った(MovieWalker)。
 
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ドロンとの共演が多いミレーユ・ダルクオルネラ・ムーティなどの女優陣も見どころ。「Z」(1969)以外では顔を見なかったジャン・ブイーズジュリアン・ギオマールといった渋い俳優が出ていたのが懐かしい。
 
※当ブログの6月の「アラン・ドロン作品」投票で、HN(ハンドルネーム)が「チェイサー」のチェイサーさんは、映画「チェイサー」に3点を献上し「ドロンさん本人とオーバーラップする主人公の生きざまが魅力」とコメントしていた。チェイサーさんは「ドロン生誕祭」を主宰しているドロンに最も詳しい一人。
 
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